小学生の子供に寝る暇を惜しんで勉強させていませんか?睡眠不足は百害あって一利なし。まずは小学生の理想の睡眠時間を正確に知ることから始めましょう。また睡眠時間を十分に取ることが小学生の学力と成長にどれほど影響があるか考察します。

小学生に必要な睡眠時間は?学力や成長にどのくらい影響するの?

目次

  1. 「寝る小学生は育つ」は本当?
  2. 小学生の2割は睡眠時間が足りていない
  3. 小学生の理想の睡眠時間は?
  4. 睡眠時間にゴールデンタイムがあった
  5. 小学生の理想の就寝時間は?
  6. 小学生の早寝早起きの利点 体の発達
  7. 小学生の早寝早起きの利点 健康維持
  8. 小学生の早寝早起きの利点 学力の向上
  9. 小学生の睡眠時間不足の弊害
  10. 睡眠不足の身体への悪影響
  11. 睡眠不足の心への影響
  12. 小学生の理想の睡眠時間を妨げる要因
  13. 小学生の十分な睡眠時間の確保に親のサポートは不可欠
  14. 理想の睡眠時間のために小学生を早く寝かせるコツ
  15. 理想の睡眠時間を保ち、健やかで賢い小学生に

「寝る小学生は育つ」は本当?

「寝る子は育つ」といいますが、この言葉は学校に入る前の小さい子供にしか当てはまらないと思っていませんか?育ち盛りの小学生にとっても睡眠は非常に大切です。しかし、今どきの小学生は学業や遊びに忙しく、慢性的な睡眠不足に陥っている可能性が非常に高いと言えます。

実際のところ小学生の理想の睡眠時間はどのくらいでしょうか?十分な睡眠時間をとることが、小学生の学力、感情、体の成長にどれほどの影響を与えるでしょうか?慢性的な睡眠不足に陥っている社会の中で、自分の子供に良い生活習慣を持ってもらうコツは何でしょうか?これらの点を下記に考察していきます。

小学生の2割は睡眠時間が足りていない

今の小学生の睡眠時間は足りているのでしょうか?調査によると不安材料が浮かび上がってきます。睡眠不足を感じていると答えた小学生がなんと約2割もいるというのです。小学生低学年から高学年になるにつれてその割合が高まることも分かりました。では実際のところ小学生はどれほどの睡眠時間を必要としているのでしょうか。

小学生の理想の睡眠時間は?

小学生の理想とされる睡眠時間はどのくらいでしょうか。実は小学生低学年と高学年では微妙に違ってきます。小学生低学年(1年生から3年生)では10時間から10時間半とされています。この時間、予想より多いと感じられた方もおられるかもしれません。

小学生高学年(4年生から6年生)では9時間から9時間半が理想の睡眠時間と言われています。まずはこの理想の睡眠時間をしっかりと把握することが必要です。しかし大切なのは理想の睡眠時間だけではありません。理想の睡眠「時間帯」も小学生にとって大切な要素です。

睡眠時間にゴールデンタイムがあった

小学生の理想の睡眠時間は上述の通りですが、「いつ」寝るかも重要な要素です。カギとなるキーワードは「成長ホルモン」です。成長ホルモンとは体の中で生み出されて分泌されるもので、体の成長を促進するために欠かせない役割を果たします。大人でもこの成長ホルモンは生成されますが、育ち盛りの小学生にとっては特にこの成長ホルモンが大切なのです。

小学生の睡眠時間帯と成長ホルモンの関係

夜の睡眠時にこの成長ホルモンが多く分泌されます。とりわけ成長ホルモンの分泌が多い時間帯は午後10時から午前2時です。そのためこの4時間は「睡眠のゴールデンタイム」と呼ばれています。ですから小学生にとって大切なのはこのゴールデンタイムにしっかり睡眠をとることなのです。

小学生の理想の就寝時間は?

小学生の理想の睡眠時間と睡眠時間帯を把握したところで考えたいのは、理想の就寝時間です。つまり小学生は何時に寝るのが最適かという点です。小学生は学校がありますから、起床時間は朝6時から7時の間でしょう。理想の睡眠時間から逆算すると、小学生低学年の場合、朝7時に起きる場合は午後8時半から9時には就寝する必要があります。

小学生高学年の場合、朝7時に起床するとしたら前日の午後9時半から10時には寝ていなければならないことになります。しかし今は小学生も生活習慣が夜型になり、この理想の就寝時刻に寝るのが難しくなっています。塾に通ったり、夜遅くまでスマートフォンをいじったり…。理由はいろいろあるとはいえ、小学生の理想の就寝時間はあくまで「理想」であって、守らなくても弊害はないのでしょうか?

睡眠時間の確保は最優先事項

自分の小学生の子供にはいろいろやらせたいもの。勉強や遊びなどもたくさんさせたい気持ちは理解できます。しかし心と体の成長にとって大切な小学生の時期に「理想」の睡眠時間が最優先事項であることをしっかり理解することは非常に大切だといえます。それで理想の睡眠時間を守ることの必要性と睡眠不足による弊害を下記に考察していきたいと思います。

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小学生の早寝早起きの利点 体の発達

理想の就寝時間は小学生低学年で午後8時半から9時、小学生高学年で9時半から10時であることは上述した通りです。つまり平たく言うと「早寝早起き」の生活習慣が大切になってきます。この早寝早起きはどれほど重要でしょうか?様々な角度から利点を考えて見ましょう。

身長や筋肉の成長との関係

上述したとおり、「成長ホルモン」は就寝時に特に分泌されます。小学生は身長が伸びたり筋肉が発達する重要な時期ですから、十分に睡眠時間をとって成長ホルモンの働きを促進する必要があります。

子供によって異なりますが、統計によると子供の身長が伸びるピークは男の子で11、12歳前後、女の子は9、10歳前後です。ですから子供の体の成長のために、特に伸び盛りの小学生の時期に理想の睡眠時間を守ることが必要なのです。

小学生の早寝早起きの利点 健康維持

小学生が理想的な睡眠時間の生活習慣を維持することは、健康面でのメリットもあります。睡眠が不足すると、子供がストレスを抱えやすくなります。そうなると自律神経にも障害を与える原因になりますし、情緒が不安定にもなりますからいい事がありません。

睡眠時間の確保は子供の肥満防止にもつながる

意外かもしれませんが、小学生が必要とされる睡眠時間を確保することによって、肥満になるのを抑える働きがあることも分かっています。寝ている時に分泌される前述の成長ホルモンですが、代謝を促し体内の脂肪を分解する働きもあります。ですから子供の睡眠時間が足りないと、太りやすい体質になってしまうと言われています。

子供が寝てばっかりいると太ってしまうのでは、と心配してしまう親もいるかも知れませんが、事実は逆です。「寝る子は太らない」のです。もちろん小学生の肥満の原因はすべて睡眠時間に原因があるわけではありません。それ以外の生活習慣が関係していることも忘れてはなりません。

小学生の早寝早起きの利点 学力の向上

親として、小学生の子供には学力をグングン伸ばしてもらいたいと願うもの。でも「勉強」よりも「睡眠」を優先するのが賢明な親と言えそうです。というのも最近の調査や医学の進歩により、「早寝早起き」の子供が「遅寝」の子供より学力が高いことが分かってきたからです。

小学生を対象とした複数の調査によると、寝る時間が早ければ早い小学生ほど、テストの成績が良いという結果が出ました。また、睡眠時間が長くなればなるほど、テストの点が上がります。ただし、10時間以上寝るとテストの点が下がりました。つまり上記で取り上げた小学生の理想の睡眠時間には裏付けがあるということです。

小学生の学力と睡眠時間にはなぜこれほど関連があるのでしょうか。睡眠が子供の脳に与える影響が大きいからです。十分な睡眠時間を取ることによって脳の働きを正常に保ち、勉強するための意欲や集中力を維持できます。また、論理的に思考する能力を高め、学んだ事柄を記憶する力も向上します。これらは全て学力に直結する要素です。そうです、「寝る子は賢くなる」のです。

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小学生の睡眠時間不足の弊害

当然のことですが、小学生が慢性的に睡眠不足に陥ると弊害が生じます。早寝早起きの生活習慣によって体の成長、健康の維持、学力の向上が促進されることは上述した通りです。良質で十分な睡眠時間が取れないと、この重要なメリットを失うことになるのです。それだけでなく小学生の体と心に深刻な悪影響をもたらすということをわきまえる必要があります。

睡眠不足の身体への悪影響

寝ている間、特に睡眠のゴールデンタイムに「成長ホルモン」は分泌されます。体の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌量が減少すると、身体の成長が遅れるという悪影響を与えることになります。

この成長ホルモンは身体の成長だけでなく、疲労回復のためにも重要な働きをします。ですから睡眠不足によって成長ホルモンが阻害されると、疲れやすくなったり、風邪にかかりやすい、怪我が治りにくいといった深刻な悪影響があります。子供の身体を守るために睡眠時間がいかに必要かが分かります。

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睡眠不足の心への影響

小学生の睡眠不足は身体だけでなく、心にも悪影響を及ぼします。睡眠不足の子供は脳内で感情をコントロールする役割の扁桃体がとても敏感になるようです。そのためイライラしやすくなったり、ストレスに弱くなるといった症状が起こります。さらにうつ病にかかりやすくなるとも言われています。

小学生にとって睡眠不足は「百害あって一利なし」と言えるでしょう。親であれば自分の子供を睡眠不足の弊害から守りたいはず。そのためには睡眠不足の原因と対策を理解する事が必要です。まずは小学生の理想の睡眠時間を阻害する理由を考えてみましょう。

小学生の理想の睡眠時間を妨げる要因

子供の睡眠不足の原因はなんでしょうか。塾や習い事などの学業に忙しいことや、スマートフォンなどの電子機器の使用が一因になっていることは容易に理解できます。小学生も大人と同様忙しい生活を送っているのです。ところが、なぜ睡眠不足になっているかを調査したところ、考え深い結果が見られました。

睡眠時間が不足する本当の理由とは?

なぜ睡眠不足になっているか、子供たちの回答で一番多かったのが「なんとなく夜更かししてしまう」という答え。これといった理由がないのです。そして次に多いのは「家族の生活リズムに合わせた結果、睡眠不足になっている」というもの。ですから小学生が理想の睡眠時間を取るために本当に必要なのは、「親の良い指導と協力」であることが理解できるのではないでしょうか。

小学生の十分な睡眠時間の確保に親のサポートは不可欠

「早く寝なさい」と言っただけでは子供は早寝の習慣を保てません。まずは子供に睡眠の大切さをしっかり教えましょう。子供のうちにしっかり睡眠をとっておかないと、大人になってから後悔することになることを説明することができます。そして就寝時間のルールを子供と一緒に決めて毎日守るように訓練できます。子供のうちから良い生活習慣を保つことは大人になってからもきっと役に立つことでしょう。

子供は親、特に母親の生活習慣に大きく影響を受けます。お母さんが起きているなら自分も寝たくないという子供もいることでしょう。一番の理想は子供と一緒に寝てあげることです。早寝早起きは大人にとっても有益です。とはいえ共働きの家ですと、父親も母親も晩遅くに帰宅しますから、子供と一緒に早寝するのは現実的ではないかもしれません。

子供の生活リズムを配慮する

たとえ子供と一緒に早寝の習慣を持てないとしても、子供が早寝をしやすい生活習慣をサポートすることは可能です。例えば夕食の時間を子供に合わせて早めに設定することは一例です。夕食は就寝の3時間前が理想的です。9時に寝る習慣を持たせたいなら6時を夕食の時間にします。大人にとっては少し早目の食事になりますが、子供にとって良質な睡眠をとるための生活習慣をサポートすることができるのです。

また、子供を寝かせてからも用事を済ませたり、テレビを見たりするかもしれません。子供の寝室まで響く音を出してしまうと子供の寝つきが悪かったり、眠りの質が落ちてしまいます。また大人と一緒に起きていたいと思う子供もいることでしょう。良い生活習慣のために、大人同士の会話や、テレビのボリュームなどにも配慮が必要です。

理想の睡眠時間のために小学生を早く寝かせるコツ

小学生が理想の睡眠時間を維持するために必要なことは何ですか?コツは親が「早く寝なさい」と無理やり寝かせるのではなく、子供が寝るべき時間になったら「自然」に眠れるように助けることです。そのための役立つ提案をいくつかご紹介します。

夕方の時間の仮眠は控える

夕方学校から帰ってきて、疲れて仮眠を取る小学生もいるかもしれません。しかし夕方の仮眠は、夜の寝つきを悪くしてしまいますし、体のリズムが夜型化してしまいます。できるだけ夕方に仮眠をとる習慣を控えさせましょう。仮眠を取る場合は夕方ではなく学校の昼休みがいいこと、また短い仮眠(20分以内)が良いことをお子さんに教えることができます。

部屋の明かりを減らす

寝る30分前になったら部屋の明かりを減らすのも効果的です。人の体は暗くなるとホルモンの関係で眠くなる作用が働きます。ところが日本の一般的な家屋の照明は明るすぎて眠気を遠ざける効果があるのです。明かりの量を調節して子供が眠りやすい環境を整えてあげましょう。間接照明は効果的です。また、寝る前はテレビやスマートフォンの画面の照度を下げてあげるのも一つの手ですね。

運動をさせる

子供が夜になってもなかなか眠れない場合、運動不足が理由として考えられます。食後に散歩したり、一緒にエクササイズをしてみるのはいかがでしょうか。疲れるならば子供は自然と眠ることができます。ただし、就寝の2時間前までに行うようにしましょう。なぜなら運動時には体温が上がり、眠りにくくなるからです。その後徐々に体温が下がっていくことで体が眠りやすい状態になるのです。

理想の睡眠時間を保ち、健やかで賢い小学生に

小学生にとって睡眠がどれほど必要か考察してきました。かけがえのない子供の時期に睡眠の良い生活習慣をつけさせることは、親がしてあげられる最高のプレゼントと言えるでしょう。小学生の理想の睡眠時間を保つため、家族で話し合い、今晩から取り組んでみてはいかがでしょうか。


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