年末が近づいてくると年賀状の準備をされることと思います。会社がすべて出す場合もありますが、それだと同じような年賀状が多いので受け取った方の印象にも残りにくくなります。ビジネスや上司に送る年賀状は、一言添えたりすると良いでしょう。ビジネス用の年賀状を送る際の基本的なマナーや一言添える際の注意点などをまとめました。ビジネスや上司に年賀状を書く際にはご参考にして下さい。

目次
ビジネス用年賀状の基本的なマナー
友人同士では近年年賀状を出し合うようなことは減っていると思いますが、ビジネス用の年賀状は会社が用意し、出すようになっていると思います。今回はビジネス用の年賀状を出す際の宛名のマナーや、取引先に印象に残るような一言の添え方などをご紹介します。
新年に年賀状を送る意味
年賀状の歴史はとても古く、新年の年始回りをしていた奈良時代から平安時代に、年始に行くことの出来ない遠方の方への挨拶を、手紙に書いたことが始まりと言われています。年賀状は韓国や中国にも似たような風習がありますが、日本で特に多く、欧米では年賀状を送るようなことはありません。
年賀状は「新しい年に今年もよろしく」という意味と、送る相手の「幸せな一年になりますように」という祈りの意味があります。近年、メール等で新年の挨拶をすませる方も多くなりましたが、ビジネス関係ではまだ年賀状を出されると思います。相手の幸せを祈る意味もありますので、同じ文章の使い回しだけでなく一言添えるのが良いでしょう。
メールやグリーティングカードは?
年賀はがきではなく、メールや無料で使用できるグリーティングカードを送る方もいるかもしれませんが、グリーティングカードはビジネス向きではありません。プライベートの仲間にだけ送るようにしましょう。また、一斉メールなどでの新年の挨拶も相手方がそうされているのでなければ、やめるほうが良いでしょう。
喪中の場合のビジネス用年賀状は?
自分の身内に不幸があり喪中だった場合ですが、あくまで個人的なことになりますので、ビジネス関係の方には喪中葉書を出すようなことはありません。ビジネス関係の方でも、会社でなく自分自身を年賀状を送りあっている方の場合は、喪中葉書を出します。
写真入りの年賀状は?
家族写真入りの年賀状も流行っていますが、ビジネス用には使用するのはやめましょう。ビジネス用年賀状に使用する写真は、お正月らしい風景写真などが良いでしょう。また、自分自身の顔写真を入れてもらえるようなビジネス年賀状も増えています。送る相手方によっては使用するのも良いでしょう。
ビジネス用年賀状は元旦に届くように!
年賀状は元旦に届くのが礼儀です。ビジネスの相手が年輩の方の場合は、遅れると失礼に当たりますので、年賀状は必ず元旦に届くようにしましょう。いつまでに出せば必ず元旦に届くのかは、郵便局のサイトで確認し、期日ギリギリに慌てないよう余裕を持って作成しておきましょう。
ビジネス用年賀状の賀詞について
「賀詞」はお祝いの言葉のことで、年賀状に限らず「寿」や「禧」「吉」なども賀詞です。年賀状に使用される賀詞も様々ですが、ビジネスや目上の方に使うのにはマナーがあり、使って良い賀詞と使ってはいけない賀詞がありますので注意して下さい。
ビジネス用年賀状に使用できる賀詞
ビジネス用の賀詞は、基本「謹賀新年」「恭賀新年」「慶賀新春」などの四文字や、「謹んで新年(初春)のお祝いを申し上げます」や「新春を寿き謹んでお喜び申し上げます」「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」などの文章の賀詞が良いでしょう。
ビジネス用年賀状に使用できない賀詞
ビジネス用の年賀状の賀詞で使用しない方が良いのは、「寿」や「春」など一文字の賀詞や、「迎春」「賀正」「初春」「慶春」といった二文字の賀詞です。これらは目上の方が目下の方相手に書く言葉ですので、ビジネス用には使用しないよう注意が必要です。
入院中の上司や被災した取引先に送る年賀状
入院されていたり被災にあった方に対しての年賀状は、おめでたい言葉を使用することができませんので「謹んで年頭の御挨拶を申し上げます」「謹んで初春の御挨拶を申し上げます」などといった年賀状なら使用できます。また、年賀状でなく日にちをずらして「寒中お見舞い」を出すのも良いでしょう。
重複表現には注意しよう
年賀状でよく間違いがちなのが、重複表現になることです。ビジネス用だと「新年あけましておめでとうございます」という賀詞は「新年」と「あける」が重複になっているとも言われていますので使わない方がよいでしょう。
ビジネス用以外でも「賀正」「迎春」などの賀詞の後に「あけましておめでとうございます」や「新年のお喜びを申し上げます」などと書くのは重複になりますのでマナー違反です。年賀状を書く際の基本として覚えておきましょう。
忌み言葉と句読点はマナー違反
年賀状を書くときの基本マナーとして「忌み言葉」を使わないというのがあります。忌み言葉は「去る」「落ちる」「切る」「倒れる」「失う」などといったものですが、特に注意したいのは「去」という文字です。「去年はお世話になりました」はマナー違反です。「昨年」「旧年」といった言葉に変えましょう。
年賀状の基本マナーとして「句読点は入れない」があります。一言書く文章でつい「、」や「。」を入れがちですが、本来正式な日本語では基本「句読点」は使用されません。また「句読点」は「終わり」と同じ意味になりますので、年賀状にはふさわしくないので使わないように注意して下さい。
ビジネス用年賀状の宛名書きについて
宛名は手書きで書こう
近年では年賀状は印刷が多くなり、宛名も印刷してポストへ入れるだけとなっていますが、ビジネス用の年賀状では宛名は手書きで書くのがマナーです。手書きは筆ペンで書くのが望ましいのですが、筆ペンが苦手な方は黒のボールペンを使用しましょう。字の上手い下手ではなく、丁寧に書くことが基本です。
住所の書き方の基本
ビジネス用年賀状の宛名は必ず縦書きにします。住所を書くときは、略したりせず都道府県から書くようにしましょう。また番地などの数字は漢数字を使用します。番地が二けたの「22」などは「二十二」と書きます。住所は区切って書き、宛名の「様」よりも下にならないようにします。ビルの名前などは少し小さく書くとバランス良くなります。
宛名の書き方の基本
宛名の書き方の基本は、「株式会社」も「(株)」と略すのはマナー違反です。会社名よりも小さな字で「株式会社」と書きます。ビジネス相手の役職は宛名の上に書きます。「部長」「課長」なら1行で書きますが「取締役 社長」などの場合は宛名の上に2行に分けて書きましょう。また、敬称に「様」をつけるのはマナー違反です。
宛名は年賀状の真ん中に名前を書きます。名前が一番大きくなるようにしましょう。宛名の文字の大きさは、名前>役職・会社名>住所>ビル名の順になります。慣れない方は最初に宛名の個人名から書くと良いかもしれません。
ビジネス用年賀状も一言添えて!
ビジネス用年賀状は枚数も多いので印刷されている方がほとんどだと思います。そのため受け取った側も差出人は見ても、年賀状としてはどれも似通った物に見えて、印象に残りません。ビジネス用の年賀状には、短い文章でも良いので手書きで一言添えて置くと相手の印象に残り易くなります。
「今年もよろしく」は?
年賀状に一言書くのに一番多いのが「今年もよろしく」の文章だと思います。もちろん手書きでの「今年もよろしく」は良いのですが、相手が取引先だとあまり印象には残りません。できればもう少し違った一言を添えるのが良いでしょう。
ポジティブな一言を添えよう
友達ではないので、一言添えるのも難しいかもしれませんが、ポジティブな言葉を添えるのが望ましいです。まだ新入社員の方だと「仕事は厳しいですが面白さも感じるようになってきています」といったような一言が良いでしょう。「仕事が面白い」だけだと「それほど甘くない」と思われるかもしれませんので、「厳しい」という意味合いの言葉をいれるのがポイントです。
ビジネス用の年賀状は自分自身の「目標」や相手に対して「感謝」の言葉などを一言添えると、印象に残り易くなります。「御満足いただけます様精進してまいります」や「昨年同様ご指導ご鞭撻のほど…」「ご指導に深く感謝して…」などの一言を手書きで添えてみましょう。
誤字や脱字にも注意しよう
年賀状の宛名書きや一言を書くときには、誤字や脱字には十分注意しましょう。宛名の住所・氏名などは登録されていると思いますが、それが間違えている場合も多いです。相手方の部署移動や、同じ方が2度リストに登録されていないかなど、今一度リストを見返してみましょう。また、修正ペンを使用するのはマナー違反です。間違えたら新しい葉書に書き直しましょう。
ビジネス用年賀状の基本的なマナーまとめ
お年玉付き年賀状と普通の葉書
年賀状の葉書にはお年玉付きと普通の葉書があります。普通の葉書の場合は切手は正月用の切手を使用し、曲がらないように貼ります。切手の下側には赤い字で「年賀」と書くのを忘れないようにしましょう。
ビジネス用年賀状は、できればお年玉付きの年賀状を出すのが良いでしょう。お年玉付きだと抽選がありますので、その際にもう一度年賀状を見てもらえることになります。当たるか当たらないかはわかりませんが、もし当たればさらに印象に残ることになります。
年賀状を書いてみよう!
ビジネス用年賀状の基本的なマナーについてご紹介しました。年賀状は減ってきてはいますが、未だ正月の風物詩となっています。年賀状を書くことは社会人としての常識を知る機会でもあります。年末は忙しいので慌てないよう少しずつ用意して書いてみましょう。
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