競馬ファンやPOGをされている方は「ヒシマサル」という名を聞くと、競馬全盛期の1991年頃に活躍した「ヒシマサル」を思い出すのではないでしょうか。クラシックには出走していませんが、GⅢレースで勝ち続けていたため競馬ファンやPOGでも話題となっていました。その「ヒシマサル」という名が三代目としてPOGに乗り古くからのファンに懐かしがられました。「ヒシマサル」という名を持つ競走馬についてまとめました。POGをされている方もご参考にして下さい。

ヒシマサル戦績まとめ!三代目に懸けるオーナーの想いとは?

目次

  1. 一代目から三代目までいる「ヒシマサル」
  2. 初代「ヒシマサル」について
  3. 二代目「ヒシマサル」について
  4. 三代目「ヒシマサル」について
  5. 3頭の「ヒシマサル」まとめ

一代目から三代目までいる「ヒシマサル」

競走馬は事情により、同じ名前をつけるのは出来ないことが多いのですが、「ヒシマサル」という名の競走馬は2018年現在まで3頭登録されています。登録された年代は違い、初代から三代目までの「ヒシマサル」がいますが、なぜ同じ名前なのか。「ヒシマサル」という名に懸けるオーナーの思いなど、三代の「ヒシマサル」についてご紹介します。

三代にわたって受け継がれている名前

初代のヒシマサルは1955年生まれの牡馬で、二代目は1989年生まれの黒鹿毛の牡馬、三代目は2014年生まれの牡馬で、三代目のヒシマサルがPOGに乗ったときには、古くからの競馬ファンも驚かれ、懐かしがられました。

初代から三代目のヒシマサルは、それぞれが前代の産駒ではなく血統も違います。ヒシマサルという名前だけが三代に渡り受け継がれていったことになります。三代続けて同じ名前の競走馬もいますが、初代、二代目と有名な名の馬では珍しいことになります。

競走馬の名前について

競走馬の名前はオーナーがつけますが、重賞(G1)レースに勝った馬や著名な名前の馬、父馬や母馬と同じ名前なども付けることができません。GⅡやGⅢレースに勝った馬の名前は、その馬が登録抹消した後10年たたないと同じ名前をつけることはできません。

重賞やGⅡ、GⅢに勝利した馬でなくても、登録されたことのある馬の名前は、その馬が登録抹消されるか死亡した後、5年たたないと同じ名前をつけることはできません。競走馬の名前は様々なルールにのってつけられています。

三代に渡る「ヒシマサル」のオーナー

ヒシマサルは三代に渡って同じ名前が付けられています。初代ヒシマサルのオーナーは阿部雅信さん、競走馬の馬主としては有名な方です。二代目ヒシマサルのオーナーは阿部雅信さんの息子さんである阿部雅一郎さん、ヒシマサルのオーナーは親子二代に渡りました。

2016年、POGでも話題となった三代目ヒシマサルのオーナーは、阿部雅英さん、阿部雅英さんは、初代ヒシマサルのオーナー、阿部雅信さんのお孫さん、二代目ヒシマサルのオーナー阿部雅一郎さんになりますので、ヒシマサルという競走馬は親子3代に渡ってつけられたことになります。

初代~三代目まで同じ名前の競走馬というのも珍しいのですが、その3頭の馬のオーナーが一族というのもかなり珍しい話になります。ヒシマサルという名に懸けてるオーナー族の思いが伝わるのではないでしょうか。今回はそんな「ヒシマサル」という競走馬についてご紹介します。

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初代「ヒシマサル」について

初代「ヒシマサル」の血統

初代のヒシマサルは1955年、昭和30年に生まれた鹿毛の牡馬ですので、かなり古くからの競馬ファンの方でないと覚えがないかもしれません。母馬はカッター、父馬は血統の良いライジングフレームで、父馬の産駒にはアラブ系で唯一サラブレッド重賞に勝利したセイユウや東京ダート2100で30年近くレコードを保持していたゴールドライジンなど、様々な名馬の産駒が生まれています。

初代「ヒシマサル」の戦績

初代ヒシマサルのデビューは1957年の函館、3歳新馬戦で、5着となりました。その後も勝てずには春まで休養することになりました。1958年には東京、4歳未勝利戦に出走、勝利しその後も続けて3連勝しました。NHK杯では4着、ダービーで5着にはなりましたが、中山4歳ステークスからセントライト記念まですべて勝利しました。そのまま菊花賞に出走、5着となりました。

1959年には安田記念、日本経済賞で勝利し、春の天皇賞でも3着と好成績を残しました。1960年、オープン競走に出走後引退し、種牡馬となりました。初代ヒシマサルは生涯成績27戦13勝、1958年には、啓衆賞最良スプリンターも受賞している名馬でした。

初代「ヒシマサル」の産駒

初代ヒサシマルの産駒には、初年度産駒として、ヒシマサヒデがいます。ヒシマサヒデは1962年生まれ、5歳の時に安田記念に出走し勝利したため、親子2代の重賞制覇となりました。ヒシマサヒデは最良スプリンターも受賞しましたので、こちらも親子2代での達成となります。

放牧中のアクシデント

初代ヒシマサルは前述のように1960年6月に引退し、種牡馬となりましたが、3年目のときに、放牧中、当時、柵として使用されていた渦巻き状の有刺鉄線に両脚が絡まってしまいました。ヒシマサルは驚き、それを振り払おうとして暴れたため、脚や腰の肉が有刺鉄線によりそげてしまい、出血多量のため、死んでしまいました。そのため初代ヒシマサルの産駒は、ヒシマサヒデとタクマサルの2頭のみとなってしまいました。

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二代目「ヒシマサル」について

二代目「ヒシマサル」の血統

二代目ヒシマサルは、父馬がセクレタリアト(Secretariat)、母馬がクリームクリムズンです。父馬のセクレタリアトは1970年生まれの燃えるような赤毛と言われた馬で、アメリカ三冠、最優秀2歳牡馬、アメリカ年度代表馬など、数々の記録をもつ名馬でしたので、二代目ヒシマサルはとても血統の良い馬です。

二代目「ヒシマサル」の名前について

前述しましたが、競走馬は重賞レース(GⅠ)に勝利した馬と同じ名前は付けることができません。初代ヒシマサルは安田記念(1959年)に勝利してますので、本来なら同じ名前をつけることは本来ならできません。オーナーの阿部雅一郎さんは、アメリカ屈指の名馬、セクレタリアトの3歳馬をアメリカで購入されました。

購入されたときに不遇の死をとげた「ヒシマサル」という名をつけたかったため、外国で「HishiMasaru」という名で登録したうえで、マル外馬(外国産馬)として日本に輸入されました。中央競馬会も不本意ながらこれを受け、二代目ヒシマサルが誕生しました。ですが同じ名前ですので、血統を表す際には「ヒシマサルⅡ」と表記されています。

二代目「ヒシマサル」の戦績

二代目ヒシマサルは1989年生まれの黒鹿毛の馬です。1991年の新馬戦では8馬身差での勝利、3歳ステークスでは3着となりました。4歳になった1992年には、きさらぎ賞、毎日杯、京都4歳特別とGⅢの3レースを連勝。残念ながら当時は外国産馬のクラシック出走は認められていませんでしたので、皐月賞・ダービーには出ることができませんでした。

1993年のジャパンカップには出走し5着、続く有馬記念にも出走しましたが、9着となりました。5歳時には脚に不安があったため休養していましたが、トバーズステークスに出走、大敗しましたので現役引退となり、種牡馬となりました。

二代目「ヒシマサル」の産駒

二代目ヒシマサルはボールドルーラー血統の馬ですが、日本ではあまり成功していないため、牝馬をあつめることが難しかったため、優秀な産駒は出ませんでした。ただ種牡馬引退後は「引退名馬けい養展示事業」(引退した競走馬の所有者に出る助成金)の対象馬となりましたので、2018年、29歳で老衰のため死亡するまで繁養していました。

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三代目「ヒシマサル」について

三代目「ヒシマサル」の血統

三代目ヒシマサルは、父馬がルーラーシップ、母馬がシェリール、母父馬がサンデーサイレンスと良血統の馬です。兄には2013年の目黒記念で勝利したムスカテールや、POGをされている方に人気の500万以下、1000万以下のレースで活躍したエトランドルがいます。

POGでも話題になった三代目「ヒシマサル」

「ヒシ」の冠名がついた馬はPOGをされている方は良くご存じだと思いますが、三代目ヒシマサルはPOGで「ヒシマサル」の名がのった時からファンの間で話題となりました。二代目ヒシマサルはマル外のためクラシックに出られませんでしたが、同年のクラシック馬に負けない人気の馬でしたので、同じ名の馬に期待された方も多いのではないでしょうか。

レース前にゲートから飛び出すハプニング

2014年生まれの三代目ヒシマサルは、2016年2歳新馬で2着、2歳未勝利でも2着と好成績でファンを沸かせました。2017年6月の3歳上500万下では、ゲートから飛び出して暴走するというアクシデントがありました。

客席からは「ふざけんな」「金返せ」との声も上がりましたが、その後レースは再開され、ヒサシマルがまさかの勝利、増やしてお金を返したというのでファンを沸かせました。このとき騎乗されていたのは、武豊さんです。

2018年7月に引退

三代目ヒシマサルは、2018年4月白鷺特別(1000万下)で勝利しましたが、7月の木曽川特別の後11日には、登録抹消され引退となりました。引退理由は明らかにはなっていませんが、引退後は滋賀県で乗馬になるということですので、騎乗する機会もあるかもしれません。

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3頭の「ヒシマサル」まとめ

3頭の「ヒシマサル」についてご紹介して参りました。初代から三代目までのヒシマサルはオーナーも三代続いての命名ということで「ヒシマサル」という名への思い入れがとても強いのがわかるのではないでしょうか。三代目ヒシマサルは引退となりましたが、いつか四代目ヒシマサルが誕生するのが楽しみな、競馬ファンにとってもロマンのある名前です。


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