ダンスインザダークは現役時代となる1996年の菊花賞を勝った競走馬で、種牡馬入り後もG1勝ち馬をターフに送り出した名種牡馬の1頭です。今回はこのダンスインザダークにスポットを当てて、産駒の代表馬やダンスインザダーク自身についてご紹介していきます。

目次
ダンスインザダークは種牡馬としてもG1馬を送り出す!
ダンスインザダークは現役時代にも菊花賞を勝つなどの成績を挙げ活躍した馬ですが、種牡馬としても優秀な産駒を多く送り出していました。まずはそんなダンスインザダーク産駒の活躍馬についてご紹介していきます。
父子菊花賞制覇を果たす! ザッツザプレンティ
ザッツザプレンティは母バブルプロスペクター、母の父ミスワキという血統のダンスインザダーク産駒です。近親に天皇賞秋を勝ったバブルガムフェローがおり、クラブ馬主である社台レースホースで1口85万×40口の3400万円で募集されていました。新馬戦を勝ち、続く京都2歳Sで2着、ラジオたんぱ杯2歳Sで1着となり、クラシック候補として期待される1頭となります。
しかし休み明け初戦の弥生賞で1番人気に支持されますが5着と敗れてしまうと、皐月賞では8着、ダービーでは3着と2冠を達成したネオユニヴァースには届かず、未勝利のまま春シーズンを終えると、秋の初戦となった神戸新聞杯でも4角先頭と強気な競馬を試みますが、直線で差され5着に敗れてしまいます。
3冠を阻止してダンスインザダークとの菊花賞父子制覇達成!
しかし菊花賞では5番人気ながら道中は中団につけると早めに進出を開始して、4コーナー前の下りを利用してロングスパートを打つと3冠に挑戦したネオユニヴァースらの追撃を振り切り、1着と言う成績を挙げダンスインザダークとの父子菊花賞制覇を果たします。
その後は勝ち星を挙げることは出来ず、一時期は種牡馬入りもしていましたがこれといった活躍馬を送り出すこともできませんでした。現在は南幌ライディングパークという牧場で乗馬生活を送っています。
ダンスインザダークの血統を世界へ! デルタブルース
デルタブルースは母ディクシースプラッシュ、母の父ディキシーランドバンドという血統のダンスインザダーク産駒です。こちらもクラブ馬主であるサンデーレーシングで1口60万×40口の2400万円で募集されていました。デビュー後はステイヤーと見られ、初勝利に6戦を要すると芝2500mで行われた1000万下の九十九里特別勝ち後に格上挑戦で菊花賞へと挑戦します。
春の青葉賞で13着と大敗を喫していたこともあり、8番人気と伏兵扱いでしたが先団でレースを進めると直線では逃げたコスモバルクをかわし、2着のホオキパウェーブに1馬身1/4差をつけ初重賞制覇がG1という成績を収めます。その後ステイヤーズS勝ちはあるものの、あまり活躍できていなかったデルタブルースは5歳時の天皇賞春10着後にオーストラリア遠征を敢行します。
遠くオーストラリアの地での日本馬ワンツーフィニッシュ!
半年ぶりの出走となったコーフィールドカップではトップハンデの影響もあり3着に敗れますが、実力が通用することがわかると、続くオーストラリア最大のレースであるメルボルンカップに共に遠征していたポップロックとともに出走すると、早めに先頭に立ったデルタブルースを外からポップロックが追い詰め、デルタブルースがしのぎきって1着でゴール板を通過します。
この勝利はメルボルンカップのアジア調教馬初勝利でもあり、オーストラリアのG1を日本馬が初めて制したレースともなりました。デルタブルースはこの成績が評価され、この年のオーストラリア最優秀ステイヤーに輝いています。その後は勝利を挙げられず引退、現在はノーザンホースパークで馬術競技馬になっているようです。
ダンスインザダーク産駒の特徴
ダンスインザダーク産駒は父の影響もあるのか、スタミナ型のステイヤー色の特徴が出るか、切れ味を武器とする特徴が出るのか、どちらかの特徴が強く出た産駒が活躍することが多くなっています。前者であればご紹介した2頭に加えスリーロールスやフォゲッタブルがいて、後者であればツルマルボーイやダークシャドウといった産駒がこれにあたります。
母の父としてもこの特徴は残っているようで、ステイヤーズSを3連覇しているアルバートやシンザン記念を直線一気で勝ったキョウヘイなど母の父となってもダンスインザダークらしい特徴が受け継がれていると言えます。
ダンスインザダークってどんな馬?
ここまではダンスインザダーク産駒の活躍馬や血統、特徴などについて見てきたわけですが、ここからは各馬の父であるダンスインザダークがどんな血統で、どんな成績を挙げた馬だったのかを見ていきます。
ダンスインザダークはどんな血統の馬?
ダンスインザダークは父サンデーサイレンス、母ダンシングキイ、母の父ニジンスキーという血統で、きょうだいにはダンスパートナーやダンスインザムードというG1馬だけでなく、エアダブリンといった重賞勝ち馬もいる良血馬です。
ダンスインザダークの血統表を見ていくと、アルマームードの4×5、ネイティヴダンサーの5×5、全きょうだいであるブルーソーズ=ブルーヘイズの5×5というインブリードを持っています。1993年の6月5日に生まれたダンスインザダークは、クラブ馬主である社台レースホースで1口200万×20口の4000万で募集されていました。
ダンスインザダークの現役時代はどんな成績?
6月と遅生まれのダンスインザダークでしたが、仔馬の頃から大物感があったようで、2歳のデビュー前には兄エアダブリンや姉ダンスパートナーの活躍もあり、G1馬の弟として血統からも注目を集める存在になっていました。
そんな中でダンスインザダークはダービーを逆算する形で12月3日の阪神競馬場で初出走を迎え、人気に応えて1着という成績でデビュー戦を飾ると、続くラジオたんぱ杯2歳Sでも2番人気に支持をされますが、ロイヤルタッチから3馬身半離された3着に敗れ、2戦1勝という成績で2歳シーズンを終えます。
順風満帆とは行かなかったダンスインザダーク
3歳となったダンスインザダークはきさらぎ賞を春シーズンの初戦として出走しますが、ここでもロイヤルタッチの2着と敗れます。しかしその差はクビ差にまで縮まっていて、続く弥生賞では2番人気ながら差し切って1着となり、遅生まれによって遅れていた成長が徐々に追いついたことで、ダンスインザダークの世代屈指となる実力を証明していました。
しかし皐月賞へと向かうダンスインザダークにアクシデントが降りかかります。皐月賞が目前となった6日後に栗東トレセンで熱発を発症したダンスインザダークは皐月賞を回避せざるを得なくなり、一時はダービーへの直行も考えられましたが、予想よりも回復が早かったため、トライアルのプリンシパルSを勝利してダービーへと向かうことになります。
勝ったと思ったゴール前に落とし穴があったダンスインザダーク
1番人気に支持されたダービーで、ダンスインザダークは好位からレースを進め、残り400m付近では早くも先頭に立ち押切を狙いますが、ダンスインザダークをマークする形で直後にいたフサイチコンコルドが外からダンスインザダークに襲い掛かり、ゴール前でクビ差かわされまさかの2着に敗れてしまいます。
春の借りは菊花賞で返す!
海外遠征のプランもあったダンスインザダークでしたが、ダービーの敗戦でそれも白紙になり、夏場を休養に充てられることになったダンスインザダークは、秋は京都新聞杯から始動すると、圧倒的な1番人気に応えて快勝し、クラシック3冠の最終レースである菊花賞へと向かいます。
33秒台の末脚炸裂! 菊の大輪を咲かせたダンスインザダーク
ここでも1番人気に支持されたダンスインザダークは、やや遅れたスタートでしたが外から中団につけ、1周目のスタンド前では内から2頭目の8番手を追走していきます。3コーナー過ぎの下り坂で他のライバル馬が動き始める中、ダンスインザダークは前がふさがる形となり、逆にポジションを下げてしまいます。
直線入り口でもまだ後方の位置取りだったダンスインザダークは内側に進路を取り前との差を詰めると、残り200mで馬場の真ん中に持ち出し、一気に末脚を爆発させ前を行くフサイチコンコルドとロイヤルタッチを並ぶ間もなく差し切り、菊花賞の舞台で春の雪辱を果たします。この時の上がり3Fは33秒8と、3000mの菊花賞では当時は考えられない光速の末脚でした。
活躍を期待されるもまさかの引退を迎える
「強い馬が勝つ」と言われた菊花賞で勝ったことで、将来が期待されたダンスインザダークでしたが、レース翌日に不治の病として知られる屈腱炎を発症し、菊花賞を最後に引退、社台スタリオンステーションで種牡馬入りすることが決まります。競走馬引退後にダンスインザダークは菊花賞勝ちの成績が認められ、最優秀3歳牡馬のタイトルを受賞します。
種牡馬引退後もその血は母の父として輝き続ける
今回は現役時代に菊花賞を勝ち、種牡馬としても海外G1勝ちを含むG1勝ち馬を送り出したダンスインザダークについてご紹介しました。2017年1月で種牡馬を引退したダンスインザダークの直仔を見る機会は減っていきますが、母の父としてターフを賑わせてくれることでしょう。
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