音楽の様々なジャンルの中でも、「ジャズ」は格式があって簡単には入れない印象があります。聴けないという思い込みが、かえってジャズを嫌煙しています。本来は大衆音楽の花形だったジャズ、おすすめなジャンルなのです。初心者でも聴けるおすすめ名盤特集です。

目次
ジャズについての誤解
好きな音楽ジャンルの中に「ジャズ」はありますか?ジャズのCDを何枚かお持ちでしょうか?ジャズは何となく気取っててかっこいい、ジャズはバーのBGM、ジャズは理論などが難しそうというイメージがつきものです。特に若者世代にはジャズは理解や認識が足りない音楽ジャンルです。ここではなるべくジャズという音楽を知ってほしいという願いを込めてまとめてみました。
ジャズをおすすめするのに理由は要らない
ジャズはそんなに難しい音楽なのでしょうか?答えはNOです。初心者や誰でも楽しみ親しめる音楽なのです。少しだけジャズを知っていただき、その登竜門をご紹介するのがここでの目的です。名曲を通じてモテるためでもいいし楽しみの一環でもいい、ジャズは敷居が低くて誰にでもおすすめできる音楽です。先ずは多少なりともジャズって何だろう?って疑問を持ってほしいものです。
ジャズは大衆におすすめなモテる音楽です
皆さんが普段お聴きになるポップスや歌謡曲、J-POPのアーティストは、それなりにモテる音楽を作り続けています。同様にジャズだって、その昔は一般的でおすすめな娯楽の音楽でした。週末の夜になると酒場で陽気に騒ぐ為の音楽、つまりジャズトいうジャンルも普通のポップスと一緒なのです。普段から鑑賞するのに特別な格式や条件は不要です。
ジャズはいつもの音楽のように聴くのがおすすめ
しかしジャズの楽しみ方を知らないという世代間の格差もあります。なかなかティーンエイジャーには理解できない分野かもしれません。年齢を重ねればそれなりに分かってくることもあり得ます。しかしその前に興味を少しでも持ってほしいです。徐々に親しめばジャズほど奥行きのあるものはないでしょう。
ジャズだってダウンロードできる
楽しむにはいつものCD鑑賞やダウンロード、J-POPと同じように気軽に聴けばいいのです。初心者にもおすすめし出来てCDやアナログ盤などで、その名曲を楽しめるのがジャズ本来の良さです。自分にとっての大切な一曲も見つけられるかもしれません。
初心者でもおすすめして聴けるジャズとは?
最初に、ジャズに初心者向けだの上級者向けという括りはありません。ジャンルを難しくさせたのはジャズを勘違いする外野達です。現場のミュージシャンたちも「これはプロ向けの曲にしよう!」という解釈でジャズの演奏や曲作りはしていない筈です。自分たちが気の向くまま自由に描いたビジョン、それこそがジャズの真骨頂です。
ジャズをおすすめするのに理論は語らない
ジャズには音楽理論が必要だと思われています。確かに分析するとその通りな枠組みに入るかもしれません。しかし音楽は自分の中で理論や概論が分かっていればいいわけです。ジャズのCDを聴く側であるリスナー、特に初心者にとっては、かっこいいとかモテる音楽とか、シンプルな発想でいいと思えればそれで十分なのです。
ジャズをおすすめする前に最初そのルーツを探る
ジャズの創世記
ジャズ最初の発祥地はアメリカのルイジアナ州です。ニューオーリンズという港町の環境と文化が育みました。ここは港ということもあり、方々からあらゆる目的で人々が集まりました。商業的な理由がほとんどですが、滞在中に伺う酒場や人気スポットには、エンターテイメント性が求められます。ジャズは最初、そのような場所で鍛えられたのです。
ジャズは人種が生んだおすすめな音楽
20世紀初頭に誕生したジャズの具体的経緯は明らかではありませんが、あらゆる方々の文化や習慣が組み合わされて次第に形成されていった音楽です。ニューオーリンズはヨーロッパからの移住者や白人と黒人の混血「クレオール」と呼ばれる人々、そして奴隷として送られてきたアフロ・アメリカンの人々などが犇めく街です。雑種な文化によるところが大きいのです。
ジャズの発展
ジャズが生まれた背景
当時のアメリカ南部には黒人奴隷の影響があり、黒人たちの中には強制労働への苦悩、不満などの感情表現の場として最初は歌を唄い楽器を演奏する場を求めました。そこでジャズの文化が定着しました。ニューオーリンズもその中の一つで、更に歓楽街としての華やかさも加味されました。
特にピアニストたちが軽快な演奏をして「ラグタイム」といったジャンルが人気になり、そこへトランペット、トロンボーンなどの楽器も編成され、マーチングバンドへと発展しました。まだ電気を使って音を増幅する仕組みがなかった為、ギターよりも音量があるピアノや管楽器がもてはやされたのです。
ジャズが受け入れられた場所
テレビやCD等のメディアがない時代、大衆の集う場所は酒場です、最初のジャズは酒場を賑わせた音楽としてエンターテイメント性を発揮しました。その中からスター・プレーヤーも輩出するようになったのです。
スタープレーヤーが誕生するジャズ界
「サッチモ」というあだ名のルイ・アームストロングはジャズの歴史を一人です。他にも「グレン・ミラー」「カウント・ベイシー」といった人々がジャズ界に登場します。彼らは職業としてジャズを演奏した最初の頃のプレーヤー達です。そして演奏の技量などもライヴを重ねながら高めるようになります。
モテるジャズのイノベーション
1940年代に入ると、それまでの大衆的な要素のジャズに飽きて、独自な世界観を作りだすジャズプレーヤーが登場します。中には深夜にジャムセッションを行うジャズプレーヤーもいて、それまでのメロディやハーモニー重視なスイングジャズではなく、コード進行、アドリブを主とした演奏スタイルが登場します。現在よく耳にするジャズの主流になっていきました。
初心者へおすすめなジャズ厳選
ここからはおすすめなジャズ名盤の特集です。初心者と謳ってはいますが、必ずしもそのような方向けに制作された意図はないことをご了承いただきます。ジャズ界を代表するような名盤と思っていただくほうが良いでしょう。いわば「最初に聴くといい、おすすめなモテるジャズのCD特集」です。
おすすめモダンジャズの名盤特集
Kind Of Blue/Miles Davis
モダンジャズを代表する名盤中の名盤、マイルス・デイビスと言えばこのアルバムを代表しジャズそのものを指します。今でも多くのフォロワーが後を絶たず、全てのジャズに影響を与えました。クールな演奏は歴史的名盤でありかっこいいモテるジャズとして君臨していておすすめです。
Blue Train/John Coltrane
ジョン・コルトレーンが1957年に発表したジャズアルバムで、当人がリーダー・アルバムとして唯一ブルーノートから発売したものです。ブルー・ノートの創始者アルフレット・ライオンとの約束を果たすために作られ、すべての主導権はコルトレーン自身に委ねられた名盤でおすすめです。
Time Out/Dave Bruebeck
ジャズをあまりよく知らない初心者でも、このアルバムに挿入された名曲「TAKE FIVE」の変則5拍子やピアノのフレーズは聴いたことがあるかもしれません。ジャズ界でも斬新なアレンジをし続けていたブルーベックを代表する名盤としておすすめです。
Art Blakey & The Jazz Messengers/Moanin'
「モーニン」はアート・ブレイキーが1958年に発表したモダンジャズのアルバムです。ブルー・ノート・レーベルの中でも非常に人気の高い名曲ぞろいです。都会的でクールな真夜中のジャズを連想させるモテるジャズの名盤です。熱いプレイがトレードマークになっているブレイキーの畳み込むようなドラムプレーが光っていておすすめです。
Art Pepper/Meets the Rhythm Section
アート・ペッパーのキャリアの中で傑作と言われているジャズのおすすめな名盤です。当時の本人は麻薬中毒に侵されほぼ絶望的な状態だったため、このアルバムの録音時も薬に依存しながら収録したと自ら語っています。マイルス・デイビスのバンドのリズムセッションを起用し白熱のサックスプレーが聴けておすすめです。
Sonny Rollins/Saxophone Colossus
このシンプルで印象的なCDアルバムジャケットは、すぐにどんなジャズが展開するのか想像がつくほどです。「サキソフォン・コロッサス」は、ソニー・ロリンズの名を一躍広めたジャズのおすすめ名盤です。1956年にプレスティッジ・レコードから発売、その直後から英米メディアで絶賛されました。ジャズ初心者におすすめできる名曲&名盤としても広く活用されています。
おすすめジャズボーカルの名盤特集
Chet Baker./Sings
ウェスト・コースト・ジャズの代表的存在でトランペット奏者として知られるチェット・ベイカーは、以前よりヴォーカルにも意欲的で、その都会的な歌声が人気を集めました。1954年のレコーディング・セッションからの8曲に新録6曲を加えて本作をリリース、チェットのモテる歌い手ぶりが披露され人気の高いジャズアルバムとしておすすめな一枚です。
Ella Fitzgerald and Louis Armstrong/Ella and Louis
ジャズ界の巨人「ルイ・アームストロング」とジャズ・フィメール・ボーカルの代表「エラ・フィッツジェラルド」という究極のおすすめなカップリングです。お互いの持ち味が絶妙にミックスされ、「楽しさ」に満ちて魅力溢れる内容です。CD~動画時代の今、このジャズアルバムを気軽に聴けることが至福です。
Helen Merrill with Clifford Brown
CD時代になってもこのジャズアルバムのジャケットは決定的です。ニューヨーク出身のヘレン・メリルは、恵まれたハスキーヴォイスでインテリジェンスさに満ちています。「ニューヨークのため息」というキャッチフレーズが付けられるほどです。クリフォード・ブラウンとの共演というのも一つの魅力で、彼の優れたプレーもジャズの歴史に刻まれているおすすめな名盤です。
Billie Holiday/Lady In Satin
名曲「奇妙な果実」で知られるジャズ界フィメールボーカルの重要人物ビリー・ホリデーの晩年に近い頃の名盤です。やや歌唱力が衰えてきたように通の間ではささやかれてはいますが、彼女の持つ独自なスケール感は、このアルバムの中でもまったく色褪せていません。円熟したジャズボーカルのお手本、それをジャズの最初に接する方々へおすすめしたい、そう思えるジャズの名盤です。
Norah Jones/Come Away With Me
現代を代表するジャズ界の歌姫の一人は、ノラ・ジョーンズがおすすめです。初心者でも最初からすんなり入りやすい楽曲が多く、しかもそれらには古いジャズナンバーとポピュラー音楽とをミックスした卓越したものがあります。CDも比較的どこでも入手しやすくておすすめです。
おすすめピアノジャズの名盤特集
Bill Evans/Waltz for Debby
1961年にビル・エヴァンスによるヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ収録アルバムです。トリオ編成で最大限のレスポンスを披露しています。ベーシストのスコット・ラファロにも注目、しかし残念ながらその後交通事故で他界しますが、その遺作にもなっています。ピアノジャズの名盤&名曲なら、真っ先にビル・エヴァンスのこのアルバム、それくらいおすすめな内容です。
Oscar Peterson/Songbooks
テクニックのある軽快なジャズピアノを弾く「オスカー・ピーターソン」のベスト盤です。スウィングジャズからモダンジャズに至るまで人気を博した彼が1952~1956に残した名曲音源集です。これはジャズ初心者にこそおすすめな内容です。デューク・エリントンの名曲「A列車で行こう」を含め明快な演奏が楽しめおすすめです。
Scott Joplin/The Best of Scott Joplin
ピアノジャズの最初の頃の人物、スコット・ジョプリンは、軽快なラグタイム・ピアノが魅力です。とくに「The Entertainer」という楽曲は、アメリカンUシネマ「スティング」の挿入歌となり一躍有名になりました。陽気なピアノの旋律はまさにアメリカらしい雰囲気です。
Bud Powell/Cleopatra's Dream
バド・パウエルは米国ニューヨーク・ハーレム出身のジャズ・ピアニスト、ビバップジャズとモダンジャズに欠かせないプレーヤーです。左手を器用に使った不規則的なプレイでその後知られることとなります。尚アルバムジャケットの後ろに見える子供は彼の実子です。
Diana Krall/Greatest Hits
ここ近年、ピアノジャズ&シンガーとしておすすめなのがダイアナ・クラールです。1990年代以降に最も成功したジャズ歌手の一人と言われています。15度グラミー賞を獲得した実力派です。その世界観はあらゆるジャンルを網羅し、ジャズのカッコよさやモテる要素が十分堪能できておすすめです。彼女の夫は英国のシンガー、エルヴィス・コステロというのも面白いつながりです。
モテるジャズの条件とは?
ジャズの名曲を残したプレーヤー達に共通なことは?必ず各々に「ストーリー」が潜んでいるということです。人として未熟な面や問題点も含まれています。演奏は卓越していても必ずしも人として聖人だったとはいえない面も伺えます。当時の背景もあって、一癖もふたくせもある人物像が見え隠れするのです。
モテるジャズプレーヤーほど問題児
ちょっとキレやすいマイルス、麻薬におぼれるビル・エヴァンスやアート・ペッパーなど、卓越したプレイの裏で人間臭い脆さもあり、それを曲の中に封じ込め魅力と化しています。本来の人間らしさとはそういうものなのかもしれません。人生そのものがジャズだったと言えるでしょう。CDやアナログ盤を聴きながら彼らをじっと想うのも良い時間です。
初心者へおすすめなジャズ厳選のまとめ
まだまだジャズの名曲や名盤は無数に存在し、ジャズは一生かけても聴き終わることはないでしょう。それだけ奥が深く追求のし甲斐がある音楽ジャンルです。できればライヴなどにも足を運び生のジャズを感じると、よりジャズの良さが分かるはずです。
評価 4.1/ 5(合計15人評価)
記事へのコメント
気軽にコメントしよう!
※コメントは承認後に公開されます。