NBOX新型の燃費は実際良い・悪い?高速や街乗りの試乗評価を徹底調査
みなさんは軽自動車で1番売れているNBOXをご存知でしょうか。開放的な車内空間となるハイトールタイプの軽自動車となるNBOXですが、燃費性能には賛否両論ある様です。そこでここではNBOXの燃費を高速道走行と街乗り走行に分けて調べていきます。
目次
軽自動車販売台数トップのNBOX
2017年のモデルチェンジで新型が誕生したホンダのNBOXは2011年の販売開始から高い評価を受け、年間販売台数はNBOXが誕生した2011年以降ライバル車となるダイハツ・タントがトップとなった2014年以外は首位となっています。またNBOXは2017年の年間販売台数も首位となる予定です。
ハイトールタイプの軽自動車に分類されるNBOXの魅力は車高の高さから生まれる車内の解放感です。1993年に誕生したスズキ・ワゴンRは安価で燃費は良いが狭いという軽自動車のイメージを変えた車内空間に解放感があるトールタイプ軽自動車ですが、NBOXの車高はワゴンRの1,650mmを超える1,790mmとなっています。
年間販売台数のトップであるNBOXですが燃費性能については様々な意見があります。中にはカタログ上の燃費と比べて実際の燃費があまりにも悪すぎるという話もあります。そこでここでは2017年に販売開始された新型NBOXのカタログ値の燃費と実際の燃費について調べていきます。
NBOXとは
新型NBOXの燃費を調べる前にNBOXとはどの様な車なのか紹介していきます。まずNBOXが開発された経緯にはホンダが他メーカーと比べて軽自動車のラインナップの弱い事にありました。トールタイプの軽自動車が展開されてからは自動車販売台数の4割程度を占めるまで軽自動車の販売規模が拡大します。
日本の限られた自動車市場の中で軽自動車販売の割合が増えていく事はホンダでも見過ごせない状況となってきたわけです。その様な中で1967年から1972年にかけて販売されたN360を初モデルとするNシリーズ第2弾としてNBOXが開発がすすめられ2011年からNBOXの販売が開始されます。
またNBOXはホンダの軽自動車としては初の専用設計のCVTを搭載し、2010年まで販売されたエアウェイブ以来となる4WDとCVTを組み合わせたラインナップが行われます。またハイトールタイプの軽自動車では2代目トヨタ・タントが先駆けとしてスライドドアが採用され、NBOXでも後部ドアが両面スライドドアとなっています。
2017年のモデルチェンジで誕生した新型NBOXではホンダの衝突回避支援システムの「ホンダ センシング」をNBOX全モデルで搭載するなど安全装備を充実させています。様々な装備が充実しているNBOXですが購入を検討するのならNBOXの燃費性能は必要な要素の1つとなるでしょう。
NBOXの燃費カタログ値
それでは新型NBOXのカタログ上の燃費を紹介していきます。新型NBOXの自然吸気エンジンではFF車で27.0km/l、4WDで24.2km/lから25.4km/lとなっています。またターボエンジンではFF車が25.6km/l、4WDで23.4km/lとなります。新型NBOXの燃費はカタログ上の数値では平均以上の燃費性能に感じますが肝心なのは実際の燃費です。
NBOXの実際の燃費
NBOXだけではなく全ての車種でカタログに掲載されている燃費性能は一定の条件で検査された数値となっています。つまり様々な要素が絡んでくる実際の燃費とは全く異なった燃費の数値となります。実際の燃費は街乗りでカタログ値の60%から70%程度に、高速道走行で約80%になるとされています。
NBOXの実際の燃費・街乗り
まずは新型NBOXの街乗り時の実際の燃費は自然吸気エンジンで15.0km/lから17.0km/l、ターボエンジンでは13.0km/lから15.5km/l程度となっています。NBOXのカタログ値に対する燃費の割合は自然吸気エンジンで約60%、ターボエンジンは約55%程度となります。
NBOXの実際の燃費・高速道
次に新型NBOXが高速道を走行する場合の燃費は自然吸気エンジンの燃費で20.0km/lから22.5km/lに、ターボエンジンの燃費で19.5km/lから21.5km/lとなりました。割合では両エンジンで約83%となりNBOXの高速道走行は平均値よりも多少ですが燃費性能は良いといえます。
新型NBOXの実際の燃費を調査しましたが、NBOXだけの数値では良いのか悪いのか判断が難しいところです。NBOXの燃費の良し悪しを判断するには他の車種の燃費と比較するのがわかりやすいでしょう。そこで次からはNBOXの燃費をライバル車の燃費と比較していきます。
NBOXのライバル車の燃費・タント
NBOXとの燃費比較1台目はNBOXのライバル車筆頭といえるダイハツのタントです。ワゴンRやムーヴなどトールタイプの軽自動車が市場の主流となっている2003年にハイトール軽自動車の先駆けとなる初代タントが誕生します。タントはイタリア語で広いを意味し名前通りに余裕のある車内空間が高い評価を得ます。
現行のタントは2013年に販売された3代目でカタログ上の燃費は24.6km/lから28.0km/lとなっています。また実際の燃費は街乗り走行で15.5km/lから17.0km/l、高速道走行で20.0km/lから22.5km/l程度です。割合にすると街乗りで約63%に高速道で約81%となります。実際の燃費ではNBOXと大きな違いはない様です。
NBOXのライバル車の燃費・スペーシア
2台目のNBOXとの比較はスズキのスペーシアです。2013年にタントの競合車として誕生したパレットの後継機として販売が開始されましたが、今現在ではNBOXやタントに販売台数では差をつけられている状態です。またNBOXと同じハイトールタイプに分類されますが、NBOXと比べると若干車高が低くなっています。
NBOXと同じく2017年に新型となったスペーシアでは全モデルでNBOXにはないハイブリッド車となっています。燃費のカタログ値は26.4km/lから30.0km/lとなり、実際の燃費は街乗りで16.0km/lから20.0km/lに高速道走行で22.5km/lから24.0km/lとなっています。ハイブリッド車である分燃費性能の評価は高く実際の燃費もNBOXよりも良いです。
NBOXのライバル車の燃費・デイズ ルークス
NBOXとの比較3台目は日産のデイズルークスです。デイズルークスは日産と三菱との共同開発により2014年に誕生しています。また共同開発を行った三菱ではekスペースとして販売されています。またデイズルークスには低燃費システムとしてバッテリーアシストシステムが採用されています。
デイズルークスのカタログ上の燃費はFFで22.0km/l、4WDで20.4km/lから21.8km/lとなります。また街乗り時の実際の燃費は13.0km/lから15.0km/l、高速道走行の燃費は18.0km/lから20.0km/l程度となっています。NBOXと比べると実際の燃費は多少見劣りする数値といえます。
NBOXのライバル車の燃費・ワゴンR
続いてNBOXとスズキ・ワゴンRの燃費を比較します。ワゴンRはNBOXよりも少し車高が低い車種となりますが1993年の販売開始から高い評価を受けている軽自動車です。2017年のモデルチェンジで誕生した新型ワゴンRのカタログ上の燃費は非ハイブリッドで23.4km/lから26.8km/l、ハイブリッドで30.4km/lから33.4km/lとなります。
ワゴンRの実際の燃費は街乗りで17.0km/lから20.0km/l、ハイブリッドでは23.5km/l程度とされています。また高速道の走行では非ハイブリッドで23.0km/l、ハイブリッドで24.0km/lから25.0km/l程度です。ハイブリッドの分数値だけはNBOXよりも良いですが高速道の走行は割合で80%を切る場合があります。
NBOXのライバル車の燃費・ムーヴ
NBOXとの燃費比較5台目はワゴンRとともにトールタイプの軽自動車として高い評価を受けているダイハツのムーヴです。NBOXよりも150mmほど車高が低く車体重量もNBOXと比べ100kgほど軽くなっています。カタログ上の燃費は自然吸気で27.6km/lから31.0km/l、ターボで25.6km/lから27.4km/lとなっています。
また街乗り走行時の燃費は15.0km/lから18.5km/l、高速道走行時は21.0km/lから25.0km/l程度となります。燃費の数値だけではNBOXよりも性能が良く感じられますが、割合でみてみるとNBOXよりも車高が低く空気抵抗が抑えられ車体が軽いムーヴとしては物足りない燃費といえるでしょう。
NBOXのライバル車の燃費・ウェイク
6台目のNBOXとの燃費比較はダイハツ・ウェイクです。ウェイクはNBOXよりも車高が高く車内空間も軽自動車でトップクラスとなっています。ただ車高が高い分はNBOXよりも車体重量が重くなるという状態につながっています。ウェイクのカタログ上の燃費は23.2km/lから25.4km/lです。
ウェイクの実際の燃費は街乗りでは13.0km/lから15.0km/lに高速道走行では18.0km/lから21.0km/l程度になります。割合は街乗りで約55%程度、高速道走行で約70%程度とNBOXより車高が高い分空気抵抗が上がり重量があるのでNBOXよりも燃費が落ちるのは当然といえるでしょう。
NBOXのライバル車の燃費・ハスラー
NBOXとの比較7台目はスズキ・ハスラーです。ハスラーはSUVに分類される軽自動車なのでNBOXとはカテゴリーが違いますが、マイルドハイブリッドを搭載しているモデルもあるので燃費の良いという評価があります。ハリアーの燃費はカタログ値で24.2km/lから32.0km/lとなっています。
またハリアーの街乗り時の燃費は15.0km/lから20.0km/l、高速道走行時は20.0km/lから23.5km/l程度となっています。燃費数値が悪いのはマイルドハイブリッドが非搭載モデルなので仕方がないのですが、NBOXよりも車体が軽い為か街乗りではNBOXよりも燃費が良くなる様です。
NBOXのライバル車の燃費・アルト
続いてNBOXとスズキ・アルトの燃費を比較していきます。NBOXとアルトでは軽自動車の中でもカテゴリー違いとなりますが、アルトは軽自動車でトップの燃費性能を持った車種という事でNBOXと比較してみます。アルトはエネチャージとアイドリングストップに約700kgという軽量な車体から高い燃費性能となっています。
アルトのカタログ上の燃費は25.2km/lから37.0km/lとなっています。また街乗り走行では22.0km/lから24.0km/l程度、高速道走行では30.0km/lから33.0km/l程度と抜群の燃費性能といえます。NBOXと単純比較は難しいですが空気抵抗や車体重量の差がNBOXとアルトの燃費は数値の差になっている事がわかります。
NBOXのライバル車の燃費・ミラ
NBOXとの燃費比較最後はダイハツのミラです。アルトと同じくNBOXとはカテゴリーは違いますが、2017年にモデルチェンジとなったミラの低燃費モデル・ミライースは高い燃費性能が評価されています。ミライースの燃費のカタログ値は32.2km/lから35.2km/lとなります。
ミライースの実際の燃費は街乗り:19.5km/lから23.5km/l、高速道走行:23.5km/lから27.0km/lとなります。ミラでもNBOXとの空気抵抗と重量の関係で燃費性能に差がでています。軽自動車には燃費性能を求めるという人ではNBOXよりもミライースやアルトという選択になるでしょう。
NBOXとライバル車の燃費比較の結果
NBOXとライバル車との燃費比較を行いましたが、タントなどハイブリッドシステムを搭載してきた車種が増えている中でNBOXの燃費性能はある程度の性能があるといえます。ただNBOXが高い評価を受ける理由は燃費性能ではなくトータルでの性能の良さにあるのです。
またNBOXの自然吸気エンジンは他の車種と比べて馬力が高く走行性能が良いとされています。馬力が高い分燃費に影響がでる可能性はありますが、NBOXは走行性能をや安全性能、室内空間などこれまでの軽自動車にはない特徴を持った車となるのです。
NBOX新型の燃費は実際良い・悪い?のまとめ
新型NBOXの燃費について調べてきましたがハイトールタイプの軽自動車としては平均よりも少し良い程度の燃費といえます。ただNBOXの評価は燃費性能ではなく走行性能などトータルでの完成度の高さにあるといえます。またNBOXの自然吸気エンジンは馬力が少し高い点も評価できるでしょう。
NBOXは2017年にモデルチェンジを行い新型となったばかりなので数年は大きな改良は行われないかもしれませんが、近年ホンダではハイブリッド車の製造が進んでいるので、マイナーチェンジではハイブリッドシステムを搭載し燃費が向上したNBOXが誕生するかもしれません。
販売開始以来大ヒットとなっているNBOXですが、各メーカーでも販売に力を入れてきているハイトールタイプという事もあり今後どの様な展開を行っていくのか楽しみといえます。それではNBOXの購入を検討している人はここで紹介したNBOXの燃費情報を参考にしてみて下さい。
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