筋肉をつけたい人にとっては、欠かせないプロテイン。プロテインを飲めば飲んだだけ筋肉がよりつきやすくなると思っていませんか?実は、プロテインは過剰摂取すると肝臓に悪影響を及ぼします。肝臓に負担がかからない摂取の仕方をすることが大切です。

プロテインは肝臓に負担?飲みすぎに注意?!健康診断での数値

目次

  1. 肝臓の3つの働き
  2. 肝臓が疲れるってどういうこと?
  3. プロテインが及ぼす肝臓への影響は?
  4. プロテインの摂りすぎは腎臓にも負担がかかる!
  5. プロテイン過剰摂取による副作用とは
  6. タンパク質の1日必要量と摂りすぎボーダーライン
  7. お酒を飲むと筋トレの効果が減少?
  8. 筋トレ後どうしてもお酒を飲みたいときはどうする?
  9. 飲みすぎ・やりすぎ注意!飲酒も筋トレも肝臓に負担をかける
  10. プロテインの飲みすぎは太る?
  11. プロテインの飲みすぎで健康診断の数値が異常値に?
  12. 健康診断の肝臓に関する数値とは
  13. 健康診断前日の注意点
  14. こんな症状が出たらプロテイン飲みすぎのサイン
  15. 効果的なプロテインの摂取タイミング
  16. プロテインは肝臓に負担?飲みすぎに注意?!健康診断での数値のまとめ

肝臓の3つの働き

人の体で最も大きい臓器で、体内の化学工場ともいわれる肝臓には、大きく分けて『代謝』、『解毒』『胆汁の生成・分泌』の3つの働きがあります。

食べたものは肝臓でエネルギーに変えられる

肝臓は、小腸で吸収された栄養素を分解してエネルギーに変えたり、たんぱく質、グリコーゲン、脂肪などの形に変えて必要な時に体の各部位に送り出すという働きをしています。

肝臓の解毒作用

肝臓は、体の中に入ったアルコールや薬物などを分解して、体に害がない物質に分解してくれます。お酒を飲みすぎた次の日に二日酔いになった経験がある人も多いと思いますが、これは一気に大量のアルコールが体内に入ったことで、肝臓の解毒作用が低下してしまい、有害物質が残ったままになるからなんです。

胆汁は肝臓で作られている

『胆汁』というと胆のうで作られているイメージがありますが、実は肝臓で作られています。肝臓で作られた胆汁は、一度胆のうに貯蔵され、十二指腸で脂肪が消化されるときに、食べ物の量にあわせて分泌されます。肝機能が低下すると、胆石ができたり、体が黄色くなる黄疸が出たりします。

肝臓が疲れるってどういうこと?

肝臓はタンパク質の代謝にかかわりますから、タンパク質を多く摂取すると、その分肝臓がたくさん働かなければなりません。人間と同じで、肝臓も働きすぎると疲れてしまいます。

肝臓が働きすぎて疲れた状態になると、肝臓の機能が低下してしまいます。肝臓の機能低下により引き起こされる症状は、抵抗力が弱くなって病気になりやすくなる、貧血を起こしやすくなるなどがあります。

プロテインが及ぼす肝臓への影響は?

ご存知の通り、プロテインはタンパク質です。ですので、プロテインを過剰に摂取しすぎると、肝臓を疲れさせ、何らかの症状が出てくる可能性が考えられます。ただし、本来プロテインのようなタンパク質は体に害を与えるような物質ではないので、正しい量を摂取する分については、体に悪影響はないと言えます。

プロテインの摂りすぎは腎臓にも負担がかかる!

プロテインなどのタンパク質が体内で分解されると、アンモニアという有害物質が発生し、これを肝臓が解毒して、体に害のない物質である尿素に変わります。この尿素は、腎臓を通り、体の老廃物として尿と一緒に体外へ排出されます。

腎臓は老廃物をろ過する

腎臓の働きは、尿として排泄するものと体内に吸収するのもをふるい分ける働きをします。コーヒーフィルターなど、目の細かい網などでろ過する、とイメージするとわかりやすいかもしれません。コーヒー豆のカスが体に吸収されるもの、フィルターでろ過されて出てきたコーヒーが尿などの老廃物というイメージです。

タンパク質の摂りすぎは腎臓のフィルターを詰まらせる

プロテインなどのタンパク質を長い間過剰に摂取し続けると、腎臓のろ過機能はだんだん機能が低下してきます。腎臓の働きが悪くなると尿素などの老廃物や毒素が体の中に溜まっていきます。これが続くと、尿毒症などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。

また、腎臓は塩分と水分の排出量を調整することで、血圧を適正に保つ働きがあります。ですので、タンパク質の過剰摂取で腎臓が弱ってくると、その調節機能がうまく働かなくなって高血圧を引き起こすことがあります。高血圧による負担で、さらに腎臓機能が低下していくことが考えられます。

プロテイン過剰摂取による副作用とは

プロテインの過剰摂取は、肝臓や腎臓に大きな負担を与えることがわかりましたが、肝臓・腎臓以外にも、プロテインの過剰摂取による影響はあるのでしょうか?

尿酸値が上がって骨粗鬆症に

筋トレに効果が高いといわれるホエイプロテインは、動物性たんぱく質が含まれており、過剰に摂取することで尿酸値が上昇する可能性があります。尿酸値が高値になると、体内の骨などからカルシウムが溶け出してきます。どうなるかというと、骨がスカスカになる病気『骨粗鬆症』になりやすくなるのです。

プロテインの飲みすぎで口臭・体臭がくさくなる?

プロテインの過剰摂取と口臭や体臭には、実は密接な関係があるのです。プロテインを過剰摂取することで、吸収しきれなかったタンパク質は、やがて腸の中で腐敗し始め、腐敗菌という悪玉菌が増えてきます。悪玉菌はタンパク質をエサにしてどんどん増えます。

悪玉菌は有害なガスを発生し、便がくさくなります。また、血中に有害なガスが溶け出して体内を巡ることにより、体臭が嫌な臭いになったり、口臭がくさくなったりするのです。

お腹がゴロゴロする

日本人に多いといわれる、『乳糖不耐症』。牛乳を飲んでお腹がゴロゴロするという人はこの乳糖不耐症である可能性が高いです。このような人は、乳糖を分解する能力を持っていないので、プロテインを選ぶ際には乳糖が含まれないものを選ぶといいでしょう。

水分不足に注意!

肝臓は、タンパク質の分解で発生するアンモニアを、尿素という体に無害な物質とします。これを腎臓でろ過して体外へ排出する際に、水分が必要となります。プロテインを飲みすぎれば、その分水分もたくさん必要になりますから、水分をこまめに摂っていないと体が水分不足の状態になってしまいます。

プロテインの飲みすぎで便秘に?

プロテインの飲みすぎが原因で、体内のタンパク質が過剰な状態になると、腸内の悪玉菌が増えて腸の働きが悪くなってしまいます。プロテインを飲みすぎないと同時に、プロテインを飲むときには食物繊維や乳酸菌が含まれる食べ物やサプリメントを一緒に摂取するのがおすすめです。

タンパク質の1日必要量と摂りすぎボーダーライン

タンパク質の1日の摂取目安量は、体重1Kg当たり1gとされています。たとえば、体重が60Kgの人なら、60gのタンパク質が必要ということですね。激しい運動や筋トレをしている方などは、体重1Kgあたり2g、つまり体重60Kgの人なら、120gのタンパク質が必要となります。

タンパク質補給の基本は食事から

基本的な食生活、つまり1日3食きちんと食べていれば、必要量の半分以上は食品から摂取できます。プロテインを摂取するとしたら、食事で足りない分を補うという形が理想的です。

飲みすぎ?肝臓に負担がかかるプロテインの摂取量とは

プロテインをたくさん飲めば、筋トレすればするだけ筋肉がつくと思う方は多いかもしれませんが、それは間違い。人間が一度に吸収できるたんぱく質の量は決まっています。30g~50gが吸収できる限界と言われており、それ以上の量のプロテインを飲んでも吸収できず、脂肪としてついてしまうこともあります。

プロテインは吸収がとても早いので、一度にたくさん摂取すると、肝臓に負担がかかってしまいます。プロテインの摂取量が、体重1Kgに対して2gを超えている場合には、タンパク質の飲みすぎです。肝臓に与える負担も考えて、この数値を超えないように摂取するようにしましょう。

お酒を飲むと筋トレの効果が減少?

『運動後に冷えたビールを飲むのが楽しみ』という方は多いのではないでしょうか?しかし、実は飲酒と筋トレはとても相性が悪いのです。

アルコールはテストステロンを抑制する

テストステロンとは、男性ホルモンのこと。テストステロンは、タンパク質の合成を促進する働きがあり、これによって筋肉が成長します。アルコールは、このテストステロンの分泌を抑制してしまいます。ですので、筋トレをしている人は、お酒は控えたほうが、より筋トレの効果を得ることができるでしょう。

アルコール摂取によって筋肉を分解する物質が増加

筋トレをした後に飲酒をすると、タンパク質の合成が低下することがわかっています。しかも、飲酒をしない時と比べて41%も低下するのだとか。これは、アルコールを摂取することで、筋肉を分解する『コルチゾン』という物質が増えるのが原因です。

筋トレ後どうしてもお酒を飲みたいときはどうする?

飲酒が習慣になっている人は、なかなか急にやめることは難しいですし、お付き合いでお酒を飲むことも多いと思います。そんな時は、ちょっとした工夫をしてみましょう。

お酒のおつまみはヘルシーなタンパク質を

お酒を飲むときに、タンパク質を一緒に摂ると、タンパク質の合成低下の影響や、筋肉が分解されるのを抑えることができます。特に、枝豆や鶏肉はカロリーも抑えることができ、ダイエットや筋トレ中の人にピッタリなおつまみです。

飲みすぎ・やりすぎ注意!飲酒も筋トレも肝臓に負担をかける

お酒を飲むと肝臓に負担がかかることはよく知られていることですが、じつは筋トレも肝臓に負担をかけるといわれています。筋トレ後に筋肉痛になることがありますが、筋肉痛になっているときに何が起こっているかというと、肝臓が筋肉の回復のために働いてくれているんです。

もうお分かりかと思いますが、激しい筋トレをした後に大量にお酒を飲むという行為は、肝臓に非常に負担がかかります。お酒についての休肝日だけでなく、筋トレをお休みして肝臓を休ませる休肝日も必要でしょう。

プロテインの飲みすぎは太る?

『プロテインを飲むと太る』というのを聞いたことがあるかもしれません。しかし、プロテインの主成分はタンパク質であるため、比較的太りにくいものであると言えます。

プロテイン製品のコンセプトに注目

プロテインにも様々な種類があって、体重を増やして体を大きくする目的で作られている製品もあります。そのような製品は、プロテインのほかに、太りやすくするように糖質もたっぷりと含まれていることが多いです。このようなプロテインを飲んで、運動量が足りなければ、当然太ります。

太りたくないならタンパク質含有量が高いものを

筋肉は増やしたいけど体重は増やしたくないという人は、プロテインに含まれるたんぱく質に注目しましょう。タンパク質含有量が70%以上のプロテインであれば、体重が増えることはあまりないでしょう。また、ホエイ(乳清)プロテインは体に吸収されやすいため、比較的体重が増えやすいといわれています。

ダイエットや体重を増やしたくない目的でプロテインを選ぶのなら、ソイ(大豆)プロテインやカゼイン(牛乳)プロテインを選ぶといいでしょう。また、プロテインを溶かす飲料も、甘いジュースなどは避け、低脂肪乳に混ぜて飲むとカロリーを抑えることができます。

プロテインの飲みすぎで健康診断の数値が異常値に?

プロテインの飲みすぎは肝臓に負担をかけるというのは、すでに説明したとおりですが、その結果、健康診断のある数値に異常が見られた例もあるそうです。プロテインの飲みすぎで異常値となった数値は、プロテインの摂取量を適切な量に戻すことで改善されます。

健康診断の肝臓に関する数値とは

一般的な健康診断で、肝臓の機能を表す数値には、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALP(アルカリフォスファターゼ)、T-Bil(ビリルビン)、LDH(乳酸脱水素酵素)などがあります。プロテインの飲みすぎで異常値が見られるものとしては、タンパク質やアミノ酸の代謝に関わりの深い、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPが多いようです。

多数の臓器に存在するAST(GOT)

ASTは、体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝に関わり、肝臓をはじめ、心臓や腎臓などの臓器に多く存在します。何らかの原因で幹細胞が破壊されると血中に漏れ出します。この時に血液検査をすると、正常値よりも高い数値が出ます。検査の方法にもよりますが、8~38IU/Lが正常値とされています。

ASTは肝臓以外の臓器にも存在するので、この数値だけでは肝臓が障害されているという診断はできません。肝臓の状態を診断するには、必ずALTと一緒に検査が行われます。

主に肝臓に存在するALT(GPT)

ALTは主に肝臓に存在し、体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝にかかわります。肝臓が障害を受けると血液中に漏れ出し、血液検査の数値が高くなります。正常値は4~43IU/Lとされています。

ALTの場合は、ほとんどが肝臓に存在するため、ALTの数値が高いということは肝臓が何らかの障害を受けていると診断されます。

飲みすぎの指標でもあるγ-GTP

γ-GTPは、お酒の飲みすぎで数値が高くなることでもよく知られていて、アルコール性感情障害の診断をするのに必要な検査です。肝臓や腎臓などでつくられる酵素で、たんぱく質を分解・合成する働きをします。肝臓や胆汁中に存在しています。

お酒を飲みすぎたり、肥満などでγ-GTPがたくさん作られるようになるため、血液検査で数値が高くなります。γ-GTPは男女で正常値が異なり、男性が86IU/L以下、女性では48IU/L以下が正常値とされます。

健康診断前日の注意点

健康診断で異常値が出ると不安になりますし、再検査を受ける必要があります。病気ではなく、プロテインの飲みすぎで再検査をしなければならないというのも、ちょっと面倒ですよね。そんなことにならないためにも、健康診断の前日の過ごし方には注意しましょう。

肝臓の数値に影響するプロテインは控える

健康診断の前の日はプロテインの摂取を控えた方がいいでしょう。普段プロテインを毎日飲んでいるという人は、あらかじめプロテインを常用していることを申告したほうが良いでしょう。

激しい運動はNG

健康診断前日の激しい運動は、筋肉の疲労によって、血液検査でCK(CPK)、AST(GOT)、ALT(GPT)が高値になることがあります。肝機能障害と勘違いされてしまう場合もあるので、健康診断前日の激しい運動は避けましょう。

こんな症状が出たらプロテイン飲みすぎのサイン

健康のために飲んでいるプロテインのせいで、健康被害が出てしまったら本末転倒です。『ちょっと飲みすぎかな?』と気になる人は、以下のようなサインが出ていないかチェックしてみましょう。

いつもよりおならが臭い

プロテインを過剰摂取することにより、腸内に悪玉菌が増えて硫黄のようなにおいのおならが出るようになります。ただし、腸内環境の悪化は、プロテインなどのタンパク質の摂りすぎのほかにも原因がありますので、腸内環境をよくする対策をしてみてもだめなら、タンパク質の過剰摂取が疑われます。

風邪をひきやすくなった

プロテインの過剰摂取により、肝機能が低下すると、筋力が低下するほか、体の抵抗力が低くなって風邪をひきやすくなったり、貧血を起こしやすくなったりします。一度病院で血液検査をしてもらい、原因を明らかにする必要があるでしょう。

腎臓のダメージによるむくみ

プロテインなどのタンパク質の過剰摂取は、腎臓にも悪影響を及ぼすことがあります。腎臓が障害されると老廃物を外に出す機能が低下するので、体にむくみが出るようになります。このむくみが頻繁に出たり、症状がひどくなったりしたときは腎臓がダメージを受けている可能性がありますので注意してください。

プロテインアレルギー?

プロテインなどのタンパク質を過剰摂取によって、分解できるプロテインの許容量を超えてしまうと、それがアレルギーの原因物質となってしまうことがあります。症状としては、一般的なアレルギーの症状の喘息、咳、鼻水、下痢、湿疹などの体のかゆみが現れます。

ただし、過剰摂取ではくても、飲んでいるプロテインが体に合わないのが原因でアレルギー症状が出る場合もありますので、プロテインの種類を変えるなどの対策が必要な場合もあります。

効果的なプロテインの摂取タイミング

プロテインは適正量を守ることも大切ですが、プロテインを摂取するタイミングを意識すると、より効果的にカラダ作りができます。

プロテイン摂取のゴールデンタイムは?

プロテインを飲むタイミングで、最も効果的に筋力アップが望めるのは、運動直後45分以内と言われています。運動後45分以内は、筋肉に送られるアミノ酸が通常より多く、なんと3倍になります。プロテインを選ぶポイントとしては、吸収が早いホエイプロテインを選び、糖質や炭水化物を同時に摂ると効果がさらにアップします。

寝ている間もプロテインは効果を発揮する

眠っているときは、成長ホルモンが分泌されています。成長ホルモンは筋肉の成長を助けたり、疲労などで傷ついた筋肉を修復したりしてくれます。ですので、就寝する30~1時間前にプロテインを摂取することは、筋肉の成長に効果的です。寝る前に摂取するプロテインは、比較的吸収がゆっくりなソイプロテインやカゼインプロテインを選ぶとよいでしょう。

朝起きたらプロテイン

寝ている間は、水分や栄養素を補給できないので、朝起きた時にはそれらが不足している状態。この時にプロテインを摂取して、タンパク質を補給してあげましょう。朝食をきちんと食べる人であれば、補助的にプロテインを摂取しましょう。朝食時に最適なのは、ホエイやカゼインを原料としたプロテインです。

プロテインは肝臓に負担?飲みすぎに注意?!健康診断での数値のまとめ

プロテインは筋肉の成長に非常に効果的ではありますが、プロテインの過剰摂取は肝臓への負担が大きくなってしまいます。また、プロテインを摂取している人は、筋トレも同時に行っているかと思いますが、筋トレもやりすぎは肝臓への負担を強めます。プロテインは、自分の適正量を効果的なタイミングで摂取することが大切です。くれぐれも、プロテインの飲みすぎで健康診断で異常値を出さないように注意しましょう。


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