ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは肩と腕の骨を繋ぐ筋肉群であり、運動や日常動作に不可欠の筋肉です。ローテーターカフの力が弱いと思わぬケガをするかもしれません。ローテーターカフの事故を防ぐためにも今回はローテーターカフの鍛え方およびストレッチ方法を紹介します。

ローテーターカフの筋トレ方法・鍛え方ガイド!ストレッチのやり方も!

目次

  1. ローテーターカフ(回旋筋腱板)って知ってますか?
  2. ローテーターカフって鍛えたらどんないいことがあるの?
  3. そもそもローテーターカフってどこ?
  4. もしもローテーターカフを鍛えていないと?
  5. 肩関節を固定してケガを防ぐ!棘上筋の筋トレ方法
  6. 外旋運動もスムーズに!棘下筋の筋トレ方法
  7. 内旋運動も滞りなく!肩甲下筋の筋トレ方法
  8. 鍛えて関節を安定させよう!小円筋の筋トレ方法
  9. 鍛えなくてもローテーターカフをストレッチ!
  10. トレーニングがうまくいくと健康が待っています!

ローテーターカフ(回旋筋腱板)って知ってますか?

皆さんはローテーターカフ(回旋筋腱板)という筋肉をご存じでしょうか。肩周りに存在するローテーターカフは鍛えることで大きなメリットがある筋肉で、けがの防止や健康に役立ちます。今回はこのローテーターカフの鍛え方とストレッチ方法を解説します。ちなみに回旋筋腱板とはローテーターカフの和名で意味は同じです。

ローテーターカフって鍛えたらどんないいことがあるの?

ケガを防げる

ローテーターカフは上腕を支えるための筋肉で、多くの動作にかかわってきます。もしローテーターカフの鍛え方が足りなければ運動やトレーニングで負荷がかかったときローテーターカフの損傷を招くかもしれず、日常生活でもケガをするかもしれません。ローテーターカフを鍛えておくとケガや故障を防ぐことができます。

肩こりを軽減できる

ローテーターカフの鍛え方が足りないと、上腕のバランスが取れなくなります。それは肩関節にはめ込まれるように配置されている上腕骨が前に動いてしまい、結果として僧帽筋など肩周りの筋肉に負担がかかり肩こりを引き起こすためです。ローテーターカフが適切な力を発揮できていれば上腕を正しい位置におさめ肩こりを防ぐことができます。

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そもそもローテーターカフってどこ?

ローテーターカフはどこにある?

ローテーターカフ(Rotator cuff)とは棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)、小円筋(しょうえんきん)の四つの筋肉をまとめた呼び方であり、一つの筋肉の名称ではありません。日本語では回旋筋腱板といい、ローテーターカフの4つの筋肉群は全て肩口のあたりに存在しています。

ローテーターカフはどんな役割を持つ筋肉なの?回旋筋腱板ってどういう意味?

ローテーターカフは回旋筋腱板という和名からもわかるとおり、腕の内旋および外旋を担当する筋肉です。回旋筋腱板とは回旋の役割を持つ腱板(関節を安定させる筋肉と腱の複合体)という意味で、内旋とは内側(体の中心側)にひねる動きを言い、外旋とは外側(体の中心と逆側)にひねる動きを言います。

ローテーターカフはインナーマッスルに分類される

ローテーターカフはインナーマッスルに分類される筋肉です。反対に上腕二頭筋(力こぶ)などの目につきやすい筋肉をアウターマッスルといいます。インナーマッスルは表立った役割はありませんが、人体の動きの微調整には欠かせない筋肉です。 ローテーターカフなどのインナーマッスルの鍛え方が足りないと運動で思わぬ故障をしたり姿勢が安定しなくなったりします。

もしもローテーターカフを鍛えていないと?

けがが起こりやすい

ローテーターカフを十分鍛えていないとケガの原因になることは上に述べた通りです。具体的にはいわゆる野球肩といった症状が該当します。野球肩とは野球の投球動作などを原因として肩の腱を痛めてしまう症状のことで、ローテーターカフが十分に鍛えられていないと野球肩を招いてしまいやすいと言われています。

インピンジメントの原因にも

インピンジメント(impingement)とは「突き当たる」という意味の言葉で、野球肩の一種である故障症状です。この症状はローテーターカフの一つである棘上筋が上腕骨と鎖骨の間にはさみこまれることで痛みを発します。この症状はローテーターカフを鍛えて関節の位置を正しく調整すると防げるため、ローテーターカフのトレーニングが予防策となり治療法となります。

運動の際に十分なパフォーマンスを出せない

ローテーターカフなどのインナーマッスルはアウターマッスルほど目立った働きをしませんが、アウターマッスルの力のほうが強すぎると運動の際にインナーマッスルがアウターマッスルに引っ張られて損傷しパフォーマンスの低下を招くことがあります。運動の際に良いパフォーマンスを出すためにはローテーターカフなどのインナーマッスルの働きが欠かせないでしょう。

肩こりの原因になる

ローテーターカフを鍛えていないと肩こりを引き起こすおそれがあることは上に述べた通りです。慢性的に肩こりに困っている人はローテーターカフの筋トレをすると改善できるかもしれません。もし筋トレをする余裕がなければローテーターカフのストレッチをするだけでも効果はあります。運動を加えれば肩周りの筋肉がほぐれ血行がよくなり肩こりも軽くなるはずです。

五十肩の原因になる

五十肩も原理は上記のインピンジメントと同じであり、ローテーターカフの一つの棘上筋が骨にはさみこまれたり肩の骨(肩峰)に衝突を繰り返すなどして筋肉が損傷することによって起こります。そのため、ローテーターカフをあらかじめ鍛えておけば五十肩を防ぐことができ、発症したとしてもかなり軽くすませることができるはずです。

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肩関節を固定してケガを防ぐ!棘上筋の筋トレ方法

トレーニングチューブを使った筋トレ方法

まずチューブを鍛えたいローテーターカフの方の手に軽く挟むように持ち、反対側の足でチューブを踏みます。チューブにほどよく張りを作り、肘を伸ばしたまま腕を上げてトレーニングを行います。この時腕は真横にも真正面にも上げず、30度ほど斜め前に上げるようにします。目安として50回~100回ほどを行いましょう。

ダンベルを使った筋トレ方法

動画の方法では、鍛えたいローテーターカフの方の腕を上げた時に小指が天井を向くようにダンベルを持ちます。ダンベルを持った腕は水平に上げるのではなく、斜め前30度にゆっくり肩の高さまで上げていきます。この時注意する点は5秒間ほどかけてゆっくり腕をあげる点です。回数は最初は10回から、ダンベルの重さは最初は1kg~1.5kgから始めてゆきます。

ペットボトルを使った筋トレ方法

鍛えたいローテーターカフの方の腕に水を入れたペットボトルを持ち、小指が天井を向くように逆さにします。そのまま腕を斜め前30度の方向に向かって肘を曲げずにゆっくりあげます。ローテーターカフ以外の筋肉を使ってしまうため高く上げる必要はありません。回数としては20~30回を目安とし、より重くしたい場合は砂を入れるなどして調節します。

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外旋運動もスムーズに!棘下筋の筋トレ方法

トレーニングチューブを使う筋トレ方法

チューブを柱やドアノブなどに結びつけ、固定したチューブの真横に立ちます。肘は胴体からは離さず、胴体と直角の角度を作るようにします。そして、鍛えたいローテーターカフの方の手にチューブを持ち、軽く握って内側から外側にかけてひっぱりトレーニングを行います。50~100回を目安として行い、手首の筋肉を使わないようにして行いましょう。

ダンベルを使う筋トレ方法

まず、ベッドの上などでうつぶせに寝て、鍛えるローテーターカフの方の手が下に垂れるよう高さを調節します。ダンベルの片端に親指をかけてるように握り、ななめ前30度の方向に腕をゆっくりと上げ下げを行います。上げる時はダンベルが垂直になるまで上げ、目線はダンベルの方に置いておきましょう。10回を1セットとして行います。

内旋運動も滞りなく!肩甲下筋の筋トレ方法

トレーニングチューブを使う筋トレ方法

手近な柱やドアノブにチューブを縛り、固定したチューブの真横に立って動画のように持ちます。この時肘は胴体と直角の角度を作るようにし、肘は胴体から離れないようにします。手首の筋肉は使わずに外側から内側に引っ張ってトレーニングを行いましょう。1セットは50~100回を目安とします。

ダンベルを使う筋トレ方法

横向きに寝ころび、下側になった腕を少し前に出しダンベルを握ります。そのまま持ち上げた腕が胴体につくまでゆっくり上げ下げを行います。効き目を実感しにくいかもしれませんが、動画と同じトレーニング方法をとれば確実に効果があります。ダンベルの重量は1kgほどのものを使い、10~15回を1セットとして2セット行います。

鍛えて関節を安定させよう!小円筋の筋トレ方法

トレーニングチューブを使う筋トレ方法

チューブを手近なところに肘の高さに固定します。そこから内側から外側に向けて肘が胴体から離れないようにチューブをゆっくり引っ張ります。腕を開くときはだいたい45度から60度の角度になるようにしてください。回数は1セットにつき20回ほどを目安として2セットを目標とします。肩のあたりが熱くなる感触があれば成功です。

ダンベルを使う筋トレ方法

うつぶせに寝転がり、ダンベルを親指を人差し指の隣につけるように握ります。そのまま握った腕を胴体から離さないようにして上に上げ、上げたところで3秒間止めます。3秒間たったら降ろし、胴体の横で腕を止めます。最初は1~1.5kgのダンベルで10回を1セットとして始め、慣れてきたら重量と回数を増やしていきましょう。

鍛えなくてもローテーターカフをストレッチ!

人によってはローテーターカフのトレーニングをする余裕もないかと思います。しかし、ローテーターカフのストレッチだけでも肩こりは改善できますし、ケガの予防にもなります。ストレッチもローテーターカフを構成する筋肉により個別に行う必要があるため、筋肉ごとに紹介してゆきます。いつでも行えるよう道具をあまり必要としないものを選んでみました。

棘上筋のストレッチ方法

まず右側のストレッチの場合、右腕を背中にまわし肩をさげます。次に左手で肘をつかみ、左側にひっぱります。その状態で右側に体をかたむけ、首を左に倒します。棘上筋が伸びる感覚を意識してほどよく伸ばします。さらに効果を上げるために右手のひらをひねり、もっとも棘上筋が伸びる位置を探すとよいでしょう。

棘下筋のストレッチ方法

まず肘を曲げ、反対の手で肘を下からつかみます。次につかんだ腕を胴体の方にひきながら、少し下に押し下げます。この時棘下筋がしっかり伸びるように意識をします。伸びた感覚があったらそのまま鼻から吸い口から吐く呼吸を20秒間続けます。ここまでで片側が終わりで、つづいてもう反対側も行いましょう。

肩甲下筋のストレッチ方法

壁に手を伸ばしたまま手をつき、肩関節が後ろに押されるように体重をかけます。次に、肘を少しだけ曲げ手をついた方と逆の側に体をひねります。さらに、肘の位置を低くしたり高くしたりして肩甲下筋が一番よく伸びる位置を探します。位置が見つかったらその体勢を30秒間保持してみてください。

小円筋のストレッチ方法

この運動は棘下筋のストレッチにも使えます。まず、片方の手を頭の上あたり、もう片方を背側の腰のあたりにもってきてそれぞれタオルをにぎるようにします。そのままタオルを上に引っ張り下側の手を持ち上げるようにします。その状態で自然呼吸を行い、しばらくしてから反対側でも同じようにします。

トレーニングがうまくいくと健康が待っています!

ここまでローテーターカフの鍛え方およびストレッチの方法を解説してきましたが、いかがだったでしょうか。ローテーターカフに問題を抱える方もそうでない方もぜひ試してみていただきたいです。筋肉がほぐれる感覚はとても気持ちがいいし、きっと体の調子もよくなると思います。体を大事にして日々の健康に気をつかっていきたいですね。


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