ジャズのことがまだよく分からない初心者向けに、使用される楽器の種類や特徴などを解説します。個人差はありますが演奏する際の難易度も目安に出来ます。ジャズの奥深い世界のほんの最初の入り口という意味で、しばし楽器解説にお付き合いください。

目次
ジャズに使われる楽器が何か?
音楽ジャンルのひとつとして君臨するジャズの世界、どのような楽器がジャズで使用されるのかご存知でしょうか?一概には言いきれないほど様々なものがあります。独自解釈でジャズのカテゴリーとして演奏されることもあるので、正解があるようでないものではあります。ただしジャズの世界で使用される楽器の定番やモテる人気楽器はありますので、その辺から解説していきましょう。
ジャズでポピュラーなモテる楽器を解説
それでは、ジャズで使用されるおすすめ楽器の種類についてご説明します。ジャズのバンドの構成を分けるとリズム系楽器とメロディ系楽器の二種類がコンビネーションしていて一つのバンド編成として成り立ちます。ピアノソロなどの弾き語り形式は別として、これはジャズに限らずあらゆるジャンルの楽団編成もこの二つはなくてはならないものなのです。
「ドラムス」
ジャズで使用される楽器①
ジャズの中でかなり存在感を放つ楽器はドラムではないでしょうか。リズムキープから独奏まで、多種多様な表現力でドラミングできるジャズプレーヤーは尊敬されモテるものです。通常ハイハット、スネア、バスドラムの基本3点セットの種類を使用し、その組み合わせたリズムの極みこそジャズドラムの真骨頂です。
ジャズはドラムスのテンポがすべてを決める
スネアドラム、シンバル、バスドラムなどの各種太鼓の集まりで構成されるので「ドラムス」と複数形で称されます。ドラムスはジャズやロックのバンド編成でもっとも重要です。例えばクラシックの場合、指揮者がテンポを決めます。それ動作に合わせることで成り立ちます。しかしジャズやロックのバンドには指揮者が不在の為、ドラムスにリズムとテンポの決定権があります。
「ベース」
ジャズで使用される楽器②
ジャズに於いて低音のカバーはウッドベースが担います。クラシックの世界で「コントラバス」もしくは「ダブルベース」と呼ばれる大型のアップライトベースを使用します。近年では小型化されたエレクトリックベースも頻繁にジャズの世界で使用されますが。何といっても大型のウッドベースこそジャズの定番です。4本の弦で低音をカバーする、ジャズバンドの屋台骨となる楽器です。
地味ながら縁の下の力持ちでモテるジャズの楽器
ベースは他の楽器と比べて前面に押し出すような音ではないことで、殆ど楽曲のバッキングをしたたかに進行する役目のほうが多いパートです。ジャズ初心者からすると地味な存在で目立たなそうだから詰らない楽器というレッテルもありそうです。しかし徐々に人気が高まっていったモテる楽器なのです。縁の下の力持ちのようなところに心を惹かれる人が多いようです。
「ピアノ」
ジャズで使用される楽器③
ピアノはあらゆるジャンルの音楽でモテる人気の楽器です。ジャズの場合も同様で顔ともいえる中心的な楽器として定着しました。左手で和音、右手で旋律を同時に奏でるのが通常です。その為応用と表現力豊かな演奏が期待できます。ソロはもちろんコンボやオーケストラなど、編成の大小問わずに対応できます。ピアノを中心にしたシンプルなトリオ編成のジャズバンドもおすすめです。
楽曲の顔にもなり土台にもなる楽器
ジャズの楽曲にて総体的に仕上げてくれる楽器は、ピアノを置いて他にはないかもしれません。どのジャズCDアルバムを聴いても、ほぼ8割近くはピアノが導入されています。ドラムスとベースだけのバッキングでは、いわば「骨」だけの部分になるので、そこに和音やハーモニーといった「肉付け」ができるピアノの役割リこそジャズには大きいのです。メロディやリードも可能です。
「ギター」
ジャズで使用される楽器④
ポピュラー音楽の世界では花形選手でモテるというイメージのギター、ジャズ界では1940年代にドラムス、ベースと同様にリズムセクションとして扱われました。操作性の特徴からピアノのように和音も単音も繰り出せる楽器として見られます。ギターレスなバンド編成も多いジャズバンド編成ですが、ジャズギターに特化して活躍したミュージシャンもいて個性豊かなプレイをしました。
ジャズの世界では手間が掛かる楽器
ジャズの中でのギターの役割はピアノと類似しています。バッキングもできてリードもとれる応用力のある楽器と言えます。しかし昔からジャズの編成の中で、ギターレスなケースのほうが多いというのも事実です。おそらくピアノ一台でできるジャズに、わざわざギターを追加する必要がないのと、本体とは別にアンプも必要です。セッティングで一番手間が掛かるという欠点があります。
「トランペット」
ジャズで使用される楽器⑤
ジャズ界の帝王マイルス・デイビスでお馴染なトランペットはジャズらしい楽器の一つです。ジャズハンドを構成する要素にリード楽器は不可欠です。トランペットはリード楽器の花形でモテる楽器です。ジャズの歴史を彩り、時にはジャズに変革を起こしたのもトランペットを持ったミュージシャン達でした。センターで意気揚々と吹く様でジャズ界にスター性を発揮するモテる楽器です。
「サキソフォン」
ジャズで使用される楽器⑥
ジャズの楽器の種類の中で、サキソフォンが最も印象的かもしれません。トランペットと並んでジャズの花形選手なおすすめ楽器です。サキソフォンは音域によってソプラノ、アルト、テナー、バリトンという4つの種類に分かれます。ジャズ界ではそれぞれにスタープレーヤーがいたこともあり、ポピュラーな楽器としてジャズの世界で親しまれています。
「クラリネット」
ジャズで使用される楽器⑦
クラリネットを使用するジャズミュージシャンは、概ね初期の頃のスィングジャズ系の中でモテる時代もありました。しかし時代の流れの中でトランペットやサキソフォンがジャズの流となり、ビバップやモダンジャズの時代、頭角を現すケースが少なくなっていきました。ブラスバンドの構成の中では活かされていますが、次第に希少価値になっていくジャズの楽器なのでしょう。
「トロンボーン」
ジャズで使用される楽器⑧
ニューオーリンズジャズのブラスバンドの中では頻繁に見かけた楽器です。近年使用頻度も少なくなりました。トロンボーンはブラスバンドのホーンセクションの構成の中の一つという印象でリーダー的存在になる楽器とは言えません。しかしジャズやレゲエの世界で時折スタープレーヤーも登場する特異なパートです。構造がシンプルな分、その演奏性は難易度が高い部類に入ります。
ジャズを構成するアンサンブル
ジャズのバンド編成の区分
ここからはジャズ初心者の方を特に対象として、バンドの編成の種類やその詳細について解説します。バンドの組み方とパートの選別は、当人たちの好みや個人の差もあるので一概には言いきれませんが、基本的には「バック」と「フロント」という区別ができます。
ジャズの伴奏と主旋律のパートわけ
ジャズにてバックとは楽曲全体の伴奏をする担当の楽器です。主にピアノ、ベース、ドラムスがそれを担います。その中でピアノはフロントとしてのリード的役割も可能です。フロントとは主旋律・メロディなどのリーダー的な部分を奏でる楽器です。概ね単音を発する楽器がジャズの世界では該当します。トランペット・サックスなどの管楽器が通常その役割です。
ジャズバンド編成はホーンの数で呼び方が違う
比較的シンプルなパターンが主流です。3~6人くらいのメンバーが各々楽器を駆使して成り立ちます。バックの楽器(ドラムス、ベース、ピアノ)以外にトランペットやサキソフォンなどの管楽器が一人だけ入る状態は「ワンホーン」と呼びます。この場合四人編成なので四重奏「カルテット:Quarte」と呼ばれ、更に管楽器が増えれば「ツーホーン」「スリーホーン」と呼ばれます。
ジャズバンドはカルテットからセクステットが多い
以降、管楽器が二人入ったジャズバンドの場合は五人編成なので「クインテット:Quintet」六人編成は「セクステット:Sextet」と呼びます。ビッグバンドは別にしても通常のジャズバンドはシンプルな編成で行うので、カルテットからセクステットくらいが標準です。ビックバンドの豪華な大所帯もあれば数人編成もある、ジャズはそれだけ幅広い表現の世界観でおすすめです。
おすすめな有名ジャズバンド編成
ワンホーン;カルテット編成のおすすめジャズバンド
カルテットのジャズバンド編成で顕著なスタイルは、ソニーロリンズです。シンプルながら一つ一つの楽器の種類がが粒ぞろいな音となり、これ以上の余計な装飾が要らないほど確立したジャズを奏でます。各パートが活き活きと聴こえてくるのでインパクトがあっておすすめです。ジャズの初心者でも入りやすい楽曲作りの魅力があります。
ツーホーン;クインテット編成のおすすめジャズバンド
ジャズ・クインテット編成で有名なのは一時期のマイルス・デイビスのバンドです。マイルス本人のトランペットがリード楽器であることはもちろんのこと、サキソフォンも重要なリード楽器の役割を果たしています。ジャズの世界にてクインテットは一番多い編成です。お互いがしのぎを削りあうようなそんな緊張感あるスタイルがおすすめです。
スリーホーン;セクステット編成のおすすめジャズバンド
キャノンボール・アダレイは、この頃セクステット編成でバンドを組んでいました。管楽器の本数が多いだけにホーンが華やかでパワフルです。バンドの人数構成には特別なルールはなく、当人たちが試行錯誤しながら、その当時一番いいと思った形を作っていました。初心者の方は楽器の種類や難易度を比べる傾向があります。しかし実際はあまりその点を気にする必要などないのです。
ジャズで使用する各楽器の難易度について
ジャズは難しい音楽というレッテルがあります。色々な質問コーナーやサイトで、楽器の難易度を聞く方を多く見受けます。ギターとベースはどっちが難易度高い?ジャズの世界でどの楽器の難易度が高い?というように「難易度」という言葉に敏感なのが初心者の特徴でありウィークポイントでもあります。ここではジャズで使用される楽器の難易度について触れておきます。
ジャズでのドラムスの難易度について
ご承知とは思いますが、ドラムスには音階をつける仕組みがないという意味では単純な動作で成立するおすすめ楽器と言えます。叩けば誰にでも音は出せます。だからと言って初心者が手軽にすぐ完成できるものでもありません。リズムを一定の速度でキープしたり、叩く手数が増えれば技術が必要です。それに何よりも体力勝負な楽器なので、意外と難易度も高いのです。
ジャズでのベースの難易度について
地味なイメージのベースは近年モテる楽器となりました。一見難易度が低く思える楽器です。弦を一本ずつ弾けば成立するので比較的に初心者が入りやすいからです。しかしベースの役割は「グルーヴ」を作ることです。グルーヴとはノリのことです。このノリこそ理屈だけでは納得できない重要なファクトになります。経験と場数を踏む意味では年数掛けて極める楽器かもしれません。
ジャズギターの難易度について
ギターは特にロックやジャズの世界で花形になれるので常にモテる楽器と言えます。上達させるノウハウや情報、それに場所も豊富にあるので練習次第で誰しも上達させることが可能です。とは言いつつギターも奥が深く、あらゆるコードの押さえ方や、メロディラインを弾く技量などを問われます。切りがないほど日進月歩な勢いで新しいテクニックが登場するのもこの楽器の特徴です。
ピアノの難易度について
初心者からピアノを学ぶ環境を考えた場合、大凡の人々が先ずはクラシックの練習から入り、次第に他のジャンルに移るという英才教育の流れがあります。音自体は指で押さえれば誰でも出せる楽器ですが、旋律やコードなどの構成、左右の指の動きをすべて同時に近い形で、あるいはまったくちぐはぐな動きで作る楽器です。初心者には難易度が相当高いものと言えます。
管楽器の難易度について
管楽器は種類によって難易度は様々です。初心者でも吹けばすぐ音が出るのはサキソフォンなのでハードルが低いかもしれません。トランペットは最初なかなか音が出てくれない楽器なので練習量が必要です。またトロンボーンも音程を決めるのが難しい楽器と言われています。一概に何が簡単で何が難しいとは言いきれませんが、単純な構成や構造の楽器ほど奥が深いでしょう。
その他のジャズで使われる楽器について
ジャズには専用の楽器という解釈はありません。既存のジャズアルバムをたくさん聴いてみればわかりますが、エレピアノやローズピアノなどの電子楽器、バイブラフォン(鉄琴)、コンガやボンゴなどのパーカッションを導入したバンドもあります。またテクノロジーの進化で、よりデジタル化したジャズも登場し、コンピュータ上で作り上げることもあります。
結局どの楽器がジャズで難易度高い?
ジャズであろうとロックであろうと、結局どれが楽器が難しくて何が簡単化という問いに正解はありません。初心者が音を出しにくいという意味ではトランペットは難しいでしょうし、音の構成を組む上ではピアノほど動きが複雑になるものはないでしょう。体力的にはドラムスが最も難しいです。このようにどんな楽器にも難易なところはありますし、個人差や特性も出てきます。
ジャズの楽器の種類と構成のまとめ
ジャズでは譜面を使わず即興演奏をする暗黙の了解があります。楽器がソロ演奏する機会も多くどんな旋律やフレーズを駆使するかはジャズに於いては未知数です。それだけ聴く側にとってもスリリングな気分が味わえます。どんな編成でジャズバンドを組むかも自由です。昔からのスタイルを守りつつも、どこか少しづつ進化を遂げているのもジャズの魅力の一つと言えるでしょう。
評価 4.7/ 5(合計10人評価)
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