1990年代の邦楽シーンはミリオンセラーが続出するほど潤った時代です。あらゆるシンガーやバンドがメジャーデヴュして犇めいていました。輝かしい時代を駆け抜けた女性ボーカルバンドについての解説を含めた10選ご紹介します。懐かしい女性ボーカルやバンドを振り返ります。

目次
- 90年代の日本の音楽シーン及びバンドシーンとは?
- 90年代になぜバンドや女性ボーカルが売れたのか?
- 90年代を彩った女性ボーカルバンド10選と名曲
- 女性ボーカルバンドの典型「PRINCESS PRINCESS」
- 90年代女性ハードロック路線のバンド「SHOW-YA」
- 改めてセンスある女性ボーカル&バンド「GO-BANG'S」
- 女性ボーカルと音の厚さが魅力「Pink Sapphire」
- カバーで認知度のあるバンド「Jitterin'Jinn」
- ニューウェーブ世代最後のバンド「Personz」
- 息の長い女性ボーカルバンド「LINDBERG」
- 聡明な女性ボーカルユニット「My Little Lover 」
- アマチュア・コピーバンドの憧れ「JUDY AND MARY」
- ミリオンの常連女性ボーカルユニット「ZARD」
- 90年代女性ボーカル&バンドはおすすめばかり!
90年代の日本の音楽シーン及びバンドシーンとは?
1990年代は音楽が飽和状態になった時代です。数々のアーティストやバンドがメジャーデヴュを果たすきっかけを作り、空前のバンドブームが到来します。それまで圧倒的にかっこいい男性グループやバンドが多かったシーンに、次々とかわいい女性ボーカルによるバンドが登場し、様々な名曲を残していきました。
90年代になぜバンドや女性ボーカルが売れたのか?
デジタル機器の普及が女性ボーカル&バンドを変えた
1990年代の音楽シーンに於いて特徴的なのは、デジタル機器の革新的進歩です。シンセサイザーの普及が成功し、その波及効果で周辺機器の開発も目覚ましく、シーケンサーやMIDI等の精密機器を駆使した音楽作りが盛んになりました。アーティストがバンド編成を組まずに機械で音作りが出来ることで、様々な実験的試みがなされバンドらしいアンサンブルな名曲が誕生しました。
音楽がより身近になり女性ボーカルが増えた
デジタル機器の発展が目覚ましい90年代、バンドサウンドを自宅でも手軽にハンドメイドをする音楽マニアが急増しました。またメジャーシーンの制作現場もよりコンパクト&ダイレクトに楽曲が発表できるようになり、のちにおすすめとなる名曲が量産されるバンド主流な時代になりました。身近な女の子が作詞作曲を積極的に行い、女性ボーカルやアーティストも量産されました。
90年代を彩った女性ボーカルバンド10選と名曲
ここからは、おすすめな90年代日本音楽シーンを駆け抜けた代表的女性ボーカルのバンドを10グループ、その代表的な名曲とともご紹介します。かっこいいバンドからかわいいバンドも含め、懐かしい女性ボーカルものもあれば、今も現役のバンドもいたりと、女性ボーカルやバンドにも様々な経緯があるようです。
女性ボーカルバンドの典型「PRINCESS PRINCESS」
①プリンセス プリンセス/『M(from DVD「The Last Live」)』
80年代から90年代にまたがり、そして2000年代に入ってから再結成もした、邦楽界にてもっとも成功したガールズロックバンドの一つがプリンセスプリンセスです。女性ボーカルバンドの草分けとして、多くの方々がご存じな名曲もたくさんあることでしょう。
プリンセス プリンセス/『世界でいちばん熱い夏(from DVD「The Last Live」)』
元々は某レコード会社のイベント企画で集められた女の子たちがアイドルバンドを組まされてデヴュ、その後アイドル脱却を目指し移籍をしたことで、新しい活路を見出し日本を代表する女性ボーカル&バンドと成長しました。現在メンバー各々もシーンで活躍中です。
90年代女性ハードロック路線のバンド「SHOW-YA」
②SHOW-YA/限界LOVERS HD
某楽器メーカーが主催したオーディションイベントに出場したことをきっかけにメジャーデヴュを果たすも、アイドル路線を強いられたことに反発し、もともと目指していたかっこいいハードロックの女性ボーカル&バンドへと転身、それがSHOW-YAの分岐点となりました。
SHOW-YA/NAONのYAON2013
途中ボーカリストの寺田恵子が脱退しバンドも空中分解しましたが、2005年より再活動し現在に至っています。尚87年から今も続いている野外イベントの「NAONのYAON」は、彼女たちが主催・企画したものでおすすめです。
改めてセンスある女性ボーカル&バンド「GO-BANG'S」
1988年にメジャーデヴュをした北海道出身の3人組ガールズバンドのGO-BANG'S、本来は甲斐バンドやロッカーズ、ARBといった硬派でかっこいい男性ロックバンドに憧れていた女の子達が始め他ガールズ系バンドです。たまたま地元のライヴハウスに残したデモテープを故忌野清志郎氏が聴いてデヴュのきっかけを作ったと言われています。
キャッチーで女の子らしくかわいいポップな楽曲を中心に活動していましたが、バンドは1994年に一度解散、現在は女性ボーカルの森若香織によるソロユニットとして継続しているおすすめなガールズユニットです。
女性ボーカルと音の厚さが魅力「Pink Sapphire」
④Pink Sapphire/P.S. I Love You (PV)
当時空前のバンドブームを作るきっかけとなった深夜番組「イカすバンド天国」に出場したことで全国区で人気となったの女性ボーカル&バンドがピンク・サファイアです。このデヴュ曲がオリコン初登場第2位になり、ドラマの主題歌になりました。王道でかっこいいハードロックサウンドに女の子らしいかわいい側面が特徴です。2013年に一度再結成ライヴイベントを行っています。
カバーで認知度のあるバンド「Jitterin'Jinn」
⑤JITTERIN'JINN/プレゼント
シンプルな編成でレトロな音楽のエッセンスを中心に、和風なメロディがキャッチーで人気だったのが男女混合4人のバンド「ジッタリン・ジン」です。第6代目イカ天キングになりメジャーデヴュ、その後2000年に「夏祭り」という名曲がWhiteberryによってカヴァーされ再ヒットしたことは、多くの方々の記憶にもあることでしょう。現在はインディーズとして活動中です。
ニューウェーブ世代最後のバンド「Personz」
⑥パーソンズ/DEAR FRIENDS
布袋寅泰がかつてBOOWYと併行しながら活動していた「AUTO-MOD」というバンドのベーシストだった渡邉貢とドラマーの藤田勉、ギターの本田敦、そして女性ボーカルのJILLの4人で結成したのがパーソンズです。代表曲「DEAR FRIENDS」はドラマの主題歌としても認知され脚光を浴びました。
PERSONZ/7colors
1992年に本田がバンドを脱退した後は正式なギタリストはしばらく不在でしたが、2002年に復帰し元のメンバーで現在も活動中です。パーソンズのサウンドは80年代のニューウェーヴ風なアンサンブルが目立ちおすすめです。アグレッシブでかっこいいギターワークと、重心のあるリズム、そしてパワフルなJILLの存在感が魅力です。
息の長い女性ボーカルバンド「LINDBERG」
⑦LINDBERG/Imasugu Kiss Me
元々はアイドル歌手としてデヴュした渡瀬マキと、そのサポートバンドのメンバーたちによって結成させたのがリンドバーグです。2ndシングルとしてリリースした「今すぐKiss Me」は、当人たちにとって最大のヒットとなり、1990年オリコン年間シングルセールスに第3位となります。
LINDBERG/25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~
渡瀬のはつらつとしてかわいいルックスと声、ギターバンドらしいソリッドでかっこいいサウンドが相乗効果となり、90年代女性ボーカルバンドの代表的存在の一つとなりました。解散と一時的な再活動を挟みつつ、2014年より正式な再活動、残りの人生はこの4人で継続することを公言しています。
聡明な女性ボーカルユニット「My Little Lover 」
⑧My Little Lover/DESTINY acoakko debut Ver.
サザン・オールスターズ等のアレンジャーとして知られる邦楽界の名プロデューサー小林武史氏によって作られたユニット、女性ボーカルのakkoの歌唱はどこか危うげながらも聡明なイメージがあり人気を博しています。
白いカイト/My Little Lover with Bank Band - ap
のちに小林と夫婦になりますが2008年に離婚、現在はakkoのソロプロジェクトとして継続中、小林もメンバーからは脱退していながらも、プロデュースやイベントへの出演等、同行する機会は多いようです。
アマチュア・コピーバンドの憧れ「JUDY AND MARY」
⑨JUDY AND MARY/OVERDRIVE (LIVE)
元々「JACKS'N'JOKER」というへヴィメタル系バンドでデヴュを果たしていたベーシストの恩田快人によって集められたメンバーがジュディー&マリーです。女性ボーカルのYUKIはそれまで音楽経験がなかったが、恩田の描いていた構想にぴったりとハマる存在だったこともあり意気投合し、本格的に始動することになるとたちまち人気が急騰していきました。
PLT15/イロトリドリノセカイ
かっこいい演奏力の高さもさることながら、女性ボーカルのYUKIによるかわいいポジティヴさと、ネガティヴな感情を併せ持つようなスタイルは、やがてガールズポップの典型となり数々の名曲を残しました。現在は各々がソロ活動しています。
ミリオンの常連女性ボーカルユニット「ZARD」
⑩ZARD/君に逢いたくなったら
90年代にミリオンセラーを連発した「ビーイング」に所属したアーティストの一つがZARDです。女性ボーカルの坂井泉水はモデル出身でライヴイベントや音楽制作に不慣れな点が顕著だったようですが、プロデューサーの長戸大幸氏および制作スタッフ達のバックアップにより、一躍時代を彩る女性ボーカルの頂点に至りました。
ZARD/揺れる想い
バンドとしてはメンバーが一定ではなく、あくまでも坂井のソロユニット的な活動が中心で、ライヴやイベントよりもCD制作のほうに力を注いでいました。これは90年代邦楽シーンそのものの大きな特徴でもあります。2000年以降、体調不良が重なり闘病生活、その甲斐もむなしく2007年に不慮の事故死を遂げてしまいました。
90年代女性ボーカル&バンドはおすすめばかり!
90年代の邦楽シーンではロックがすっかりお茶の間に定着し、かっこいいサウンドも、かわいい女性ボーカルも、すべてを飲み込んで商業的に成功した時代でした。そんな時代もやがて、次々と他の娯楽やおすすめな楽しみ方へのシフトとともにCD売上が不況な方向へと転換しました。
しかし近年は成熟した大人たちが90年代の曲を懐メロ感覚で親しみ始めています。リマスターの楽曲を再び聴いたりコンサートやイベントに足を運ぶ時代になりつつあります。どんな時代であれ音楽は不滅であることが裏付けされている証拠なのです。もう一度、あの時代と同じ気持ちでかっこいいサウンドやかわいい歌声に酔いしれてもいい頃合いです。
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