梅雨時期などに嫌なカビの存在。そんなカビを除去するにはアルコールが効果があるようです。その中で特に効果が高いと言われているアルコールが「エタノール」の存在です。無水エタノールや消毒エタノールなど、エタノールの違いも解説しながら、カビの除去について紹介します。

目次
カビの除去にはアルコールがおすすめ
カビの掃除はとてもむずかしい問題です。なかなか除去するのに苦労するものなのですが、一番カビに効果的な方法は何があるのでしょうか。
そんなカビへの対処方法として効果があると言われているのが、アルコールなんです。そのアルコール類の中でエタノールが非常にカビに効果があるようなのですが、その効果や理由はどのようなものなのでしょうか。
カビに効果があるアルコールと効かないアルコール
カビにはアルコールが効果があると言われているのですが、すべてのアルコールが効果があるわけではないようです。カビの除去に効果があるアルコールとは、どのようなものなのでしょうか。
まず勘違いしがちなのが、スーパーなどで購入することができるアルコール除菌スプレーに関しては、カビの除去の効果はあまり期待できません。
アルコール除菌スプレーの効果は、雑菌などを除去するのには良いため、ウィルスなどが付着するのを防ぐのに使用されます。病院などで手にプシュッと吹き付けてしようしますよね。あのタイプのアルコールでは、カビの除去はあまり効果が無いようです。
このアルコール除菌スプレーに関しては、短時間での効果はあるのですが、カビなどの長期間の除去効果が求められる場合には向いていないんです。そのため、どうしても近くにカビを除去するためのアルコール類がない場合は、アルコール除菌スプレーで補うしかありません。
カビに使用するアルコールの特徴を知ろう
アルコールにはいくつかの種類があります。例えば、傷口に使われるアルコールはオキシドールというものがありますが、実はこれはアルコールではなく過酸化水素水というものなんです。あくまで、傷口の消毒だけに使われるものですね。
そういった中で、カビにもっとも効果があると言われているのが「エタノール」なんです。なぜ、エタノールはカビの除去に効果があるのでしょうか。
アルコールのエタノールはなぜカビに効果があるのか
エタノールは、はちみつやでんぷん室から作られる「酒精」と呼ばれるものの仲間です。エタノールはエチルアルコールという構造式をもつ無色透明で、独特の匂いがする液体のことですね。
濃度が濃くなると刺激性が強くなり、ウィルスなどの殺菌力は80%の状態が最も強いと言われています。そのため、消毒用に使われるエタノールは、この80%という濃度に設定されているんです。
同じアルコールで、たまに戦争映画などのワンシーンで見ることもあるウォッカなどのアルコール度数が強いお酒。こういったお酒のアルコールも消毒用のエタノールの代用品として使用することができるようです。
エタノールはカビ除去以外にも用途が多い
エタノールはそのような消毒用の役割が最もポピュラーな用途ですが、殺菌剤や燃料として使われることまであるんです。
他にも手作り化粧水を作る人や、エッセンシャルオイルにはエタノールが使用されることがあるようで、そこから消臭スプレーや虫よけスプレーまで作ることができるんです。非常にエタノールの用途は豊富なので注目しておきたい存在です。
無水エタノールとは消毒用アルコールのこと
また、消毒用のエタノールのことを、無水アルコールともいうのですが、これには2つの種類が存在します。
無水エタノールの2つの種類は99%の無水エタノールか80%のエタノールによる消毒用のものがあります。ドラッグストアで「無水エタノール」と書かれて販売されていますね。
お風呂のピンクカビにはエタノールが良いと聞いて、早速実験。
— サチヱ (@sachiway_S) October 9, 2017
スプレーして少しブラシで擦るだけでスッキリ✨今までカビキラー使ってたので臭いや洗剤残りが気になったけど、これは簡単でイイね(о´∀`о)ただし、掃除中は換気をしっかりしましょー。 pic.twitter.com/K5okqxCnTI
この画像のように、非常にしっかりとエタノールの種類が表示されています。また、小さな子供がいる場合は、誤飲を防ぐために、絶対に子供の手に届く範囲には置かないようにしましょう。
カビに強いと言われるのは消毒用エタノール系
99%のものが無水エタノールと呼ばれ、80%のものは消毒用アルコールと呼ばれるのが一般的です。どちらのエタノールも効果が高いと言われており、無水エタノールがカビに強い、水で薄めたほうが良いという、2つの意見に分かれているようです。
冷蔵庫の扉のゴムパッキンの汚れは、台所用洗剤を布に含ませたもので落とす。細かい部分には古歯ブラシや綿棒を使うといい。その後は水拭き→乾拭きだ。仕上げに消毒用エタノールで除菌すれば完璧だ……カビが生えているだと? 塩素系漂白剤を古歯ブラシにつけて擦っておけ
— ←お掃除兵長bot━≪≪ (@souji_rivai_bot) October 18, 2017
最近の様子だと、80%に薄めているエタノールのほうが効果があるという意見が多いようです。エタノールのカビのたんぱく質を分解してくれる力が、カビの除去に効果があると愛用されているようです。
アルコールであるエタノールによるカビ除去の仕方
具体的に、エタノールを使って、どのようにカビを除去すれば良いのかについて紹介します。まずは、ドラッグストアで無水エタノールか消毒用のエタノールを購入してきましょう。
もちろん、無水エタノールを80%に薄めれば、消毒用のエタノールが出来上がるので、幅広くエタノールを使いたい場合は無水エタノールを購入してきてもいいかもしれません。手間を考えると薄められている消毒用のエタノールほうが、カビの除去には楽ですね。
最初にカビを見つけたら、その場所を乾いた雑巾で拭いてあげます。できれば100均などで新品の雑巾を購入してくるのがおすすめです。汚れている雑巾の場合はカビの菌と混ざり合って、さらに菌が発生する可能性があります。
また、カビを除去するときはマスクをしておくことがおすすめです。雑巾でカビをこすると菌が空気中に広がるので、そのときにカビを吸ってしまうと体調不良の原因になります。必ずマスクをしてこするようにしましょう。
アルコールの力でカビを除去
エタノールはそのまま噴射できるスプレーがついている場合は良いですが、それがついていない場合は、先程の100均でスプレーボトルを購入してきて移し替えましょう。雑巾で拭き取ったカビの位置に、エタノールを噴射しましょう。
これでカビの除去や予防になります。これがもっとも簡単なエタノールによるカビの除去方法といえますね。
ちなみに、電化製品に対しては、エタノールはよくないので、新品の雑巾にエタノールを噴射して、それで拭き取るようなかたちでこすりとってあげるのが予防や除去の方法としておすすめです。
アルコール類の取扱の注意
エタノールはアルコールの一種のため、引火の危険性があります。カビが発生しやすい台所の中で、キッチンに使用しようとすることもあります。しかし、台所は火の気があるので、エタノールを使う場合はちゃんと換気をして、すぐに火の気を使わないようにしましょう。
また、噴射してエタノールを使うよりも、雑巾に噴射して拭き取るような使い方のほうが安全ですね。必ずキッチンをすぐには使わないようにして、エタノールの取扱には注意して使用するようにしましょう。
風呂場でのカビの除去の注意
また、お風呂場や洗面所では、漂白剤に気をつけましょう。漂白剤とエタノールが混ざると身体に有害なものが気化される可能性があります。漂白剤を使ったばかりの場所にエタノールを噴射したり、漂白剤と混ぜるようなことが厳禁です。
風呂場や洗面所では、必ず換気して使用するようにしましょう。夢中になりすぎてカビの除去をしているうちに、体調不良になる可能性が十分にあります。換気していても、エタノールを使用している際は、カビの除去をしながら、休憩をはさむようにしましょう。
カビ除去のときにアルコールで把握しておくべきこと
アルコールには先程のように、引火性があること、そして揮発性があることを忘れないようにしましょう。揮発性とは、放っておくと炭酸のように気が抜けてしまうようなものと思えばいいです。
つまり、スプレーボトルに移したエタノールは、そのままにしておくと、揮発して効果を発揮できなくなってしまうんです。密閉容器の場合でも必ず冷暗所に保管するようにしましょう。そうすることにより、エタノールの効果を継続して利用することが出来ます。
また、エタノールを中心としたアルコール類は消費期限のようなものがあるので、開封するとどんどん参加して劣化していきます。購入したときに使用期限をチェックして、使用期限内に消費してしまうようにしましょう。
エタノールには、漂白作用がないので、カビの黒汚れの除去には向いていないんです。これが、最初に雑巾でカビを拭き取る作業を行った理由です。エタノールでしっかりと除菌して除去して乾かしましょう。そして、そこに塩素系消毒剤でカビの汚れを拭き取る、二段階のカビ取りがおすすめですね。
黒カビにはエタノールより片栗粉!?
では、黒カビにおすすめできる除去方法はどのようなものがあるのでしょうか。普通のカビの除菌には無水エタノールや消毒エタノールが効果的でしたよね。実は、黒カビには片栗粉を使用する方法がおすすめされているんです。
片栗粉を使ったあと、使いきれずに困っている人も多いと思います。そういうときは、黒カビの除去に使うのがおすすめです。用意するものはキッチンハイターなどの塩素系漂白剤と片栗粉、そしてゴム手袋を忘れないようにしましょう。
使わないコップなどの容器を用意して、そこに片栗粉を大さじ1と塩素系漂白剤を大さじ1弱の割合で混ぜ合わせてあげましょう。科学の実験のように、これを混ぜていきます。ポイントは完全にトロトロにする必要はないということです。
カビに漂白剤が定着する
片栗粉を使用している理由は、漂白剤がねっとりとして、カビに付着して汚れを除去しやすくなるからなんです。そして、作ったものは保管せず、早めにその場で使い切るようにしましょう。
キッチンのシンクだったり、お風呂場のタイルに出来た黒カビ。そのカビの部分を水気がない状態で、この片栗粉漂白剤を塗りつけるんです。
漂白剤をカビに塗りつけるときは、手荒れの原因になるのでゴム手袋をしっかりと装着して行うようにしましょう。黒カビの位置に塗りつけたら、だいたい5分から10分ほどで拭き取ってあげれば十分です。片栗粉漂白剤が残らないようにきれいに拭き取るようにしましょう。
黒カビ除去の注意点
片栗粉漂白剤を使用するときに注意点があります。黒カビが発生しやすいパッキンなどのゴム類のところで、使用することも多いと思うのですが、長時間放置することは禁止です。
漂白剤を付着させたまま長時間放置すると、ゴムが劣化してしまうんです。せっかく黒カビが取れてきれいになっても、ゴムが劣化してしまっては意味がありません。換気をして、漂白剤を使いながら10分ほどを目安に拭き取るようにしましょう。
アルコールによるカビ除去の場所の注意
エタノールを使用した際に、使用する対象にも注意が必要です。エタノールはアクリルやスチロールにはあまり効果がありません。また革製品やニスやワックスが塗られている場所には使用しないようにしましょう。
こういった場所やものに使用すると、カビだけでなく表面が溶けて剥げる原因になるので使用してはいけません。アルコール類に耐性があるものにだけ、このカビ取りの方法は利用できるというわけです。
また、肌が弱い人は漂白剤の場合だけでなく、アルコール類を使うときにも、ゴム手袋などを使用するようにしましょう。そういったアルコールの特性をうまく使い分けながら、カビの除去に取り組むのがおすすめですね。
取れにくかったカビもアルコールで対処しよう
アルコール類であるエタノールを使用した、カビ除去の方法を紹介しました。カビにもいくつかの種類があり、アルコールだけで取れるわけではないので、いろいろ試してみるのがおすすめです。
頑固な黒カビには、先ほど紹介した片栗粉漂白剤のほうが効果的なので、1日でカビを除去するよりも、何回かにわけてカビを除去する方法がおすすめですね。
また、梅雨などのカビが発生しやすい時期には、カビが発生していない箇所でも、アルコール類を使って、カビが発生しにくいように予防しておくことがおすすめですね。
夏場はしっかりと換気して、湿気がたまりにくいようにしましょう。エアコンの除湿を使ったり、余計な水分は早めに拭き取ったりするようにしましょう。また、カビが頑固になるまえに、早め早めの対策がおすすめですね。
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