亜麻仁油やえごま油など健康に良いとされる油がブームになっていますが、グレープシードオイルもアンチエイジングに有効な抗酸化作用などの効果・効能があります。今回は、グレープシードオイルの効果や効能、使い方、注意点などについてご紹介していきます。

目次
グレープシードオイルとは?
グレープシードオイルとは、ブドウ(グレープ)の種(シード)から精製される油のことを言います。赤ワインは皮も種も一緒に漬け込んで作られますが、白ワインは皮も種も取り除かれます。この取り除かれた種を使って作られた油がグレープシードオイルになります。オリーブオイルやココナッツオイルなどに比べると知名度は低いですが、美容や健康に良いと話題です。
今回は、そんなグレープシードオイルについての効果や効能、正しい使い方と気を付けたい注意点についてご紹介していきます。健康に良いオイルとは言えど、摂取量に気を付けないと逆効果になる可能性もありますので、正しい使い方をして健康な毎日を送りましょう。
グレープシードオイルにはどんな効果がある?
まずはグレープシードオイルの効果や効能について見ていこうと思います。グレープシードオイルには、主に4つの効果効能があります。アンチエイジング効果のある抗酸化作用、動脈硬化などを招く高いコレステロール値を下げる効果、血行促進でダイエット効果、保湿効果があります。これらの効果効能を詳しくご紹介します。
抗酸化作用が強いオイル
グレープシードオイルの効果効能①
抗酸化作用とは、体の中をサビさせる「活性酸素」を抑える働きをしてくれる現代人にはとても重要な作用です。活性酸素が増えることにより、血管や細胞に傷がついてしまって動脈硬化などの病気や老化を進めてしまう厄介なものです。活性酸素が増える原因として、紫外線やタバコ、強いストレスや無理な運動などがあり、対策を取らないと命を縮めてしまうことに。
そんな活性酸素を抑える働きがグレープシードオイルにはあります。先ほどワインを作る際に取り除かれる種を使うと申し上げましたが、ブドウには沢山のポリフェノールが含まれています。このポリフェノールは老化を遅らせるアンチエイジング効果があり、がん予防にも繋がります。美容面だけでなく健康面でもとても重要になるポリフェノールは積極的に摂取したい成分です。
グレープシードオイルのポリフェノール含有量は、ポリフェノールが多いオイルと言われているオリーブオイルの約2倍ありますので、ポリフェノール摂取の観点からグレープシードオイルはおすすめです。体の酸化を抑えてくれる効果もあるので、酸化しにくいオイルとされているのもグレープシードオイルです。
ちなみに、がん予防の効果があるポリフェノールには、緑茶ポリフェノール、コーヒーポリフェノール、リンゴポリフェノールがあります。緑茶にはカテキンが含まれていて、これが抗菌・抗酸化作用、抗ウイルス効果があります。コーヒーにはクロロゲン酸が含まれていて、これががん予防になります。林檎にはプロシアニジンが含まれていて、腫瘍に対する抑制効果があります。
コレステロール値を下げる
グレープシードオイルの効果効能②
オイルはコレステロール値を上げてしまうイメージがありますが、グレープシードオイルの場合は植物油なのでコレステロールは含まれていません。反対に、バターなどの動物性の油は善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールを増やす作用があるため、コレステロール値が高くなってしまいます。
グレープシードオイルがコレステロールを下げる効果があるというのは、オレイン酸とリノール酸の不和脂肪酸を含んでいるからです。オレイン酸は悪玉コレステロールだけを下げる働きがあり、リノール酸は体内では作られない脂肪酸で善玉コレステロールも悪玉コレステロールも下げる働きがあります。
グレープシードオイルの場合、脂肪酸組織の割合が7割近くリノール酸が占めているので過剰に摂取しすぎると代謝物のアラキドン酸が増えて喘息や花粉症などのアレルギーを起こすとされています。かと言って取らなさすぎると肌荒れなどの皮膚の障害が起きてしまうので、注意点を押さえて正しい量を摂取しなければならなりません。
ダイエット効果がある
グレープシードオイルの効果効能③
グレープシードオイルには、多くのポリフェノールが含まれていると紹介しましたが、ポリフェノールは代謝を上げる効果があるのでダイエット効果にも期待が出来ます。ここで気を付けたい注意点があります。それはポリフェノールには下痢止め効果がある収斂(しゅうれん)作用があることです。
収斂作用とは、血管を縮める効果があり、強すぎる蠕動(ぜんどう)運動を抑えて過剰に腸に水分が行かないようにしてくれます。男性の方で便秘で悩む方は少数派かもしれませんが、どちらかというと下痢より便秘が多い方がポリフェノールを多く摂取すると蠕動運動が抑えられて益々便秘になることがあります。
下痢で悩んでいる方にはポリフェノールがおすすめですが、便秘の方には気を付けてもらいたい部分です。過剰に摂ることがNGなので適量であれば問題ありませんが、グレープシードオイルを摂取するようになってから便秘気味になった気がするという方は、オイルを使い過ぎていないかチェックすることをおすすめします。
また、グレープシードオイルは、ビタミンEも多く含まれているので血行促進効果があります。血行を良くしてあげれば血流が上がって体も温かくなり代謝も上がるというわけです。ビタミンEは冬場のあかぎれやしもやけにも効果があるので、血流が悪い方にはビタミンEがおすすめです。
保湿効果で乾燥予防
グレープシードオイルの効果効能④
グレープシードオイルは他の食用油と違って、体内に摂り込むだけでなく肌に使うことも出来るので乾燥しやすい時期にはおすすめのオイルです。女性の間では手作りハンドクリームなどのコスメにグレープシードオイルを活用したりと、乾燥対策に使われるオイルでもあります。保湿だけでなく、頭皮に使うことで髪の毛にコシを与えられるので、頭皮マッサージでも使用できます。
グレープシードオイルはほとんど香りがないのが特徴です。さらっとしたオイルで低刺激でもあるので、肌に使うことができるオイルになっているのです。べたつかないオイルなので、乾燥に悩んでいる方は是非グレープシードオイルを活用してみて下さい。
グレープシードオイルの正しい使い方は?
グレープシードオイルの効果効能が分かったところで、次は正しい使い方についてご紹介します。正しい使い方をしなければ逆効果になってしまうオイルでもあるので、注意点をしっかりと押さえて健康的な使い方をしていきましょう。
食用のオイルとして使う
グレープシードオイルの正しい使い方①
まずは食用油としての使い方ですが、サラダ油などと同じように炒め物やドレッシングのオイルとして使うことが出来ます。オリーブオイルと同じように酸化しにくいオイルなので、多少熱を加えても成分が壊れてしまうことはありません。また、グレープシードオイルは香りに癖がないので、オリーブオイルのように癖が強いオイルが苦手な方におすすめです。
さらっとしているので料理との馴染みが良く、ドレッシングは混ざりやすくてマリネにすると香りがないのでさっぱりと食べられます。グレープシードオイルで揚げ物をするとカラッと揚がるのも特徴です。他の油だと揚げたものによってはべちゃっとした仕上がりになってしまうことがあるので、上手に揚げ物をしたいならグレープシードオイルをおすすめします。
揚げ物に使う場合の注意点は?
揚げ物でグレープシードオイルを使用する際には注意点があります。それは温度です。グレープシードオイルは150度が限界なので、揚げ物をするなら低温で揚げましょう。折角の成分が壊れてしまうので注意しましょう。また、揚げ物に使用すると油が酸化してしまうので、揚げ物をするときには少量の油で揚げ、残った油は炒め物に使ったりして早めに使い切りましょう。
揚げ油は次に使うまで保存しておきたいものですが、保存している間もどんどん酸化は進んでいきます。酸化に強い油でも全く酸化しないわけではありません。酸化した油にはトランス脂肪酸が含まれているので体によくありません。勿体ないのですが、使った油は出来れば2回目は使用せずに新しい油を使いましょう。トランス脂肪酸については後述を参照して下さい。
スキンケアとして使おう
グレープシードオイルの正しい使い方②
体の内側からポリフェノールとビタミンEを摂取するのも良いのですが、体の表面(皮膚)から摂り入れるのも良いものです。スキンケア用に作られているグレープシードオイルというものがあります。これを使えばシミやシワ対策として活用出来ます。
乾燥肌でもオイリー肌でも使えるのが特徴です。肌に優しいオイルとは言っても個人差があるので、一番肌の弱いところに塗って肌の状態を確かめるパッチテストを行ってから使用しましょう。昼間は紫外線が当たって酸化してしまうので、ナイトケアとして使用すると効果的です。
ヘアケアにも使える
グレープシードオイルの正しい使い方③
グレープシードオイルは保湿効果があるので、頭皮のマッサージを行うとフケや痒みを抑えてくれる作用があります。シャンプーの前にグレープシードオイルで頭皮マッサージを行うと、髪の毛にコシを与えてふっくらとした仕上がりになります。これも個人差があるので、頭皮に合わないこともあります。頭皮に異常が現れたら使用を中止し、皮膚科の医師に相談してみて下さい。
頭皮マッサージのやり方ですが、オイルを手のひらに500円玉程度の大きさで出し、頭皮に塗ります。爪を立てずに指の腹で圧をかけながら頭皮をほぐしていきます。頭のてっぺんから首にかけてもみほぐして血流を良くしてあげます。マッサージが終わったら、シャンプーをする前にお湯でしっかりと流しましょう。後はいつも通りに行えばOKです。
グレープシードオイルを使う際の注意点とは?
注意点①正しい量を摂取すること
グレープシードオイルを使う際に気を付けたい注意点は、適量を摂ることです。何事においてもそうですが、適量から外れて大量に摂取することは体に良くありません。いくら健康に良いからといってもオイルなので、大さじ1杯で108kcalあります。使い過ぎるとカロリーオーバーにもなりますし、リノール酸を過剰に摂取することになります。
注意点②安いグレープシードオイルに注意
出来れば安いものを使いたいというのも分かりますが、安いグレープシードオイルは製法が安全ではない可能性があります。ブドウの種はどうしても油が抽出されにくいので、溶剤を使って抽出する製法で作られていることが多いのが現実です。
低温圧搾(コールドプレス)が一番安全であると言われている抽出方法ですが、グレープシードオイルの場合はなかなか難しいようです。オイルに記載されていない場合は低温圧搾ではない可能性が高いと同時に価格も安いです。出来るだけ低温圧搾のものを選ぶことをおすすめします。
<おまけ①>オメガ6脂肪酸とは?
正しい摂り方をすれば問題なし!
オメガ6脂肪酸とは、不飽和脂肪酸で植物性の油のことを言います。他にはオメガ3、オメガ9とあり、この不飽和脂肪酸は体内で合成することが出来ないために食品から摂取する方法しかありません。そして、これらは体を作るにあたって必要な必須脂肪酸であるので、摂らないわけにはいきません。
現代人の食事では、オメガ6を摂りすぎている傾向にあると言われています。お菓子やファーストフード、コンビニ食をよく食べるという方はオメガ6を摂取しすぎている可能性があるので、アレルギーになった、血栓が出来やすくなったなどの症状が出てきてしまうかもしれません。最近花粉症の方が増えてきたのは、オメガ6を摂りすぎている可能性があるのかもしれません。
オメガ6を減らしてオメガ3を摂る
オメガ3とオメガ6の理想的な比率というものがあります。オメガ3:オメガ6が1:4であれば体の不調が解消されるという風に言われています。オメガ3はCMなどでもおなじみの亜麻仁油から摂取出来ます。加熱に弱い油なので、スープに入れたりドレッシングに使うと効率よく摂取が出来ます。アレルギーが酷い方はオメガ3の摂取をおすすめします。
<おまけ②>トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸という言葉は良く耳にすると思います。トランス脂肪酸は生活習慣病を引き起こすと言われていますが、牛肉や牛乳、羊肉、乳製品の中にも微量ながら含まれています。加工されているサラダ油やマーガリン、ショートニング、パンやケーキなどにも多く含まれているので、普通に食事をしていれば自然と摂り込んでいる脂肪酸です。
トランス脂肪酸は少量であれば必要な栄養素です。しかし摂りすぎると、悪玉コレステロールが増えて善玉コレステロールが減ります。そうすると動脈硬化や心筋梗塞、狭心症、女性の場合は流産や死産を引き起こしてしまう栄養素なのです。高温高圧をかけて精製しているグレープシードオイルの場合もトランス脂肪酸が発生してしまうので気を付けましょう。
おすすめのグレープシードオイルは?
ケータック「チリ産グレープシードオイル」
ケータックのグレープシードオイルは、低温圧搾で精製されているオイルです。ワインの輸出量が多いチリのグレープシードを使用しています。品質基準が高いグレープシードオイルなので安心して使えます。460g(500ml)入って1,000円程度です。高価な感じがしますがEXバージンオリーブオイルよりは安く買えます。こちらのグレープシードオイルが一番のおすすめです。
グレープシードオイルに切り替えて健康的に
グレープシードオイルについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。健康系のオイルは沢山出回っていますが、どれを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。それぞれに利点や欠点があることを理解してオイルを使ってみて下さい。香りがなくさらっとした感じが特徴のグレープシードオイル、是非使ってみてはいかがですか?
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