ビブラムソールというソールはご存知でしょうか。靴本体は気にしても、なかなか靴底までは目が行かないものですが、ビブラムソールは有名メーカーでも採用されるほど人気の高いソールです。今回はそんなビブラムソールについてご紹介します。

ビブラムソール全種類の特徴と履き心地!人気の理由や張り替え方も調査

目次

  1. ビルラムソールの歴史
  2. ビブラムソール人気の秘密
  3. 岩山や雪山に強いMONTシリーズ
  4. ハイキングや山登りに適したTRONTシリーズ
  5. ロッククライミングやボルダリングに対応したXS GRIP
  6. その名の通り氷に強いICE TREK
  7. タウンユース向けのTOP85
  8. 平均的硬質ソールのMS
  9. クッション性に優れたMORFLEXは外反母趾対策にも
  10. ビブラムソールでの修理について
  11. 靴底はビブラムソールで決まり!

ビルラムソールの歴史

ビブラムソールが生まれたきっかけは、登山家だったイタリア人のヴィターレ・ブラマーニが登山仲間を亡くしたことからでした。様々な地面に対応でき、グリップ力と安全性を求めた靴底の開発に取り組み、1937年にゴムに硫黄を混ぜ合わせて加熱し、強度と柔軟性と耐熱に優れた特徴を持つ加硫ゴムで作った靴底を誕生させ、Vibram社を設立しました。


1954年にはビブラムソールの登山靴でイタリアの登山チームがK2の初登頂の成功をおさめ、さらにビブラムソールは発展して行きました。1967年には、耐油性に優れたゴムを使用した安全靴用の靴底を開発し、1969年に黄色のプレートに「Vibram」と刻印し、Vibram社の特徴を表すシンボルとしました。

その後、カジュアルシューズ用のビブラムソールの開発や、粘着性の高いラバーソールなど、様々なシーンで使用されるビブラムソールが開発され、2004年には裸足感覚で履ける、足袋のような「FiveFingers」が開発されました。現在は、スマートフォンのアプリと連携させ、救助や消火活動などの支援を目的としたスマートソールのビブラムソール開発を進行させています。

ビブラムソール人気の秘密

ビブラムソールは耐久性に優れていることはもちろんですが、塗れた地面でも滑りにくいため、アウトドアで使いやすく、マイナス40度でも柔らかい履き心地が保てるため、寒冷地でも履くことができ、裂けにくかったり、燃えにくかったりするため、安全靴などワーキング用として使用できる特徴があります。

黒くてごつい特徴を持つイメージが強いビブラムソールですが、カジュアルシューズにも対応できるデザインまで揃っているので、いろいろな靴にカスタムすることができます。靴は履いているうちにかかとなどが傷んでしまいますので、張り替えるときにビブラムソールを指定する人もいるほど人気があります。

ビブラムソールは、生産されてから3段階に分けて検査を受けているそうです。密度・摩擦・硬度などの10項目以上を機械で測定し、その後、実際に人が履いた状態でグリップ力の測定を行います。さらに山やスケート場といった、使用されるであろう環境でのテストを行い、合格したビブラムソールだけが品質認証を受け、やっと市場に出回ります。この品質の高さも人気の理由です。

岩山や雪山に強いMONTシリーズ

ビブラムソールの種類①

硬質で摩耗に強く、岩山や雪山などの厳しい条件の中での登山でも安定性を発揮するMONT素材を使用した人気のビブラムソールです。低温の環境で長時間履き続けても機能が失われず、耐久性もバツグンです。濡れた地面でも滑りにくさを感じる履き心地のため、安全靴やモータースポーツ用の靴などにも使われています。

MONTシリーズのビブラムソールは、#1100、#1014、#1682、#1681の種類があり、価格は\1,577~\3,823(税込)です。#1100はセパレートタイプのため、つま先とかかとを別々に購入することができます。かかとは\853~\972(税込)です。カラーは#1682のみゴムのような色で、他は全てブラックです。

ハイキングや山登りに適したTRONTシリーズ

ビブラムソールの種類②

ハイキングや軽い山登りにおすすめなのはTRONTという素材が使われているビブラムソールです。先ほどのMONTと比べると、少し柔らかいため、本格的な登山には向かないようですが、耐久性や摩耗に対する強さはMONTと同じ特徴を持つので、TRONTも安全靴やモータースポーツなどに使用されています。

TRONTシリーズのビブラムソールは、#1147、#1208、#1220、#1015があり、価格は\1,706~\2,948(税込)です。カラーは全てブラック。#1147と#1229は、Carrarmatoという「戦車の足元」を意味するビブラムソールデザインで、日本では「タンクソール」という名で呼ばれています。#1015はテレマークスキー専用ビブラムソールです。

ロッククライミングやボルダリングに対応したXS GRIP

ビブラムソールの種類③

ロッククライミングやボルダリングを趣味にしている人には、粘着性の高い特徴をもつXS GRIPがおすすめ。気温を選ばず、優れたグリップ力を発揮するビブラムソールです。こちらは、シートタイプのビブラムソールのため、型抜きをして張り替えに使用します。サイズは93×64cmで厚みが4.5mmあります。価格は\34,830(税込)です。

XS GRIPビブラムソールは品番#7507の1種類しかなく、カラーもブラックのみです。表記サイズと実寸が微妙に違うようですが、表記サイズよりも小さいということはないようです。

その名の通り氷に強いICE TREK

ビブラムソールの種類④

ICEというネーミングが入っていることからも分かるように、氷などで滑りやすくなっているところを歩く人におすすなビブラムソールの素材です。摩擦力の高さを氷雪面で力が最大限に引き出せるよう開発されています。その素材を使って、タコの吸盤のようなデザインを採用し、よりグリップ力を高めたおかげで、凍結した道路でも滑らずに歩ける履き心地の良さがあります。

ICE TREKは品番#002Fの1種類のみです。カラーはブラックでサイズは4種類用意されています。価格は\4,050(税込)です。動画はヴィブラムソールBoulder MCT #002Fが、いかにすべらない靴底であるかを確認することができます。乾いた氷上、濡れた氷上どちらもまったく滑る気配が見えません。

タウンユース向けのTOP85

ビブラムソールの種類⑤

ビブラムソールは、タウンユース向けも用意されています。普段履きすることが多い靴のためのソールになるので、耐久性やクッション性を考えてえらぶことが基準になります。硬めのビブラムソールは靴裏の保護や、かかとの修理などに使われます。

ビブラムソールTOP85は、#2346、#5345、#5586、#7373、#5350があり、#2346はハーフソール、#5345、#5586、#5350はかかとのみのビブラムソールです。#7373はシートタイプで、カラーは全部で22色あり、その中のオークとレッドのみハーフソールが用意されています。シートタイプのビブラムソールは、カラーによって価格が違います。

カジュアル向けの硬質ビブラムソールには、TOP85の他、DUPLAとSOがあります。DUPLAはシートタイプの1種類のみ、SOは品番#2023、#2347のハーフソールがあります。硬質でも微妙に差があるので、履き心地を確かめて選びましょう。

平均的硬質ソールのMS

ビブラムソールの種類⑥

MSは平均的な硬さのビブラムソールです。品番#2024は厚さが7mmあり、デザインを見ると溝に土などが詰まりやすそうですが、セルフクリーニング設計のため詰まりにくく、雪の上などを歩いても滑りにくく安定感がバツグンです。#2024はハーフソールですが、同じデザインのかかとも用意されています。

ビブラムソールMSは#2024のハーフソールの他、#5346、#5348、#5424のかかと専用ソールがあります。価格は\335~\1,253(税込)です。MSはシートタイプのビブラムソールもあり、こちらは品番#7963でカラーは全3色、価格は\9,936(税込)です。

標準タイプにはMSの他、SPとVIBRAMFLEXがあり、SPの#2002はニューバランスなどのスニーカーの靴底として張り替えが可能で、他にもウォータースポーツに最適な種類もあります。VIBRAMFLEXはシートタイプ1種類のみのビブラムソールです。

クッション性に優れたMORFLEXは外反母趾対策にも

ビブラムソールの種類⑦

発砲素材がベースに使われているため、柔らかく、クッション性があり、外反母趾や偏平足といった人用の整形外科靴にも使用されているそうです。MORFLEXは柔らかいビブラムソールの中でもさらに軽くて柔らかい履き心地のため、疲れにくい靴のソールを求めている人におすすめです。

MORFLEXは#4371と#4377の他、7種類のデザインから選べるシートタイプが用意されています。価格は#4371は\2,452(税込)、#4377は\3,078~\3,272(税込)で、シートタイプはデザインとカラーによって価格が変わります。

ビブラムソールでの修理について

人気のビブラムソールは通販でも購入することができるため、靴修理専用の道具さえあれば張り替えが可能です。ただし、実際に自分で張り替えに挑戦したものの、接着がうまくできず、途中で断念せざるおえなくなる人もいるようです。

それでも自分で張り替えたいなら、ハーフソールで挑戦してみましょう。靴底の汚れをしっかり落とし、接着剤がつきやすいよう、ビブラムソールと靴底それぞれを軽くやすりで削り、接着剤で貼り合わせます。後ははみ出ている箇所を削り落とし、凹凸を無くして行けば完了です。

履き心地や仕上がりを考えると、プロにお願いした方が安く済むかも知れません。ビブラムソールはかなり高額なものもあります。自分で張り替えた靴は上手くできれば愛着も沸きますが、失敗すると手に負えなくなる可能性もあります。無理はしないようにしましょう。

靴底はビブラムソールで決まり!

グリップ力や安定性に特徴があるビブラムソールは、機能面だけでなくデザインも豊富で、いろいろな靴に合わせられる人気のソールです。履いている靴の履き心地に違和感があったり、そろそろ交換を考えているなら、ビブラムソールに張り替えてみませんか?お気に入りの靴が新しくよみがえるかも知れません。

革靴の修理、値段の相場は?おすすめなタイミングと修理方法も調査! | MensModern[メンズモダン]
紳士靴のウィングチップとは?歴史やカジュアルにも似合う理由は? | MensModern[メンズモダン]
靴の正しいお手入れ方法!長持ちさせる革靴・スニーカーの磨き方 | MensModern[メンズモダン]

評価 4.6/ 5(合計9人評価)

記事へのコメント

気軽にコメントしよう!

※コメントは承認後に公開されます。

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ