ビジネスシーンだけでなく、普段から革靴を履きこなしている男性はたくさんいますが、革靴が傷んできたときなどの修理はどうしていますか?履きつぶしても構いませんが、修理して履き続けることも大切です。そこで、革靴の修理についてまとめてみました。

革靴の修理、値段の相場は?おすすめなタイミングと修理方法も調査!

目次

  1. 革靴の種類
  2. 革靴に使われる革の種類
  3. 革靴の修理をする目安
  4. 革靴の修理:かかとの土台
  5. 革靴の修理:履き口
  6. 革靴の修理:靴底
  7. 革靴の修理:つま先
  8. 革靴の修理:くつ表面
  9. 革靴の修理費用について
  10. 革靴の修理を自分で:かかと編
  11. 革靴の修理を自分で:靴本体の傷編
  12. 革靴が白い粉をふいたときの修理方法
  13. カビた革靴の修理方法
  14. 雨のシミた革靴の修理
  15. 修理してお気に入りの革靴は履き続けよう

革靴の種類

「革靴」とひと口に言ってもいろいろな種類があります。靴の形によって傷みやすい箇所も違いますので、まずはそれぞれの革靴の特徴を見てみましょう。

プレーントゥ

つま先や甲の部分に装飾のないシンプルなデザインで、ビジネスにも普段にもおすすめな革靴です。革靴には、紐を通す部分が紐を外すと羽のようにパタパタとするようになっている「外羽式」と甲の部分と繋がっている「内羽式」があるのですが、プレーントゥをカジュアルに履きたいなら「外羽式」、フォーマルで履くなら「内羽式」がおすすめです。

作りがシンプルなだけに靴の良し悪しが出やすいので、革や型にこだわって選ぶようにしましょう。履く機会の多い靴になるため、靴底が傷みやすいです。穴が開いてしまうこともありますので、こまめにチェックすることをおすすめします。

ストレートチップ

つま先から甲のあたりにまっすぐ横に切り返しが入っている革靴で、ビジネスシーンで履かれることが多いです。スーツに合わせやすい革靴なので、1足持っていると便利です。履くシーンが多い革靴のため、かかとが傷みやすいです。革靴にはかかと本体を保護するためにヒールトップが付けられていますが、その部分が削れてきたら交換するようにしましょう。

ウィングチップ

つま先にWの切り替えがある革靴です。鳥の翼のように見えることからウィングと呼ばれています。つま先の部分にメダリオンと呼ばれる穴飾りや、甲の部分にパーフォーメーションと呼ばれる穴飾りが施されているデザインが多いのも特徴です。

装飾が多いだけに、縫い目のほつれが出てしまうことがあります。小さなほつれでも、そのままにしておくと周りもほつれて破れに見えてしまうので、そうなる前に早めに対処するようにしましょう。

モンクストラップ

紐ではなく、ベルトのバックルのようなストラップが付いた革靴です。修道士が履いていた靴が元となっているため、「モンクシューズ」と呼ばれることもあります。飾りがないシンプルなデザインが多く、靴紐が無いため、履き慣れてくると足に馴染んで脱ぎ履きがとても楽になる靴です。

靴紐で調節する革靴ではないため、ストラップの部分が傷みやすい特徴があります。ゆるみが出て、歩きにくさを感じた場合は、バックルに付いているゴムが伸びていることが原因なので交換するようにしましょう。

ローファー

スリッパのようにそのまま脱ぎ履きができるため、ローファーは「怠け者」と言う意味だそうです。甲のあたりにあるストラップは、コインが挟めるようになっているため、「コインローファー」や「ペニーローファー」とも呼ばれます。カジュアルな服装とよく合うので、革靴でも気軽に履けるデザインです。

靴底と本体部分を接着剤で固定している作りのものが多いため、靴底がはがれてきてしまうことがあります。片足に剥がれが見え始めたら、もう片方も剥がれてくると考えられるので、早めの修理がおすすめです。

革靴に使われる革の種類

牛革

革靴に使用される革に限らず、革製品に使われる革はほとんど牛革と言ってもいいほどです。革の輸入量も牛革が全体の80%以上占めているそうです。ただし「牛革」と言っても年齢や性別で呼び名が変わります。もっとも多く流通しているのは「ステア」で、生後3ヶ月から6ヶ月に去勢した2歳以上の雄の牛革で、一般的な牛革靴のほとんどはステアで作られています。

ステアの次によく使用されている牛革は「カウ」で、こちらは2歳以上の雌のもので、ステアと比べると薄くてキメが細かくしなやかさがあります。最近、需要が高まっている「キップ」は生後半年から2歳までの牛革で、肉厚で丈夫さが特徴です。牛革の中でも最高級品は「カーフ」です。生後6ヶ月以内の仔牛の革で、高級鞄や高級革靴に使用されることが多い革です。

馬革

牛革の次に多く使われている革と言えば「馬革」です。馬の臀部から採れる革を「コードヴァン」といいますが、1頭からごくわずかしか採れないことと、宝石採掘のように採取するため「革のダイヤモンド」とも呼ばれています。牛革より強度があり、汚れや傷などに強い特徴があります。

ただし牛革と比べると希少性が高く、手に入れるために予約が必要なこともあります。しっかりと手入れを行っていれば長年履き続けることができ、美しいツヤを保つこともできます。コードヴァン以外の馬革はホースレザーと呼び、柔らかく履き心地が良いため、靴の裏革によく使用されています。

革靴の修理をする目安

革靴のかかとを見てみると、かかとの土台にゴムが付いているもの、1つのゴムでかかとが作られているもの、靴底とかかとが一体になっているもの、と大体この3パターンに分かれているようです。かかとにゴムが付いているものに関しては、ゴムの部分がかかと本体との境目を超える前に修理するのがおすすめの目安です。

それ以外の革靴は、5mm程度減った段階で平らに削ってかかとゴムを付けるか、半分くらい減るまで履いて、靴底ごとそっくり取り替えるようにします。ですが、斜めに減っている場合、ゴムなどで足してから平らに削り、そこへかかとゴムを貼る修理方法が取られるため、かかとに斜めの補強材が入っているように見えることもあるので、定期的にかかとの減り具合を確認するようにしましょう。

革靴の紳士ものは靴底にある程度厚みがあるため、歩き心地に違和感を感じてからの修理でも大丈夫ですが、新品のうちにハーフソールを靴底に貼っておくと、修理の頻度が少なくて済むためおすすめです。傷や破れに関しての修理の方法は程度にもよりますが、浅い傷なら自分でも修理方法がありますので、プロに相談して、おすすめの道具で修理してみてください。

革靴の修理:かかとの土台

どんな靴でもやはりかかとの傷みが一番多いです。自分ではかかとを真っすぐ地面に付けているつもりでも、外側が減ったり、右側だけ減ったりと人によって減り具合が違います。中には土台まで割れるまで、履き続けられている革靴もあるほど。修理方法はかかとの土台が破れたように割れている部分を平らになるまで削り、土台の材料を接着します。

土台の材料を粗く削り、土台の材料を貼り付けクギで補強したあと、さらにソフト材料と呼ばれるものをかかとに貼り付け、はみ出た部分を元の土台に合わせて削り、土台の外周を磨き上げて仕上げます。よくみると修理した箇所が分かりますが、プロにお願いすると元のかかとに違い状態で仕上げてもらえます。

革靴の修理:履き口

履き口の部分は靴ベラなど使って、履くときに負担をかけないように気を付けても、歩いているときにこすれるため傷みやすい部分でもあります。いつのまにか破れたように見えたり、裏革がめくれたようになったりしていることがあるため、放っておくと傷みが広がってしまうので、早めに修理してもらいましょう。

修理方法は、かかとの内側から必要な革を貼り付け、縫い込んだり、余分な革を切り取るなどして元のような状態に修理してもらうことができます。上部が破れたような状態でも、同じように修理してもらえますので、あきらめずに修理をお願いしましょう。

革靴の修理:靴底

紳士の革靴には代表的な製法があり、靴底もその製法によって修理方法が違います。修理専門のところでは、本来の状態になるべく近くなるように修理する方法の他、お願いすれば、カスタムしてくれるところもあるようです。

革靴の代表的な製法の一つ、グッドイヤーウェルト製法は、甲革と中底、ウェルトと呼ばれる細い革の3つを縫い付けた後で、表底をウェルトに縫い付けます。がっちりした作りで重厚感があり、靴底の交換がしやすいというメリットがあります。ただし、ウェルトが破れている場合は、修理費用がかなり高くなりますので、そこまで傷む前に修理をお願いすることをおすすめします。

マッケイ製法は甲革と中底を表底に直接縫い付ける製法で、ローファーなどに多く見られます。履き心地が柔らかく軽やかな雰囲気がありますが、靴底の交換回数に制限があるそうです。マッケイ製法の革靴は他の靴と比べると足への衝撃が強かったり、雨の日に履いてしまうと、水のしみ込みがあったりするため履くシーンを選ぶようにしましょう。

革靴の修理:つま先

普通に歩いているだけでも、つま先はすり減ったり、何かにぶつかって破れたりすることがあります。かかとの方が消耗するイメージが強いですが、つま先も同じように消耗しますので、かかとの修理と一緒にお願いすると、より革靴を気持ちよく長く履き続ける事ができます。

つま先を修理してもらうとき、材料の素材を選ぶことができます。一般的には耐久性の高いラバー素材でつま先を修理してもらうことが多いですが、おしゃれなポイントになるメタル素材もおすすめです。ただし、メタル素材をつま先に付ける場合は、修理というよりもすり減り防止のために付けると考えた方がいいそうです。

革靴の修理:くつ表面

傷の付いた革靴は自分で修理することも出来ますが、プロの手にかかればどこに傷があったのか分からないほどきれいに仕上げてもらえます。クリーニングも一緒に行ってもらえるので、メンテナンスも兼ねて早めに相談に行くことをおすすめします。

革靴の修理費用について

チェーン展開している店舗とそうではない店舗で、修理費用は微妙に違いますが、一番修理をお願いすることが多いかかとの修理費用の相場は\2,000~\3,000です。ただし使う素材や削れ具合でもう少し高くなります。修理にかかる日数に関しては、即日というところもありますが、店舗によって違いますのでお願いする前に確認しましょう。

革靴の修理を自分で:かかと編

割れてしまって、修理が大変そうなかかと土台ならプロにお願いした方がいいですが、歩き癖などで後ろから見て、左右のすり減り具合が違う程度なら、自分で修理してみましょう。ホームセンターや100均に材料が揃っているので、目的に合わせた材料を購入します。

すり減ったかかとを平らにするだけなら、ボンドのようなパテがおすすめです。かかと部分を覆うように付属の板や必要な幅に切ったクリアファイルなどを貼り、高さが揃うようにパテを塗り、付属のヘラやアイスの棒などで平らにし乾かします。厚みがある場合は、2回に分けると乾かしやすくなります。

革靴の修理を自分で:靴本体の傷編

革靴を履いているとき、つま先などが何かに当たって革が破れてしまうことありますよね。お気に入りの革靴だったり、まだ買ったばかりだったりのときに傷が付いてしまったらショックです。ただ、さほどの傷や破れではない場合、わざわざ専門の所へ持って行くのは面倒だったりすることがあります。

それなら、自分で修理してしまいましょう。傷や破れを埋める「アドベース」とアドベースの色を革の色に合わせるための「アドカラー」、アドベースやアドカラーを塗るための絵筆、傷をならすための400番、カラーを塗った後に磨くための1000番の紙やすりを用意します。傷をならしたら、調合したアドベースとアドカラーを傷に塗りこみます。

乾かしたら1000番のやすりでなめらかにし、アドカラーを塗ります。乾いたらやすりをかける工程を4~5回繰り返せば、かなりきれいに修理できます。革の破れにはさすがに対処できませんが、傷程度なら自分で修理が可能です。かかる費用は\1000ほどです。

革靴が白い粉をふいたときの修理方法

革靴に白い粉のようなものがふいてしまい、カビと勘違いしてしまうことがありますが、これは「塩浮き」や「塩吹き」と呼ばれるものです。自分では対処出来なさそうですが、落とす方法は簡単です。靴の汚れを落とすクリーナーで擦ってみてください。ゴシゴシこする必要はなく、普通に擦るだけで落ちてしまいます。

それでも塩浮きが取れない場合は、革靴専用のクリーニング石けんを使って水洗いしてください。きれいに落ちますよ。

カビた革靴の修理方法

革靴にカビが生えてしまったら、まず乾いた布などでカビをしっかりふき取ります。もし重曹があれば、布に重曹を付けながらこすりましょう。ただし、この段階で水は厳禁です。カビをふき取ったら、次に除菌スプレーをかけます。スプレーした後で、硬く絞った雑巾などで汚れをふき取り、2~3日かけて陰干しします。

陰干しが終わったら汚れを確認し、汚れが無ければ靴用の保湿クリームを塗り、最後に撥水スプレーをかけます。汚れが残っていた場合は、専用クリーナーで汚れを落としてから保湿クリームを塗ってください。

革靴のカビの取り方まとめ!エタノールが効くって本当?注意点は? | MensModern[メンズモダン]

雨のシミた革靴の修理

革靴を履いているとき突然の雨で、雨シミができてしまったことはありませんか?シミを隠すためにクリーナーで擦ってみたり、靴クリームを塗りこんだりしても消えないため、ここで諦めてしまう人もいますが、早めに対処すれば大丈夫です。方法は、絞ったタオルで靴全体を均一に濡らしてしまうだけです。「シミはシミで消す」イメージですね。後は陰干しをすれば完了です。

修理してお気に入りの革靴は履き続けよう

お気に入りの革靴は履く回数が増えたり、様々なシーン履いたりするので、かかとやつま先だけでなく、靴底にも傷みが出てしまいます。小さな傷みなら自分で修理することもできますが、大きな傷みや破れなどはプロにお願いするしか方法はありません。

ですが、傷みがひどければ修理費用も馬鹿になりません。新しく買い直した方が良いかも…と考えてしまうほどです。お気に入りの革靴なら、そうなる前に早めに修理して少しでも長く履き続けるようにしましょう。


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