絶対に欠かせない調味料である砂糖。実は賞味期限がないので、長く保存して使えるんです。しかし保存方法が悪いと固まったり変色したりしてしまいます。どうすれば防げるでしょうか。今回は砂糖の正しい保存方法とおすすめの容器についてまとめてみました。

目次
砂糖を正しく保存するのが大切なのはなぜか
砂糖はどこの家庭も常備している、お料理やお菓子作りには欠かせない調味料です。しかし実は、塩と同じで賞味期限がないということをご存知でしたか。砂糖はかなり長い期間保存がきくので、賞味期限を気にすることなく、無駄なく最後まで使うことができるんです。安売りの時は、買いだめもできます。
でも気を付けないと、砂糖はいつの間にか固くなってしまったり、色が変わってしまったりします。さらにはにおいが付いたり、保存場所が悪いと虫が付いたり、袋がかじられてしまったりすることもあります。まだたくさん残っているのに、捨てないといけなくなったらもったいないですよね。
食材を正しく保存するのが大事なように、調味料も正しく保存することが大事です。では砂糖の正しい保存方法とは一体どんなものでしょうか。どこにどのように保存するのが一番いいのでしょうか。保存容器はどんなものがおすすめでしょうか。
砂糖にはどんな種類があるか?
砂糖といっても、いろんな種類があります。上白糖、三温糖、グラニュー糖、黒砂糖、白双糖(はくざらとう)、中双糖(ちゅうざらとう)、キビ砂糖、氷砂糖、さらに和三盆などいろいろあります。それぞれ特徴があって、料理によって使い分けます。上白糖、三温糖などは主に料理に、グラニュー糖は主にお菓子作りに使われます。氷砂糖は果物酒などに使われます。
そのため、ある料理のために買って、残った砂糖がしばらく使わないうちに使えなくなってしまった、という経験はあるのではないでしょうか。
注意点として、黒砂糖、黒糖、キビ砂糖や、てんさい糖などの精製度の低い砂糖は、時間がたつと風味が変わってしまったり、カビが生えたりします。賞味期限がある場合は必ず期限内に使い終わるように気を付けます。この場合、開封後は冷蔵庫で保存して早めに食べてしまいましょう。
砂糖はにおいが移やすい
砂糖は、漬物などにおいの強いもののそばに長時間置いておくと、においが移ってしまうことがあります。ほかにも洗剤やせっけん、化粧品のにおいも吸ってしまうことがあるので、近くに置いたり、一緒に保存しないようにします。料理した時やコーヒーを入れたとき、違うにおいがしてしまうとおいしくないですよね。
砂糖は乾燥すると固まる
塩が湿気に弱いのに対し、砂糖は乾燥に弱い調味料です。特に砂糖が一度湿気を吸ってしまってから乾燥すると、ガチガチに固まってしまいます。気が付いたら砂糖が固まってしまっていた、というのはそのためです。
でも砂糖が固まっていても大丈夫です。がちがちに固まっていると使いにくいかもしれませんが、捨てる必要はありません。それに固まった砂糖をサラサラに戻す方法があります。
固まった砂糖をサラサラにする
砂糖は乾燥して固まっているので、再び湿気を与えると元の状態に戻ります。方法としてはいろいろあります。簡単なのは、固まってしまった砂糖を入れている器のふたに、湿らせたキッチンペーパーを挟む方法です。砂糖が徐々に湿気を吸ってサラサラになります。
別の方法は食パンを使う方法です。固まった砂糖の容器の中にちぎった食パンを入れておくと、砂糖がサラサラに戻ります。この写真のように一緒に大きな袋に入れておいても大丈夫です。食パンに含まれる水分を砂糖が吸って、サラサラに戻ります。ですから、砂糖が固まってしまってもそんなに心配する必要はありません。しかし正しく保存するに越したことはありませんよね。
砂糖は化学反応を起こして変色することがある
砂糖を長時間保存していると黄色っぽく変色する場合があります。それは砂糖の中に含まれるアミノ酸が、メイラード反応と呼ばれる化学反応を起こして褐色に変色したためです。
しかし色が変わったからといって、味が変わったり甘味が落ちるということはほとんどありません。使用するのに問題はないので、捨てずにそのまま使っても大丈夫です。しかしできれば色が変わったりする前に使い切りたいものですよね。
砂糖を上手に保存する秘訣は湿気対策
砂糖自体が湿気をよく吸う性質を持っているため、注意しないとすぐに湿気を吸ってしまいます。砂糖を上手に保存する秘訣は、砂糖が湿気を吸わないように湿気対策をする、ということです。
未開封の砂糖を袋のまま保存しない
砂糖は一般にポリエチレン製の袋に入れられて売られていますが、この袋には空気抜きの穴が開いています。もし砂糖の袋を水で濡らしてしまうと水分が中に入ってしまうので、まず水に濡らさないようにするのは大切です。
また砂糖の袋には空気穴があるので、砂糖は密閉されている状態ではありません。そのため袋のままで長時間置いておくと、においや湿気を吸ってしまいます。また、家の中で保管している穀物、乾物、野菜や果物、小麦粉などには、たまに虫が付くことがあります。気を付けないと、それらの虫が砂糖の袋を食い破ってしまうこともあります。
虫の侵入や、におい移り、湿気を防ぐために、未開封の場合でも袋のまま保存するのは避け、密閉できる容器や袋に入れて常温で冷暗所に保存します。容器に入れていても、できればにおいの強い物と一緒に保存するのは避けましょう。
開封後の砂糖を保存する
砂糖の袋をいったん開けてしまうと、一気に湿気やすくなります。袋から出した砂糖は密閉容器にいれ常温で保存します。容器に入りきらなかった砂糖は、袋の口をしっかりとしめて、密閉できる容器か袋に入れ、常温で冷暗所にて保存します。
砂糖は冷暗所で保存する‼
何度も述べたように、砂糖は、基本、常温で冷暗所にて保存します。冷暗所とは、室内で温度が一定に保たれ、直射日光の当たらない場所のことです。逆に日当たりのいいところだと日中の温度が高くなります。砂糖を入れた容器は昼間でも日の当たらない、温度の上がらない涼しいところで保存するよう気を付けます。
一般に、戸棚の中や流し台の下などが冷暗所に当たります。しかし家によっては湿気がたまりやすい場所でもあるので、除湿剤を置いたり、風通しを良くする工夫が必要です。いずれにしても砂糖を保存する場合は、密閉して湿気を吸わないようにすることが大切です。
砂糖を冷蔵庫で保存するのはどうなのか?
砂糖は冷蔵庫に入れる必要はありません。冷蔵庫の中は乾燥しているので、逆に砂糖にとって苦手な環境です。また、冷蔵庫から出した時の温度差で砂糖の入れ物、もしくは袋が結露を起こす時もあります。そうすると砂糖は湿気を吸ってしまうので固まりやすくなります。
また、砂糖が冷蔵庫の中でにおいを吸ってしまうこともあります。どうしても冷蔵庫に入れて保存したい、冷蔵庫の中が一番安全だ、と思われるなら、やはり同じように密閉できる容器に入れて保存し、におい移りに注意しましょう
砂糖を保存するおすすめの容器
砂糖を保存するのにおすすめする容器は、まずふたの付いた、しっかりと密閉できるものです。下の写真のように、透明な容器は、あとどれだけ残っているかが一目でわかるので、使い勝手がいいかもしれません。ガラスはプラスチックの容器より気密性が高いのでおすすめです。
上の写真は大きめのガラスの容器ですが、だいたいどこの家庭でも、お料理やコーヒー、紅茶などを入れる際に使い勝手がいいように、砂糖を小さめの容器に入れて使っていると思います。シュガーポットとも言います。おしゃれな容器やかわいいものもいっぱいありますが、やはりふた付きの、密閉性の高いものをおすすめします。
中には100円ショップでそろえたり、簡単なふた付きの調味料入れを使っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし密閉性のない容器だと砂糖がすぐに固まってしまいますので、きちんとしっかりふたが閉まるものを使いましょう。また、ふたの閉め忘れにも注意しましょう。
陶器の入れ物もおすすめです。特に素焼きの陶器の砂糖入れは、陶器そのものが湿気を吸ってくれるので、砂糖が固まらずサラサラの状態を保てます。釉薬が塗ってあるので、砂糖が乾燥しすぎないように適度に湿度を保ってくれます。少々値段が高いかもしれませんが、砂糖が固まる悩みを抱えている方は、思い切って買って使ってみるのもいいかも知れません。
また、この写真のように取っ手が付いているとさらに使いやすくて便利です。また、スプーンが脇にセットして置ける容器は、スプーンをいちいち探す手間がはぶけるので便利です。スプーンは、木製のもののほうが陶器のスプーンより割れにくくて扱いやすいでしょう。
砂糖を保存する容器がないとき
砂糖を保存する適当な容器がない時、ジッパーのついた袋に入れるのをおすすめします。砂糖を袋のまま、使いかけなら袋の中の空気を抜いてしっかりと輪ゴムなどでとめてから、ジッパーのついている袋の中にいれ、しっかり閉めます。このようにすると空気を遮断できるので、湿気を吸って固まるのを防ぐことができます。この時、袋と袋の間に小さな除湿剤を一緒に入れておくと効果的です。
砂糖を正しく保存するためのまとめ
砂糖は常温で長期間保存のきく調味料ですが、正しく保存することが大事です。特に湿気を吸わないように密閉できる容器に入れることがポイントです。湿気を吸わないように、乾燥しないように注意するなら、サラサラの状態でずっと使い続けることができます。おすすめの容器は素焼きの砂糖入れですが、密閉できるものなら自分の好みに合った、素敵な容器を選ぶことができます。
毎日のお料理や生活に欠かせない砂糖です。上手に正しく保存して、最後まで味わうことができますように。
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