手軽に家で足腰を鍛えたいと思ったら、バーベルを使ったスクワットが最適。そこで欠かせないのラックである。ラックはいろいろなものが市販されているが、環境に応じて選ぶのが基本で自作することも可能。スクワットのためのラック選びのポイントとは…。

目次
スクワットは家でできる最強の足腰トレーニング
今回のテーマである「スクワット用ラックおすすめの選び方」の説明に入る前に、まず、あらためて「なぜスクワットにバーベルが必要なのか」を考えてみよう。
スクワットは筋トレの王様
スクワットは足腰を鍛えるのに最適な筋トレで、「筋トレの王様」といわれるほど。手軽に家でもできるのが魅力で、学生時代に部活動などでやったことがあるという人も多いだろう。

道具がなくてもそれなりの効果はある
とてもポピュラーな筋トレだが、一言にスクワットといってもいろいろなやり方がある。じつはスクワットは道具がなくてはいけないというわけではない。自分の体重だけを負荷として行っても、足の角度を調整するなどして、効果を得られるのである。
スクワットはレベルに応じて実施できる
スクワットのやり方は、直立の状態から背すじを伸ばしたままでヒザを曲げ、太ももが床と平行になるくらいまで腰を落とすのが基本。これを一般的にフルスクワットという。
スポーツクラブLOVE.EXE★らしく正しいスクワットで臨もう!決して諦めるな!君達ならできる!老体に鞭を打て!#きらわん #lovedotexe pic.twitter.com/CwK26rlWoS
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足腰に自信がなければハーフスクワットを
「フルスクワットはキツい」という場合は、ヒザを曲げる角度を浅くすればよい。フルスクワットのときの半分ほどヒザを曲げるのはハーフスクワット、4分の1ほど曲げるのをクオータースクワットといい、とくに運動不足の人や足腰の強さに自身がない人はハーフスクワットやクオータースクワットからはじめるとよいだろう。
『ハーフスクワット(half squat)肘の感覚で美姿勢・体幹キープ!』
— 中村考宏 (@eni4_net) April 20, 2017
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キツいスクワットでも効果がない!?
確かに筋トレはやればやったぶんだけ効果が得られるもの。努力は必ず報われる世界で、キツイ運動をすると、筋肉がつき、力も強くなり、結果としてダイエットにもつながる。はじめはハーフスクワットを5回しかできなかったとしても、定期的に行うことで、フルスクワットもできるようになり、その回数も増えていくだろう。
スクワットを多くこなしても…
ただし、行う回数については、ある一定の回数を超えたあたりから、筋肉を太くする(筋力を高める)効果は少なくなり、筋肉の持久力を高めるほうへとシフトしていく。この区切りとなる回数には、いろいろな説があるが、10~20回を3~5セットが目安とされている。

スクワットはバーベルがあると効果がアップする
そこで、必要なのがウエイト(おもり)である。ウエイトを使うことによって、負荷を高め、同じ回数を行った場合でもスクワットによる効果をより効率的に得られるようになるのだ。ウエイトはバーベルでもよいが、とくによいとされているのがバーベルである。
バーベルで体幹も鍛える
バーベルがダンベルよりもスクワットによい理由の一つは、ダンベルには重さに限度があるから。また、バーベルを使用すると同時に体幹なども鍛えることができるのも、大きなメリットだ。
ラックでスクワットによる腰への余計な負担を軽減
そして、バーベルを使ったスクワットを行うには、その日のスタート時に腰などに負担がかからないように、ラックが欠かせない存在となる。また、アクシンデントによるケガを予防するためにもラックは必要だ。
トレーニング室のパワーラックが新しくなりました。
— 枚方市立総合スポーツセンター (@hirakata_spocen) June 10, 2017
セーフティーバーの移動も楽になり、チンニングも可能です! pic.twitter.com/jxE2MXmqj2
ラックには2つのタイプがある
さて、スクワットとバーベル、そしてラックの関係がわかったところで、メインテーマの「スクワット用ラックおすすめの選び方」に話を進めよう。選び方で、まず知っておきたいのは、家に設置できるラックには大きくわけて二つのタイプがあるということ。ひとつはスタンダードタイプで、このタイプはラックの骨格が大きなボックスのようになっている。
場所をとらないハーフタイプのラック
もう一つがハーフタイプと呼ばれるラック。こちらはボックスのようにはなっていなくて、高さが低いのが特徴だ。バーベルを家でのスクワットにだけ使用するのであれば、こちらのタイプでよく、ハーフタイプは「スクワットラック」と呼ばれることもある。
ただし、「スクワットに慣れてきたので、家でバーベルを使ったほかの筋トレもしたい」となった場合には、スタンダードタイプのラックのほうが、できる筋トレの幅は広い。
ラックは何よりも安全性が重要
いよいよ具体的な選び方についてだが、まず、何よりも重要なのはラックは安全性が重要であるということ。補助してくれる人がいない家で行う場合は、とくに安全性を強く意識したい。
ラックの強度を確認しよう
ラックは安価なものでは1万円台でも入手することができるが、そのようなもののなかには耐荷重(バーベルを支えられる性能で、その数値が大きいほど重いものを支えられることになる)が低いものや、ラック自体の強度が低いものがある。とても重たいバーベルという器具を使用するだけに、そのようなものでは大きな事故につながることもあり、おすすめできない。

セーフティバーが選び方の大きなポイントの一つ
安全性でいうと、ハーフタイプのラックはセーフティバー(使用時に手を滑らせるなどのアクシデントが発生したときにバーベルが低い位置まで落下することを防いでくれるバー)の形状や長さも選び方のポイントとなる。ハーフタイプのそれはいろいろなタイプがあり、とくに入門者は「もし、バーベルを支えられなくなった場合には…」という観点で選ぶ必要がある。

スタンダードタイプのラックはセーフティバーの固定方法もチェック
ちなみに、セーフティバーにはいろいろなタイプがあり、スタンダードタイプでバーベルをスクワット以外の運動に使用する場合は、頻繁に位置を変更することになる。セーフティバーの固定方法は大きくわけてロックピン式、引っ掛けタイプ、貫通式の三つ。このうちワンタッチで位置を変えることができる、ロックピン式と引掛けタイプのほうが使い勝手がよい。
いずれにせよ、ラックの安全性については、ショップで購入する際にはスタッフと相談し、ネット通販を利用するのであればレビューをよく読んでから決めること。その基準となるのが使用するバーベルの重さで、目安としては200kg以上の耐荷重があると安心だろう。
サイズはスペースにギリギリはNG
続いての選び方のチェックポイントはサイズだ。ラックのサイズは設置する予定のスペースに応じる必要があることはいうまでもないだろう。通常、ラックのサイズはカタログに明記されている。
設置スペースの目安は四畳半
シンプルに「ラックを設置する予定のスペースを測って、それとラックのサイズを比較すれば大丈夫」と思いがちだが、意外と見落としがちなのがバーベルの存在だ。バーベルはラックからはみ出すものなので、ラックの横幅が設置スペースにギリギリ入るという状態はNGである。ラックを置くだけでも1.5~2畳分ぐらいのスペースが必要で、実用的には四畳半程度はあったほうがよい。
完成しました!
— 亀さん (@turtlegym) June 23, 2017
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ラックの高さにも気をつけよう
また、スタンダードタイプの選び方としては高さにも要注意。スタンダードタイプの高さは組み上げたときに2m~2m20cmくらいになるものが多い。「ラックが家の天井よりも高い」というケースはあまりないだろうが、「寝室にラックを設置したい」というような場合は、その空間に圧迫感を与えることになる。
見落としがちなバーベルの長さとラックの横幅の関係
もう一つ、ラックの横幅とバーベルのシャフトとの関係にも気をつける必要がある。シャフトには200cm(グリップ部の長さは122cm)と220cm(グリップ部の長さが131cm)の2タイプがあり、ラックの横幅が122cmを超える場合、200cmのバーベルではラックの横幅のほうがシャフトのグリップ部よりも長いということになる。これでは、バーベルは使えない。

おすすめの価格はハーフタイプなら3万円台
そして最後に紹介するのが、誰もが気になる価格だ。ラックの価格はまさにピンキリ。先に述べたように下は1万円台から上は10万円台半ばのものまである(これらはラックの価格で、それに加えてバーベルのシャフトやプレートのコストがかかる)。
ハーフタイプなら3万円台がおすすめ
価格については、安全性や使い勝手に関わる調整機能は価格に比例するといってよいだろう。とはいえ、なにごとにも予算があるのが世の常。できるだけリーズナブルに入手したいものだ。ずばり、おすすめの価格帯はスタンダードタイプなら4万円代、ハーフタイプなら3万円代である。
ユーズドも視野に入れよう
予算に自信がなければ、中古品を視野に入れるのもおすすめ。筋トレに関するアイテムは、電気機器のように次々と新しいモデルが登場するというわけでないし、いわゆる三日坊主で終わってしまう人が多いのも事実で、よい状態のラックが手に入る可能性は高い。

ラックは自作も可能
さらに、リーズナブルさを追求するなら、ラックを自作するという手もある。その場合の素材は木製と鉄製の二つが考えられる。木製ラックとは文字どおりホームセンターなどで市販されている木材を使って自作する。できるだけ丈夫な板(厚い板)を使用することが理想で、とくにバーベルをかけることになる部分は高い強度で作ることが必要だ。
単管でもラックは作ることができる
もうひとつの鉄製で主に使用するのは、建物の工事現場の足場などで使用されるの単管(鉄パイプ)。継手を使うと、意外と手軽に自作することができる。
自作こそ安全性が重要
木製も金属製も材料費だけであれば1~2万円でできる。自作する場合も、安全性を最優先しなければならないのはあらためていうまでもないだろう。

安全性が重要、おすすめは4万円台のスタンダードタイプ
スクワットで使用するラックの選び方をポイント別に紹介したが、結論としては、4万円台のスタンダードタイプがおすすめ。それなら、安全性が高く、将来的なバーベルのスクワット以外の筋トレに活用できる。また、予算の問題がある場合は、ユーズドという手もあるし、自作することも可能だ。
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