最近、原付二種のバイクが普通自動車免許で乗れるようになるのではないかという噂が出ていました。これが事実であれば、原付二種への関心が高まり、かつ第一種原付と同じように乗れるようになるわけですから、業界にとっても大きな変化となるでしょう。ということで、原付に種が普通自動車免許で乗れるようになったのか否かやおすすめの原付二種バイクの種類、そしてその維持費などについてまとめてみました。

目次
原付二種が普通免許で乗れる?おすすめの種類や維持費などを紹介
皆さんは原付二種というバイクの免許の種類をご存じでしょうか。原付二種のバイクは50㏄以上から125㏄までの排気量のものを言い、公道で走行するには小型自動二輪免許が必要でした。50㏄の原付一種よりも便利な面が多いですので、通勤や通学等に使いやすいバイクとなっています。
そんな原付二種のバイクに、普通自動車免許で乗れるようになったという噂があります。今までは普通自動車免許で乗れるのは原付一種、50㏄以下までのバイクでしたが、もしこれが本当であれば普通自動車免許で乗れる車両の幅が大きく広がることになります。
それでは、果たして本当に普通自動車免許で原付二種に乗れるようになったのでしょうか。また原付二種のバイクの中でおすすめの種類のものや実際に使用する際の維持費などはどうなっているのでしょうか。ということで、原付二種に普通免許で乗れるようになったのか否かやおすすめの原付二種のバイクの種類、維持費などについてご紹介します。
本当に普通免許原付二種に乗れるようになったのか
それでは早速本題である、普通自動車免許で原付二種に乗れるようになったのか否かについてご紹介しましょう。結論から言いますと、現段階では普通自動車免許の取得に伴って原付二種のバイクに乗れるようになったわけではありません。残念ながら、まだ普通免許に原付二種のバイクに乗るのに必要な小型自動二輪免許は付帯されていないのです。
原付二種免許が普通自動車免許に付帯されるようになる、つまり今までの原付一種の付帯から125㏄までの原付二種までに付帯する幅を広げようという動きは、実は結構前からささやかれていました。原付一種の免許は道路交通法の法令テストを受け、そのテストに合格すれば原付一種に乗ることができるようになります。
取得にかかる時間が最も短く実技による検定といったものもないということで、最短で取得できる身近な免許といった感じがありました。普通免許の取得の家庭でも第二段階で1時間エンジンをかけたりすこしアクセルを開けて走ってみたり、希望の人は実際にコースを走ったりすることができます。
しかし、原付二種まで付帯できるようにするとなると話は違ってきます。原付二種には、後述するおすすめの種類にあるように意外と様々な種類のバイクがそろってきています。特に最近は、普通自動二輪免許で乗れる250㏄や400㏄などの中型バイクや、125㏄のバイクにもメーカーが力を入れてきているのです。
加えて教習所でもクラッチ操作が必要になる小型二輪限定と、クラッチ操作なしのモデルに限ったAT小型限定免許では、どちらも普通免許を始めとした他の運転免許証を持っていない場合で、技能の教習時間に3時間の差があります。つまりは、それだけちゃんと実技を受けなければ危険であるというわけです。
それを普通自動車免許に付帯しようというのは、少々無理がある話でしょう。仮に付帯させようとしても、前述のとおり小型二輪免許の取得には相応の技能教習が必要になりますから、それを普通自動車の実技などと合わせようとすると総教習時間が大幅に伸びそうですので、残念ながら実現はできないようです。
普通免許付帯は無いが原付二種の最短教習日数が短縮された!
普通自動車免許には、残念ながらいまだ小型限定二輪免許の付帯はされていませんでした。では何も変わらなかったのかと言われれば、勿論変わったことがあります。それが、小型限定二輪免許の取得に必要な教習の最短日数が短縮され、卒業までの日程が短くなったということです。
例えば、普通自動車免許を所持しているときにAT限定の小型二輪免許であれば、技能の総教習時間が8時間で、1段階が5時間、2段階は3時間に学科の教習が1時間あります。これがAT限定ではなくクラッチ付きの小型二輪限定免許あれば技能の教習に3時間が追加され、総教習時間は学科を含めて13時間となります。
道路交通法施行規則の変化により一日の教習時間が増える
原付二種免許の教習時間をご紹介したところで、次は具体的にどこが変化したのかをご紹介しましょう。自動車学校の教習時間などは、道路交通法施行規則という規則によって定められています。道路交通法施行規則では、教習を受ける教習生の疲れ具合などを鑑みて、技能教習を1日に受けられる時限数や、連続して受けられる時限数が定められています。
例えば普通自動車免許などの一日の技能の教習を受けられる上限は一段階であれば2時間、二段階であれば連続せずに3時間という風になっていますが、これも道路交通法施行規則によって決められていることなんです。こういった道路交通法施行規則があるために、今までは普通自動車免許を持っている方がAT限定の小型二輪免許を取得使用とすると、最低でも3日間はかかるようになっていました。
そして、今回道路交通法施行規則の改定が成され、1日に受けられる技能教習が最大で3時間から4時間へと増加ししました。これによって、最短で取得できる期間を短くすることに繋がりました。第一、第二段階とも上限の教習時間は変わりませんが、1日の合計の時間数が4時間となったため、AT限定の原付二種免許であれば最短で2日で取得できるようになったのです。
なぜ原付二種免許の取得が容易になったのか
原付二種免許の取得に関して最短日数が短くなったということをご紹介しました。では、なぜ原付二種免許の取得日数が短くなったのでしょうか。二輪系への興味が薄い方は、2日も3日も変わらないのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この原付二種免許の取得日数短縮には、50㏄以下の原付一種のバイクの売り上げの低下が背景になっているのだそうです。原付一種の50㏄以下のバイクはかつては国内の2輪販売のうち4割を占めるほどに好調な売り上げを誇っていました。事実気軽に乗ることができ自転車等のように体力を消耗することも少ないので、便利であるのは今も変わりません。
しかし、現在50㏄以下の原付一種バイクの売り上げは低下していっています。最も大きいのはバイク人口の減少と言われており、加えて燃費や排ガスの規制などによって生産、および販売の中止に繋がってしまったモデルも少なくなく、例えばホンダの「モンキー」という種類のモデルはかつて50㏄で大きな売り上げを誇っていましたが、現在生産が中止されています。
加えて50㏄の原付一種という規格は日本にしかないもので、海外への展開が難しいといった問題もあります。大型の排気量のものなどは「海外向けモデル」という種類のものとして海外での販売を前提としたものになっており、それを日本国内で販売する逆輸入車というモデルも結構存在しています。
少し話が脱線した感がありますが、ともかくこういった50㏄原付一種への風当たりが強くなったことにより50㏄以下のバイクの展開が厳しくなってきたのです。そして原付一種の需要が低減しているのには、実際に走行する際の様々な規制も関わってきているのです。
原付一種は交通弱者なために需要が低減している可能性大
原付一種のバイクの需要が低減している可能性として考えられるもう1つの理由が、実際に行動を走行する際の様々な規制です。原付一種と二種の違いを比べてみると、原付一種の50ccがいかに交通弱者の扱いを受けているかが顕著に浮かび上がってきます。
まず原付一種は、公道を走行する際法定の最高速度が30キロとなっています。大抵の道路は40キロや50キロ、バイパスのような広い道路であれば60キロになっていますから、原付一種のバイクはまず交通の流れに乗ることができません。そして右折レーンが設けられた大きな交差点で右折する場合、教習所でも教わった通り2段階による右折を強いられてしまいます。
加えて2人乗りも禁止されています。流れの早い道路で30キロをキープしなければならない原付一種は下手をしなくても流れに乗れる他のバイクよりも危険性が高くなっており、実際に走行してみるとその怖さが実感できるのだそうです。
いいとこづくめの原付二種の特徴など
そんな原付一種に対して、原付二種はどうなっているのでしょうか。まず法廷最高速度ですが、これは一般の普通自動車と同じ60キロとなっていて普通に交通の流れに乗ることができます。右折の際は原付一種のように二段階右折をする必要もなく、他の車と一緒に右折レーンに入っていっても何の問題もありません。
加えて二人乗りも免許を取得してから一定の年月が経過すれば初心運転者期間を卒業してできるようになります。スクーター系のバイクであればシート下にタンデム用のヘルメットを入れておき、誰かを乗せて走ることができるようになるわけです。ここまででも原付二種が一種と比べて自由に走行できることが分かるでしょう。
原付二種のメリットはまだまだあります。例えば125cc以上の普通二輪免許で乗れるバイクを新車購入するとなると、通常30万程度は最低でも必要になってきます。が、125㏄以下であれば新車で20万円程が平均となっており、新車価格が安いことも大きな特徴です。
新車価格は50㏄以下の方が安いものは安いですが、原付一種の高性能なものと二種の通常なモデルを比較すると二種の方が安いものもあります。また燃費も非常に良く、原付一種も1リットル50キロくらいのものはザラにありますが、二種の方もスクータータイプのもので40~60キロは走ることができ、スポーツタイプのものでもそう変わらない燃費の良さとなっています。
任意保険の安さも原付二種の魅力
保険が安いので維持費も安く済むというメリットも
原付二種のバイクの大きなメリットはもう1つあります。それが任意保険に関するもので、任意保険とはバイクに限らず車両に乗るのであれば必ず加入が必要になる自動車損害賠償責任保険、通称「自賠責」と違い所有者が任意で加入する保険です。バイクは車と違い身体が露出しているので危険性が高いですから、加入しておくのを強くおすすめされています。
そんな任意保険ですが、もし自分が車を所有しており任意保険に加入しているのであれば、大抵ファミリーバイク特約というものに入っています。このファミリーバイク特約というのが125㏄までのものをカバーしているので、保険に入っていれば単独で加入するよりはるかに安い、つまり保険に関する維持費がまず少なく済むのです。
原付二種のちょっとしたデメリット
たくさんのメリットを持つ原付二種ですが、デメリットも少しあります。例えば何度もご紹介している通り小型二輪免許が必要であるということ、そして中古車の玉数が少ないということが挙げられます。125㏄のバイクは前述のように多くの良い点を持っているため、手放す人が少ないのです。それは実際に使用してみても便利であるということの裏付けでもありますが。
そして、通れない道もいくつかあります。高速道路や自動車専用道路といった道路は普通自動二輪、つまり125㏄以上のバイクでなければ通行できず、遠くまでのロングツーリングには不向きです。また海峡大橋などの少々特殊な道路も通行制限がかかっている場合が多いです。
実際の原付二種バイクの維持費はいくらくらいか
続いては、原付二種の実際の維持費、費用などについてご紹介していきましょう。原付二種は、普通自動二輪や大型二輪などよりも維持費が非常に安く済んでいます。例えばバイクには必ずかかる軽自動車税ですが、原付二種の区分である51㏄から90㏄は2000円、91~125㏄は2400円です。126から250までが3600円、それ以上は6000円となっていますので、自動車税の安さが顕著です。
自賠責保険も50㏄~125㏄は1年で7500円、251㏄は8290円で、3年だと125㏄以下は12340円、251㏄以上は14690円と2000円以上の違いがあります。またご紹介しました通り原付二種は一種に次いで燃費が良いため、ガソリン代も普通二輪などと比べて安く済みます。このように原付二種は普通、大型二輪等と比べても維持費がとても安くなっているのです。
ちなみに、小型自動二輪免許の取得に関する費用ですが、免許がない場合は約8万円程度になっています。比較対象として普通自動二輪であれば9万円ほど、大型二輪であれば普通二輪免許持ちの場合6万円前後になります。小型二輪も大型二輪のように他に免許を取得していれば安くなりますし、AT限定にすれば更に取得費用が抑えられます。
種類別おすすめの原付二種バイクをご紹介!
ここからは、原付二種のおすすめのモデルを種類ごとにご紹介していきましょう。まずはスクータータイプのおすすめモデルからで、スクータータイプのバイクの持ち味はなんといってもATなので運転が非常に楽であるということです。加えて他の原付二種のバイクの種類と違いシート下に収納スペースがありますので、荷物があっても問題なく乗ることができます。
そんなスクーター系統の原付二種でおすすめなのは、ヤマハの「NMAX125」です。2016年3月に日本での発売が開始され、ブーメラン形状のカバーを両サイドに採用している、ヘッドライト周りのフェイスマスクも近未来的になっているなど、スタイリングも現代的なスクーターです。
NMAX125には125㏄のバイクには珍しくABSが表標準で装備されているため、安全性の高さがより際立っている他、最高出力12ps/7,500rpm、最大トルク12N・m7,250rpmと、原付二種クラスではトップクラスのパワーを発揮するエンジンを搭載していることも大きな特徴です。
スクーターならホンダの「PCX」も
スクーターの種類であれば、ホンダの「PCX」もおすすめできます。水冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載し、最高出力は12馬力、最大トルクは12N・m8500rpmとNMAXに勝るとも劣らないパワーを持っています。加えてPCXは、ヘッドライトを始めとした灯火類がすべてLEDとなっています。
燃費も125㏄の例にもれず非常に良いようで、40キロ以上は確実に走ってくれるようです。またUSB電源も標準で搭載されているので、スマートフォンの充電も思い通りにできます。
125㏄フルカウルスポーツ「GSX-R125」
125㏄のバイクにも、スポーツタイプといわれる種類のものも少なからずモデルがあります。そして風よけなどを備えたフルカウルスポーツと呼ばれる種類の125㏄バイクも、最近になって盛り上がりを見せています。そんな中でおすすめなのが、スズキ「GSX-R125」です。
スズキのフルカウルスポーツモデル「GSX-R」シリーズは1000、750、600とどれも大型二輪ばかりですが、ご紹介するGSX-R125はその末弟に当たるモデルです。ヘッドライト等の灯火類はLED、カウリングも空力効果を強く考慮した形状となっており、スズキのGSX-Rを名乗るのに不足無い仕上がりになっています。
装備重量も134kgと、フルカウルスポーツでありながら125㏄クラスの軽量さも発揮しています。価格は約38万円程度と125㏄クラスでは高級な部類に入りますが、ABSを標準装備しているなどその価格相応に装備も充実しています。
同じく125㏄フルカウル「YZF-R125」
125㏄フルカウルスポーツの先駆けとなったのが、ヤマハ「YZF-R125」です。最高出力15ps/9,000rpm、最大トルク12.24N・m8,000rpmというハイスペックさ、そしてR1、R6、R25などのヤマハのYZF-Rシリーズの末弟という知名度の高さも人気を集める理由となっています。
日本では並行輸入車としてプレスト・コーポレーションが販売しており、新車販売価格474,120円とGSX-R125よりも高めの値段でありながら売上は好調のようです。加えて2014年にはモデルチェンジが成され、桃李つフロントフォークの採用やカウルデザインの一新がされ、より高級感とスポーツ性のあるモデルへと進化しました。
125㏄で安定の人気を誇るオフロード「KLX125」
125㏄であればオフロードが非常に大きな人気を集めています。オフロードが主役となるのは林道などの狭く舗装されていない道。そんな中でもっとも生きるのは125㏄のモデルです。その中でおすすめなのは、カワサキ「KLX125」です。
最高出力は10.2ps/8,000rpmと突出したパワーを持っているわけではありませんが、オフロードであればむしろちょうど良く、シート高も830㎜とオフ車らしいですが足つきは悪くなく、身長が160センチある方であれば問題なく走行可能なようです。
新車販売価格は税込みで348,840円、中古であれば20万円前後で購入できる手ごろな価格も魅力で、インジェクション車ですのでオフロードのみならず、通勤通学などでも便利な足となるでしょう。
ネイキッドタイプも熱い!「Z125pro」
最後はネイキッドタイプの125㏄バイクです。バイクの種類において定番といえるほど人気の高いネイキッドタイプ。最近は125㏄でもストリートファイターと呼ばれる部類に入るニューモデルが登場しています。例えばカワサキ「Z125」は、カワサキの「Z」シリーズのこれまた末弟のモデルです。
全長1,700mm×全幅750mm×全高1,005mmと非常にコンパクトであり倒立式フロントフォークや前後ペダルブレーキといった特殊な装備も売りとなっています。ミッションは4速リターン式で操作もガチャガチャと忙しくなることなく、軽い車体を街中で存分に生かすことができます。
スズキ「GSX-S125」も大人気のモデルに
国内のストリートファイターモデルといえば、スズキの「GSX-S」シリーズがあります。125㏄にもそのモデルが存在しており、エンジンとフレームはご紹介した「GSX-R125」がベースとなっているので、車格も125㏄とは思えないほどになっています。
新車価格は354,240円と「z125」とほぼ同価格、「GSX-R125」と同じくABSが標準装備になっています。灯火類もすべてLEDと、スポーティーかつ日常での扱いやすさを兼ね備えたおすすめのモデルとなっています。
まとめ:原付二種は最短教習日数が短くなっていた
原付二種が普通免許に付帯されたのか否かやメリットデメリット、維持費やおすすめのモデルなどについてご紹介しました。原付二種はいまだ普通免許に付帯されているわけではありませんでしたが、道路交通法施行規則の改正により自動車学校での最短教習日数が短縮され2日で取得可能になっていました。
また、原付二種の維持費やおすすめのモデルなどについてもご紹介しました。原付二種は維持費が中型バイクなどと比較しても非常に安く、ファミリーバイク特約などを使えば保険代などの維持費も安く抑えることができます。維持費が安くかつとても便利なのが原付二種のいいところです。
モデルに関しても、原付と言って大抵の方が思い浮かべるスクータータイプ以外にも「GSX-S125」や「YZF-R125」、「KLX125」などといったスポーツモデルやオフロード車もラインナップが増加しています。125㏄バイクに興味のある方は、是非自分の気に入るモデルを探してみましょう。
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