僧帽筋のストレッチには、肩こりなどをほぐす効果があります。筋膜リリースも、筋肉を包む筋膜が癒着している状態から本来のかたちへ戻すことで同様に身体がほぐれるもの。不調が解消されるように、僧帽筋ストレッチの正しいやり方をマスターしましょう!

僧帽筋ストレッチでほぐす!肩こりにも◎筋膜リリースのやり方も紹介

目次

  1. なかなか解消されない肩こり
  2. 僧帽筋ストレッチの効果って?
  3. ストレッチで僧帽筋をほぐすときの注意点
  4. 「原因」に働きかける!僧帽筋上部のストレッチ
  5. こりを予防する僧帽筋中部・下部のストレッチ
  6. 顔のたるみにも効く?僧帽筋のストレッチ
  7. ストレッチポールで僧帽筋のトレーニングになる?
  8. 筋膜の状態が僧帽筋ストレッチのポイント?
  9. 注目の僧帽筋ストレッチ?筋膜リリースのやり方と効果
  10. 慢性化するこりには継続的なケアを

なかなか解消されない肩こり

肩こりは、誰でも一度は見舞われるといっても過言ではない症状。過去に厚生労働省が実施した調査でも、男女問わず自覚している症状としてトップクラスの多さでした。

実際に肩こりという症状の定義があるわけではないことが、また難しいところ。つまり、個人によって「肩こり」の感じ方には違いがあるのです。肩こりが起こる原因としては首から肩、背中へかけて広がる僧帽筋の緊張。僧帽筋は、重みのある頭を支えていることに加え腕を使うにも用いる筋肉です。

僧帽筋の緊張している状態が続くと次第に疲労が蓄積されて硬くなっていき、血管が圧迫されることで血流も悪くなって肩こりになります。僧帽筋の緊張は肉体の負担だけでなく、精神的なストレスなどによっても引き起こされることが厄介。まったく心身に負担がかからない生活を続けることは困難であり、つまり肩こりも簡単に解消することができるものではありません。

僧帽筋ストレッチの効果って?

肩こりを解消しようとして肩もみをすると、「揉み返し」の痛みを覚える場合があります。これは肩こりを何とかしたいからと無理に刺激を与えることで、筋肉に炎症を起こしてしまうのです。そこで、こりの原因になっている僧帽筋をストレッチすることが効果的な対策になります。

僧帽筋は緊張して血行不良の状態になっていますから、ストレッチをすれば血行が改善されこりも改善される効果を期待することが可能。それだけではなく、実は僧帽筋に疲労が溜まっていると頭痛も引き起こされる場合が。ですから頭痛の理由が血行の問題であれば、僧帽筋をストレッチすることでこれも改善効果があり得るわけです。

同様に、眼精疲労への効果も。僧帽筋と頭や目はまったく関係しないようなイメージですが、僧帽筋のストレッチひとつで幅広い効果がもたらされることになります。

ストレッチで僧帽筋をほぐすときの注意点

僧帽筋ストレッチは、身体をほぐす目的で行うもの。ただ、僧帽筋に疲労が蓄積されている状態でストレッチをしたときには関節があまり伸びないことがあります。また、痛みが感じられることも。

これはそれだけ僧帽筋が疲れをかかえている証拠ですから、注意点として何とか筋肉をほぐすためにと無理にストレッチを続けることは良くありません。あくまでも僧帽筋をほぐすことができるよう、無理のない範囲でストレッチするように心がけましょう。

また、筋トレなどもそうですがストレッチの「形」ばかりを意識しすぎて実際に僧帽筋をほぐすことができていなければストレッチとして意味はありません。ストレッチの「ポーズ」だけでは、効果を期待することもできないのです。頭には、筋肉をほぐすイメージが常にあるように注意しましょう。

「原因」に働きかける!僧帽筋上部のストレッチ

僧帽筋と一口にいっても大きなものであって、厳密には部位が分かれています。肩こりを引き起こす直接的な原因となる部分は、僧帽筋上部線維。この筋肉が、肩甲骨や鎖骨を上げる役割を担っているのです。

この僧帽筋上部をストレッチするにあたっては、立った姿勢で行うことが効果的。このストレッチは筋肉をやわらげる目的で行うものですから、身体をリラックスさせるように意識しましょう。その上で、背中の方に片手を回します。イメージとしてはひじのあたりから直角に反対側のひじへ向けて手を伸ばす感じで、手の甲を背中につけるようにします。

もう片手は上から頭を押さえ、傾けます。右手で頭を押さえるときは、頭の左側を押さえて右側へ傾けるようになります。ストレッチですから、傾いた首のところから肩にかけてがしっかり伸びるように意識することがポイント。手を背中へつける動作がつらいからと肩が上がってしまうと、ストレッチ効果が半減してしまいます。

こりを予防する僧帽筋中部・下部のストレッチ

僧帽筋下部線維は、肩甲骨を下げたり身体の内側へ向けて引き寄せるようにしたりする動作にかかわっています。そして中部・下部僧帽筋は、上部僧帽筋を支える意味でも重要なもの。肩こりを予防する上では、僧帽筋中部・下部もしっかりストレッチしなければなりません。

このストレッチを行う場合は椅子に座ることが効果的で、その際には足をめいっぱい開いた姿勢を心がけます。手は、膝に乗せます。そのまま上半身をひねっていくのですが、ここでひじが曲がってしまうと効果的なストレッチになりません。

しっかりひじを伸ばし、急がず5秒程度をかけながら肩を前へ出すようなイメージで伸ばすことで良いストレッチになります。この姿勢をとることが難しい場合は、片手でもう片方の肩を持ってくるようにして伸ばしてもストレッチ効果は十分あります。

顔のたるみにも効く?僧帽筋のストレッチ

年齢とともに、顔のたるみはどうしても気になってくるもの。その対策としてよく表情筋のトレーニングが推奨されているのですが、実は僧帽筋も身体の後ろから顔を引き上げるはたらきを担っています。猫背の姿勢でいる時間が長いと僧帽筋に負担がかかってこりもひどくなり、そのはたらきが失われて表情筋のはたらきをも阻害。そのために、顔のたるみが起こってしまうのです。

ですから僧帽筋を正常に機能させるためにも、ストレッチには大きな意味があります。生きている以上、僧帽筋は必ず使うものですからストレッチも習慣にしたいところ。

継続的なストレッチによって、僧帽筋が本来のパフォーマンスを発揮します。それによっておのずと表情筋の動きも良くなり、トレーニングの効果も増すことに。かかわりをイメージしにくい僧帽筋のストレッチが顔のたるみを解消することへつながるのですから、人間の身体は本当に複雑なものです。

ストレッチポールで僧帽筋のトレーニングになる?

首のこりが感じられる場合にもやはり、僧帽筋はその要因としてかかわっています。正確には肩甲挙筋や頸板状筋など、そのほかの筋肉とともに関係しているということになります。

そこでその対策としてストレッチが効果的であるのですが、さまざまな筋肉に作用するストレッチを行う上ではストレッチポールを活用すると良いでしょう。ストレッチポールと言えば、さまざまなトレーニングに取り入れられることが多くあるもの。

ポールをタテにしている状態でそこへ背中を乗せると、肩や首は宙へ浮いている状態になります。言ってみれば寝ているときにも肩などは布団に接していて、首まわりがそれを支えているわけです。ストレッチポールに乗るとその部分から力が抜けますから、ちょっとしたストレッチでも大きな効果が期待されることになります。

筋膜の状態が僧帽筋ストレッチのポイント?

筋肉は、「筋膜」と呼ばれる薄い膜によって包まれています。もちろん、僧帽筋も例外ではありません。姿勢の悪さやバランスの良くない動作によって筋膜は硬くなってしまい、そこから肩こりなどにも結びついていきます。

筋膜の構造としてはコラーゲンやエラスチンといった成分の線維がめぐらされているのですが、負担が大きくなるとその線維が癒着した状態になってしまうのです。これではちょっとやそっとストレッチをしても、そもそも筋膜の状態が改善されなければなかなか症状も改善されません。

ですから、同じ僧帽筋ストレッチをするにしても筋膜の状態いかんによって効果の現れ方は異なったものになるというわけです。そうなると大前提として、筋膜が良い状態になっている中でストレッチを行いたいもの。そこで、「筋膜リリース」というものに注目が集まっています。

注目の僧帽筋ストレッチ?筋膜リリースのやり方と効果

筋膜リリースは、筋膜が本来持っている伸縮性ややわらかさといったものを「回復」させるための方法。筋膜の線維をほぐすということでストレッチと似ているものですが、ストレッチは基本的に筋肉ごとに行うものです。伸ばし方も、ひとつの向きに対して伸ばしていきます。

一方の筋膜リリースについては筋膜が立体的につながっているものであるため、それを連動させながら伸ばすことがポイント。それによって僧帽筋ストレッチにしても、より大きな効果が期待されることになります。癒着を解消させるということで、筋膜リリースは「筋膜はがし」と呼ばれることも。

筋膜リリースの方法としては頭の上へ右腕、左腕は腰の後ろあたりに持っていきます。さらに後ろから見て腕を時計と逆方向へ動かし、そのまま止めて20秒保ちます。さらに左足の前方へ右足を交差させ、左側へ身体を傾けてまた20秒。そして鼻を左の肩へ寄せてもう20秒そのままにします。ここまでの流れを逆側も同じように行い、1日につき3セットが目安となります。

慢性化するこりには継続的なケアを

こりや痛みが慢性化してしまっている場合には、慢性化するだけの原因が身体自体や日常生活にもあるということになります。僧帽筋をストレッチすることは確かに効果的であるのですが、良くなったからと言ってそれで終わりではまた症状がぶり返してしまう可能性も高くなるのです。

ですから、ストレッチの成果で症状が治まってきたと感じられた頃合いがむしろ重要。それからも継続してストレッチをして、ケアをすることが大切であるのです。もちろん毎日が忙しければできるだけの範囲で、ストレッチすること自体が負担にならない程度に続けるようにします。

肩こりなどの原因になっている生活習慣をすべて改めることは、非常に困難。僧帽筋に負担はかかり続けるものであるという前提で、完全に症状が改善されてからは日々の負担をストレッチでゼロへ近づけるようにしましょう!


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