ユルい虎の刺繍が話題となり、コーディネートの新たなスパイスアイテムとして注目を集める「ベトジャン=ベトナムジャケット」。その代表的ブランドであるテーラー東洋の魅力と、意外と合わせやすいベトジャンのメンズ着こなしコーデについてご紹介します。

ベトジャンとはなに?テーラー東洋が人気のメンズ着こなしコーデ

目次

  1. ベトジャンとは何?
  2. ベトジャンとスカジャンの違いは?
  3. ベトジャンの代表的ブランド「テーラー東洋」
  4. 孤高のヴィンテージベトジャン
  5. ベトジャンコーデの基本
  6. ベトジャンがアクセントのシンプルコーデ
  7. ベトジャンミックスのちょい外しコーデ
  8. ベトジャン大人コーデ
  9. ちなみにベトジャン柄の別アイテムもあるんです
  10. ベトジャンは意外と引き立て役⁉︎

ベトジャンとは何?

ユルい顔をした虎の刺繍が「かわいい」「味がある」と、いま巷で話題のベトジャン。虎の刺繍と聴いて、「自分には縁がないアイテムだな」と思っているベーシックなコーディネートが好きなあなたにも、ぜひお伝えしたい。実はベトジャンはどんなコーディネートにもしっくりくる、素敵アイテムなのです。

ベトジャンの起源

1960年代から1970年代、ベトナム戦争からアメリカへ帰還する米兵が、寝袋やパラシュートの生地を使って、ベトナム由来の刺繍を施し作った土産物のジャケットのことを「ベトナムジャケット」、通称「ベトジャン」と呼びます。

ちなみに、アメリカへの帰還兵が自国への土産として、駐留していた国の刺繍を施して作るジャケットのことを、総称して「スーベニアジャケット=土産物のジャケット」と呼びます。観光地で売られている、地名と観光名所の絵が入ったタペストリーに近い感じですね。

ベトジャンの生地、形

ベトジャンは、オリジナルが寝袋やパラシュートの生地だったことから、現在でもコットンツイルと、キルティング加工のされたポンチョライナーの2種類の生地を主に用いて作られています。形はシンプルな、襟ありのジップアップジャケットです。

ベトジャンの刺繍モチーフは「ベトナム」

ベトナム土産ということで、ベトジャンには「ベトナムの地図」と、ベトナムの吉祥柄である「虎」、「龍」、そして「福」の文字が必ずと言っていいほど刺繍されています。ただし刺繍はユルいです。現在製作されているベトジャンは、ヴィンテージのベトジャンを元に再現されていることが多く、刺繍についても当時のベトナム人が施したものをそのまま再現しています。

ベトジャンとスカジャンの違いは?

スカジャンとは「横須賀ジャンパー」の略

スカジャンは、戦後間もない頃に横須賀基地に駐留していた米兵がオーダーした、日本の「スーベニアジャケット」のことで、1960年代頃から「横須賀ジャンパー」を文字り、「スカジャン」と呼ばれるようになりました。(諸説あるようです)

スカジャンの生地、形

スカジャンが作られ始めた当時、米兵が持ち込んだ落下傘の生地がシルクであったことから、現在も光沢のある「サテン」や「別珍」を用いて作られています。形は襟のない、いわゆるスタジャンの形です。

スカジャンの刺繍モチーフは「日本」

ベトジャンがベトナム土産なのに対し、スカジャンは「日本土産」です。なので刺繍も、「JAPAN」や「桜」、「富士山」など日本のモチーフばかりです。ちなみに刺繍されている「鳥」についてですが、「鷲」とも「鷹」とも言われているそう。「鷲」はアメリカの国鳥ですし、日本の縁起物なら「一富士、二鷹、三茄子」の「鷹」だと思うのですが、真偽やいかに。

着まわし易さはベトジャンの勝ち

スカジャンは、原型がスタジャンなだけあって、メンズの場合どうしてもアメカジが一番しっくりきます。言い換えれば、なかなか他のジャンルに合わせるのが難しいアイテム。それに比べてベトジャンは、意外と色々なコーディネートに合い、着まわしが利きます。その理由については、また後ほどご紹介するとして、続いてはベトジャンの代表的ブランドについてお話しします。

ベトジャンの代表的ブランド「テーラー東洋」

テーラー東洋とは?

「テーラー東洋」とは、「東洋エンタープライズ株式会社」のブランドの一つで、主にスカジャンを展開している。東洋エンタープライズの前身会社である生地貿易会社の「港商」が、戦後の横須賀界隈の米兵に対し、ベースボールジャケットにオリエンタルな刺繍を施した「スーベニアジャケット」を考案して露天商で売り出しました。スカジャンの産みの親でもある老舗ブランドです。

ヴィンテージのベトジャンの図案を再現

テーラー東洋のベトジャンは、生地はコットンツイルや、カモフラージュ柄のポンチョライナーを使用し、1960年代から1970年代に作られたヴィンテージのベトジャンの図案を、その当時のオリジナルに合わせ、手刺し風の刺繍やチェーン刺繍によって再現しています。

この白のベトジャンは、ベトジャン特有の4種類の図案に加えて、左胸にアメリカ海軍建設工兵隊「シービーズ」のモチーフが施されたレアな図案を再現したもの。当時のオリジナルベトジャンには、自分の所属の部隊のロゴや、メッセージなどが刺繍されていました。

下の黒のジャケットが、比較的オーソドックスな図案を再現したものです。背中に大きくベトナムの地図を配する辺りは、さすがにお土産物であったことを物語ってくれています。

テーラー東洋✖︎別ブランドとのコラボベトジャンもあります

下の写真はテーラー東洋とBEAMSとのコラボベトジャンで、生地にカモフラージュ柄のポンチョライナーを使用したもの。落ち着いた色の糸で刺繍が施され、大人な雰囲気のコーディネートにも対応できそうな一枚です。

孤高のヴィンテージベトジャン

人とは違った個性を演出したいのであれば、やはりオリジナルであるヴィンテージのベトジャンも気になるところです。いくつかご紹介しましょう。

上の写真は良い具合に色褪せた1着。目の開き方が絶妙に味のある虎と、「U.S.ARMY」のワッペンが雰囲気を出しています。下の写真はカモフラ柄の生地にパステル調の糸で刺繍を施したものですが、「地獄で奉仕したんだから、死ぬときは天国に行ける」と言う言葉が胸に刺さります。

お次も同じメッセージが施されたヴィンテージ。お土産なので、当時の米兵はこの言葉に共感を覚えていたのでしょう。色褪せたグレーの生地と、イエロー系とグリーンの刺繍が、まさに写真の通り、カーキのパンツとの相性が抜群です。ヴィンテージの着こなしが上手い人って、おしゃれレベルが高いですよね。ぜひ皆さんもトライしてみて下さい。

ベトジャンコーデの基本

意外とベーシック

ベトジャンは、スカジャンのイメージに引きずられて、派手なアイテムだと思われがちですが、カラー展開は意外にも黒、白、カーキがほとんど。そう、全てベーシックカラーなんです。なので、どんなコーディネイトにも合わせやすい。主張はあるのに合わせやすい、なかなか万能なアイテムなのです。

一旦刺繍のことは忘れてコーディネートしてしまおう

刺繍のことは一旦忘れて、黒や白、カーキのアウターを着るためのコーディネートを考えましょう。思い切って柄のシャツと合わせてみても良いかもしれません。コーディネートが完成したら、いよいよベトジャンの登場です。ほら、思った以上に良くないですか?きっと刺繍が自己主張を始めてくれていると思います。

ベトジャンがアクセントのシンプルコーデ

いよいよコーディネート例をみていきましょう。まずはシンプルコーデとの合わせ方です。下の写真は、太めのボーダーTシャツにワイドなデニムパンツを合わせた、メンズのシンプルコーデの典型のようなスタイル。それを一気に主張のあるスタイルに引き上げているのが、カーキのベトジャンです。帽子も良いアシストをしている、ベトジャンをメインに据えた着こなしですね。

下の写真は正統派なメンズのアメカジスタイルに、ベトジャンを合わせたコーディネートです。上手い具合にパーカーのフードとロゴが利いていて、ベトジャンだけが主張するのではなく、全体的にうまくまとまった着こなしになっています。

シンプルコーデの最後は、ベトジャン以外を全てデニムでまとめた着こなしです。他のアイテムが1色で統一されることにより、カーキのベトジャンが圧倒的な存在感を放っています。デニム好きのメンズにも、ぜひ参考にしてもらいたいコーディネートです。

ベトジャンミックスのちょい外しコーデ

続いては、こなれ感が絶妙な、王道からは少し離れたコーディネート例です。下の写真は、すごく上手いと感じさせる着こなしです。ベトジャンが無ければ、白Tに無地のオレンジのワイドショートパンツなのですが、そのオレンジの比率がベトジャンのタイトなシルエットと合わさった時に絶妙で、さらに靴下のボーダーが足元の引き締め役になってます。メンズの可愛さも出ていますね。

次は、黒のベトジャンと赤いジップアップのトップスを合わせたコーディネート。インパクトの強い赤の存在感を、裾から覗かした白のインナーとワイドなベージュのチノパンがレイヤーとなり、徐々に中和させています。さらにサングラスとキャップが絶妙なバランスで、全体を調和させています。男らしい着こなしです。

ちょい外しコーデの最後は、ストライプのオーバーオールに、黒のシャツとベージュのキャスケットを合わせた、サイズ感で遊んだ上手い着こなしです。オーバーオールの全体的にダボっとした感じを、襟までボタンをとめた黒シャツとタイト目なベトジャンがきちんと綺麗にまとめています。綺麗だけどベトジャンの主張も出て、かつひょうきんさもあるコーディネートです。

ベトジャン大人コーデ

コーディネート例を締めくくるのは、大人コーデです。下の写真はインナーにベストを合わせて、きちんと感を演出。さらにツーブロックの髪型に髭と眼鏡といった綺麗目なスタイルが、大人感を出しています。無地のカーキジャケットでも十分素敵に仕上がるところを、敢えてベトジャンで外しているところがニクいです。

下の写真には2つのコーディネートが出ていますが、どちらも大人なメンズスタイルだと感じませんか?左上は薄いベージュのタートルに履きなれた感じのあるデニムパンツ、右下はパンツは変わらず、おそらくインナーは白Tのみ。でも、眼鏡+帽子+髭のコンボが圧倒的な威力で大人感を引き出しています。そこにベトジャンを合わせる遊び心も「大人」です。

ちなみにベトジャン柄の別アイテムもあるんです

ベトジャンと同じ刺繍を施したアイテムも結構あります。ちょっとだけご紹介しますね。まずは「ARMY」のロゴTシャツとベトジャン刺繍のコラボ。無地Tシャツにベトジャン刺繍のアイテムもあるのですが、「ARMY」ロゴであることに意味がありげで取り上げてみました。夏の自己主張にぜひ!

続いてはベトジャン柄のシャツです。これ、良いアイテムですよね。下の写真のコーディネートなんか、独特の空気感があってすごく良いスタイルだと思います。小物などを上手く使いつつ、さらりと着こなしている雰囲気を作り出せると最強です。

最後はアンダーウェアです。アンダーウェアであっても、やはりベースカラーはベーシックなものとなっています。これも純粋に可愛いです。とことんベトジャン柄を愛してしまった方にオススメです。

ベトジャンは意外と引き立て役⁉︎

ユルい刺繍だけがベトジャンの魅力ではありません。ベトジャンは、着まわしの利くベーシックなアイテムとしても活躍するのに、きちんと自己主張をしてくれる万能アイテムでした。スーベニアジャケットの先駆けブランドであるテーラー東洋のベトジャンはもちろん、どうぞ皆さんも色々なベトジャンを見て、自分にぴったりな1着を見つけて下さい。自己主張、始めましょう!


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