ファッションの流行りはサイクルすると言われていますが、ワンポイントのオシャレとして本切羽が流行っています。紳士服に詳しい方はご存知かもしれませんが、本切羽(本開き)とは何なのか、読み方は、オシャレな着こなし方は…そんな本切羽を解説していきます。

目次
本切羽(本開き)とは
本切羽とは、スーツの袖ボタンを開け留め出来る仕様で読み方は「ほんせっぱ」と読み、別名は本開きと言い「ほんびらき」と読みます。本切羽・本開きはビジネスシーンにおいて実際に開け締めすることは少ないですが、カジュアルな服装が認められている職場ではボタンを一つ開けてさりげないオシャレ演出をされる方もいらっしゃる様です。
裁縫技術が高まり少しづつ既製品でも見られるようになりましたが、本切羽仕様のスーツはオーダーメイドが多いです。こだわりポイントとして好む方が多くいらっしゃる様です。ひと昔前はオーダーメイドスーツは高級なイメージがあるので、スーツを着こなしてるやり手感がありますよね。
既製品スーツでも本切羽が増えてきていますが、普段からスーツを着ている人のオシャレではなくジャケットにも本切羽仕様の製品が増えています。仕事着にスーツを着る人だけのオシャレではなく、普段着る服にジャケットを選んでいる方も楽しめるオシャレです。
チラスーツ٩( 'ω' )و
— 草薙刃@勇者の出番ねぇから発売中! (@KaguyaKurokawa) April 8, 2017
青の方はペンシルストライプ。本切羽でボタンの縫い糸をひとつだけ裏地の赤に合わせて赤にしてみました(´ω`) pic.twitter.com/XF00C9aOXd
既製品の袖口は本切羽なのか
既製品で見られる袖口は、本切羽に対して「切羽なし(読みは「せっぱなし」)」「開き見せ(読みは「あきみせ」)」と呼ばれている仕様が多いです。。切羽なしとは、袖を開け締めすることが出来ない仕様でついているボタンは飾りです。ボタンホールかがりをして上からボタンをつけたり、直接ボタンをつけるのが一般的です。
既製品のスーツはサイズが決まっているので着る人がスーツに合わせてサイズを選びますが、どうしても袖丈の長さが合わない場合があります。袖丈の調整の際、切羽なしは袖直しが比較的に簡単なので既製品には切羽なしが多いのです。また、ボタンホールを開ける必要がなく、工程によるコストカットが出来るのも切羽なしが多い理由の一つです。
本切羽(本開き)の由来とは
ヨーロッパではジャケットは上着でシャツは下着とし、スーツのジャケットは脱がないのが一般的でした。人前でジャケットを脱いで下着姿になる訳にはいけませんよね。そこである職業の人が困ってしまいます。
それはドクターです。患者の診察の時や手術の時に、どうしても袖をめくる必要があったのです。そこで、袖をめくれる様に本切羽仕様のジャケットを仕立ててもらった訳です。ここから本切羽はドクタースタイルとも呼ばれます。
ジャケットの袖にボタンがあるのが気になる人もいらっしゃると思いますが、スランスの皇帝ナポレオンが袖のボタンをつけたと言われています。スーツの源流はフロックコートと言われ、軍服にも用いられていました。ナポレオン軍がロシアへの進軍の際、寒さで兵隊が袖で鼻水を拭いていました。その鼻水のついた袖口を見て、袖で鼻水を拭けない様にボタンをつけたと言われています。
本切羽(本開き)のメリットとは
本切羽のメリットとしては、オーダーメイドスーツという主張が出来る事です。既製品でも本切羽が増えているとお伝えはしましたが、やはり、オーダーメイドは高級志向品です。本切羽=オーダーメイド品という思いはあります。そんな本切羽仕様のジャケットを着ていたら注目をあびる事でしょう。
袖をめくることが出来る本切羽は、夏の暑い時や手が汚れる作業をする時、手を洗う時に活躍します。ドクタースタイルと言われる本切羽の使い方に近いですね。
本切羽(本開き)のデメリットは
本切羽仕様にするデメリットは開く機会が意外と少ない事です。ビジネスシーンにおいてボタンを開けて取引先にいく事はないですよね。一日でスーツを着ている時間はほぼ仕事の時間だと思います。クールビズが定着しノーネクタイは認められてはいますが、袖をめくる事は認められていないかなと思います。
・水牛の角のボタン
— じゅん✈︎5/7例大祭 (@kaigai_sky) February 28, 2017
・本切羽
・ステッチ色変更
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スーツの袖。誰にも気付かれないでしょう。だがそれがいい。男のオシャレってそういう感じが良い。 pic.twitter.com/jXbCvU9gKh
オシャレポイントとしての本切羽ですが、本切羽を知らない人が意外と多いのです。待ちに待ったスーツを受け取り、こだわりの本切羽を見ながら優越感にひたります。ですが、人前に出ても気づかれないんです。何せ、本切羽を知らない人が多いんです。袖を強調して興味を引いても価値は伝わりにくいです。
オーダーしたスーツが完成!
— 佐藤雅也 (@masaya_gt_uk) March 5, 2017
こだわりの水牛ボタンと本切羽、、、果してどれだけの人が気づいてくれるのか(^_^;) pic.twitter.com/3O6mbwkqLr
本切羽(本開き)はこだわりのオシャレ
本切羽は、オーダーメイドならではのこだわりを持てます。ボタンホールの糸を一か所だけ変えてみるのもオシャレです。特に第一ボタンにこだわる人が多いですね。色を変えたボタンホールがチラッと見えるのはワンポイントになります。
袖を軽くめくるのもオシャレポイントです。オーダーメイドで仕立てたスーツですので、袖をめくるのを前提に裏地を少し明るめな生地にするのも良いです。また、時計やカフスのアクセサリーを際立たせるポイントにもなります。
本切羽(本開き)仕様のスーツの着こなし術
まずは、スーツの着こなしをお伝えしようと思います。一般的な服の流行りと違いスーツのデザインはある程度決まっているので、流行はデザインのサイクルになっています。以前はノータックのスラックスでスリムデザインのスーツが人気でしたが、今はタック入りスラックスにクラシックデザインのスーツに人気が移っている様です。ベストを揃えたスリーピーススーツも人気です。
スーツ、ワイシャツ、ネクタイの三点をトータルでコーディネイトします。生地柄にはストライプやチェック、無地がありますが同じ生地柄で三点を揃えてしまうとしつこく感じます。三点の中から二点を同じ生地柄にし、一点の違う生地柄でアクセントをつけます。
色合いは近い系統色で合わせるとまとまりが出ます。スーツの色はおとなしい色が多いですので、ワイシャツかネクタイの色を明るくしても遊び心があると思います。
本切羽仕様のスーツにはやはりカフスがおすすめです。こだわりのオシャレとしてお伝えしましたが、やはり、本切羽仕様で袖がめくれるのであればカフスです。切羽なし仕様だとどうしてもカフスが見える機会が少ないです。ワンポイントとしてあえて見せちゃいましょう。後は、ベルトと靴の色は合わせる事で足先までまとまりが出来ます。
本切羽(本開き)仕様のジャケットの着こなし術
普段から着る服としてジャケットは組み合わせやすいと思います。デニムパンツやチノパンでカジュアルに、スラックスと合わせてフォーマルに着こなしても良いです。色も2、3色でまとめると統一感があってオシャレに見えます。
インナーも清潔感のある白Tからボーダーやワイシャツが合わせやすいです。ワイシャツは襟の形が色々あるので合わせるのが楽しいですよ。ネクタイが無くてもオシャレに見せてくれるボタンダウンカラーや、おすすめは第一ボタン部に二個ボタンがついているドゥエボットーニカラーです。
こだわりの本切羽(*´ω`*) pic.twitter.com/PZonDadlAi
— メグム (@Q8G642wkOEItK9R) March 4, 2017
サマージャケットには本切羽仕様が多いようです。めくった袖がカジュアル感を出し、時計などのアクセサリーが顔を出すのオシャレです。スーツでは袖を開ける事は少ないかもしれませんが、ジャケットだとオシャレの一つとして考えやすいですよね。
本切羽(本開き)はオーダーで
オーダーメイドでスーツを作る事は高級志向ではありますが、敷居が高い気がしますよね。ですが、昔ながらのフルオーダーだけでなく、今ではイージーオーダーやパターンオーダーで比較的簡単にスーツを作ることが出来ます。
採寸から裁縫まで一から作り上げるフルオーダーと違い、イージーオーダーは裁縫工場に何百パターンある各部の型紙から着る人の体に合った型紙を使いオーダーメイドします。型紙を専用に作ることが無いのでフルオーダーより安く作れます。
パターンオーダーはゲージ服と呼ばれるサンプルのスーツを試着し、既存サイズの中から体形に合った服を選びます。そこから、袖丈や着丈などを部分的に調整をします。そして、生地やボタン数を決めます。
後は、オプションをどうするか決定し完了。出来上がりを待ちます。本切羽はこのオプションで有り無しを選びます。それにもう一点プラス要素で、ボタンにこだわりを持たせても良いです。既製品はポリエステル製が多いですが、水牛ボタンに変えてみるのもおすすめです。
アルディージャの今年のオフィシャルスーツができました。
— ハルタイキ (@haltaiki) April 27, 2017
三つぞろい、本切羽、裾が大きめのダブル。好みを盛り込みました。#ardija #SADA pic.twitter.com/4mcDIWwrnB
価格もフルオーダーだと大よそ20万円程度からのところ、イージーオーダーでは5万円から20万円程度、パターンオーダーは3万円程度からとなっています。価格的にもオーダーメイドスーツに挑戦する場合はパターンオーダーがおすすめです。
また、スーツに合わせてワイシャツもオーダーメイドしてしまうのもトータルな着こなしが出来ます。買物ついでに紳士服を眺めるのもいろいろな生地など見れるので楽しいですよ。
最後は楽しく着こなす
着こなしは服の流行を読み、情報を集めていく事にあります。せっかく仕立てたスーツなのでばっちりと着こなしたいですよね。ネットでオーダースーツを扱うお店も増えていますが、やはり一度目で見て生地を触ることが一番です。販売員もプロのはずです。プロに採寸や生地の特徴を聞いてみるのも一つの情報です。
タリアトーレの紺ジャケット届きました。
— ロゼ (@R05EN01R) September 25, 2016
袖は本切羽にしていだきました。
もう少し涼しくなれば出番が増えそうです。 pic.twitter.com/lQIHNiBpsD
本切羽は時間とお金をかけたオーダーメイドならではのこだわりであり、色々な見せ方を楽しめます。本切羽仕様のスーツを一着持ってみても良いかなと思います。本切羽やスーツの着こなし術についてお伝えしましたが、これからのスーツ選びの参考にして頂けたらと思います。
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