玄米を炊くのは白米より手間がかかると思っていませんか?玄米は炊飯器で簡単に炊くことが出来ます!炊飯器での玄米の炊き方と、より美味しい玄米にするポイントをご紹介します。圧力鍋などを使わずに、家にある炊飯器で美味しく炊けますので、ぜひ炊き方をマスターしましょう!

目次
玄米は炊飯器で簡単に炊ける!
土鍋、圧力鍋に負けない炊飯器
玄米は、白米に比べて食物繊維やビタミンミネラルを豊富に含んでいて、栄養バランスがとても良いため「完全栄養食」といわれています。主食を白米から玄米に変えるだけで、食事の栄養価は飛躍的に良くなるのです。健康に良い食品として玄米が注目されてから久しいですが、皆さんは普段玄米を食べていますか?
日常の食生活に玄米を取り入れている人にとっては、玄米を毎日炊くことに手間は無いでしょう。しかし、玄米が健康に良いらしいと聞きつつも手が出ていない人たちの中には、玄米は白米に比べて炊き方が面倒だというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、そのイメージは実は間違いなんです!玄米は、土鍋や圧力鍋を使ったりしなくても、炊飯器で簡単に美味しく炊くことが出来ます。土鍋や圧力鍋を使うと思うと、確かに玄米を炊くのは面倒に感じます。しかし、普段使っている炊飯器なら簡単ですよね。今回は、炊飯器を使って美味しい玄米を炊く方法をご紹介します。
炊飯器での美味しい玄米の炊き方①玄米を洗う
圧力鍋でも炊飯器でも…
圧力鍋でも炊飯器でも、何を使って玄米を炊くにしても、白米と同様に玄米を洗う工程が必要です。白米を研ぐときのように玄米を洗っても問題は無いのですが、炊飯器で美味しい玄米を炊くためには、洗い方もより良い方法でやってみましょう。炊飯器で玄米を炊く前に、玄米を洗う際のポイントをご紹介します。
美味しい玄米の洗い方ポイント
炊飯器を使う前にチェックしたいポイント
玄米の洗い方には白米とは異なるポイントがあります。それは、玄米をゴシゴシと洗ったり、沢山かき混ぜて研ぐ必要は無いという点です。炊飯器で玄米を炊く前に洗う際は、玄米の表面についたゴミを流すことができればOKなので、擦る必要はありません。
水でさっと洗って、あくまでも優しく2~3回ほどもみ洗いしましょう。この玄米の洗い方は「拝み洗い」と呼ばれます。手と手を優しく合わせる動きが拝んでいるように見えるからでしょう。
一方、炊飯器を使う前に玄米を水に浸ける時間があまり取れない場合には、玄米同士をこすり合わせるように洗って皮部分に傷をつけ、吸水しやすい状態にして炊飯器で炊くという手もあります。
炊飯器での美味しい玄米の炊き方②水に浸ける
浸水してから炊飯器へ
炊飯器で玄米を炊く前に、玄米を水に浸けます。この浸水の工程は炊飯器を使って炊いた玄米の仕上がりを大きく左右します。基本的には6時間以上玄米を水に浸けるのがおすすめですが、炊飯器で炊く前に時間がない場合には1時間程度でもOKです。
また、炊飯器の機能として玄米モードがある場合には、洗った玄米をそのまま炊飯器に入れて炊くことも出来ます。ただ、その場合でもやはり事前に玄米を浸水させてから炊飯器を使う方が、より美味しい炊き上がりで玄米を食べられるようです。
ここから、炊飯器で炊く前に玄米を水に浸けることがなぜ必要なのか、炊飯器で炊く前に浸水させることによって玄米にどのような変化が起こるのかを解説します。浸水の必要性を理解して、炊飯器での玄米炊飯をより良くマスターしましょう。
なぜ玄米を水に浸ける?【玄米を柔らかくする】
炊飯器での炊き方の前に①
玄米は、白米に比べて固い状態です。それは、収穫されたお米から籾を取り除いただけで、米ぬかが残った状態だからです。米ぬかはとても固く、米の内側に水が入ってこないように防御する殻のような役割をしています。
そのため、玄米を洗ってそのまま炊飯器に入れて炊き始めると、米の内部に水が染み込みにくく、食感の硬い玄米が炊けることになります。
炊飯器で炊く前に6時間~12時間ほど水に浸しておくと、米ぬかの内部まで水が浸透して玄米に水が吸収されるため、柔らかく食べやすい玄米を炊飯器で炊くことが出来ます。夜のうちに玄米を浸して、翌朝に炊飯器で炊くというのがおすすめです。
なぜ玄米を水に浸ける?【玄米の毒性を取り除く】
炊飯器での炊き方の前に②アブシジン酸
「玄米には毒性がある」と聞いたことがある人もいるでしょう。これは、「アブシジン酸」と「フィチン」という成分についていわれていることです。アブシジン酸とは、これから発芽する植物の種には全て含まれている成分で、植物の発芽に不可欠なものです。
アブシジン酸は消化に悪かったり、がんや冷え性、体のだるさの原因になるといわれています。このアブシジン酸は発芽に使われる成分なので、玄米が発芽してしまえば消えてしまいます。
冬場で24時間、夏場で12時間ほど玄米を浸水させることによって、玄米が発芽してアブシジン酸は害のない状態になります。また、アブシジン酸に関しては最初から発芽している玄米を使って炊飯器で炊く場合には、既に毒性が無くなっているので心配いりません。
フィチンとフィチン酸
もう一つの成分「フィチン」に関してですが、これは「フィチン酸」と混同されることが多いようです。フィチン酸にはミネラルと結合する性質があり、その性質ゆえに体内に必要なミネラルまで結合して排出してしまい、体がミネラル不足になるという説がありました。
しかし、最近の研究では、フィチン酸は血液中のミネラルには影響を及ぼさないことが分かり、体内のミネラル不足を引き起こす心配は無いということが分かってきました。
しかも、この説によって玄米の「ミネラル排出説」まで出ていたわけですが、玄米に実際に含まれているのはフィチン酸ではなく「フィチン」です。フィチンは既にミネラルと結語された成分なので、そもそも体内のミネラルを奪うという可能性はないのです。
つまり、玄米の毒性に関して配慮すべき成分はアブシジン酸だけであり、アブシジン酸は浸水によって発芽させるか、最初から初出した玄米を購入することによって、毒性を回避できるのです。
なぜ玄米を水に浸ける?【玄米の残留農薬を取り除く】
炊飯器での炊き方の前に③
お米を育てる際には基本的に農薬が使われていますので、特に無農薬という表記が無い限りは玄米にも農薬が使われています。しかも、もみ殻を取り除いた後に米ぬかも胚芽も取り除いて精製された白米とは違って、玄米はもみ殻を取り除いただけの状態です。
そのため、玄米は白米に比べて残留農薬に注意する必要があると考えられます。炊飯器で炊く前に玄米を浸水させることは、残留農薬を除去するためにも効果があるといわれています。炊飯器でお米を柔らかく美味しく炊くというだけでなく、残留農薬を取り除いて安全に食べるためにも、炊飯器で炊く前に玄米を水に浸ける工程は大切なのです。
なぜ玄米を水に浸ける?【玄米のアレルギー対策】
炊飯器での炊き方の前に④
卵や牛乳、小麦、そばなどの食物アレルギーはよく耳にしますよね。実は、お米のアレルギーというのも存在します。米アレルギーの多くの原因は、米に含まれる「アレルゲンたんぱく質」です。この成分は、浸水させることで減少するといわれています。
人によっては、浸水によってアレルゲンたんぱく質を減らしたお米であれば食べられるという場合もあるでしょう。ただ、アレルゲンたんぱく質が完全に無くなるというわけではありません。アレルギーの程度によっては、玄米を浸水させたからといって食べられるようにはならない人もいますので、注意が必要です。
なぜ玄米を水に浸ける?【玄米の栄養価をアップさせる】
炊飯器での炊き方の前に⑤
玄米を炊飯器で炊く前に水に浸けることにより、玄米が発芽するというご説明をしました。玄米は、発芽する段階になると一段と栄養かが高くなります。それは、発芽のために酵素が活発に働き始めるからです。
玄米は白米に比べて栄養価が高いとよく言われますが、この発芽玄米の状態がまさに栄養豊富な状態です。また、玄米に含まれる糖分が分解されて甘みが増し、たんぱく質の分解によってアミノ酸が増えます、アミノ酸は食べ物を美味しくするうまみ成分なので、発芽によって玄米はますます美味しくなっているのです。
炊飯器での美味しい玄米の炊き方③いよいよ炊飯!
ここで炊飯器の登場!
玄米を十分に水に浸すことができたら、いよいよ玄米を炊いていきます。土鍋や圧力鍋で炊くのももちろん良いのですが、日常的に使っている炊飯器でも玄米は美味しく炊くことが出来ますので、ここでは炊飯器を使った炊き方で解説していきます。
炊飯器の水加減
炊飯器の内釜に水の分量の印が付いていますよね。玄米用の印がある炊飯器の場合にはその印に従えばOKですが、玄米の印が無い炊飯器だと、水の量に迷うでしょう。
玄米を炊く際の水加減は、玄米1カップに対して1.5カップが目安です。炊き上がりの硬さの好みに合わせて、水の量を調整しても良いでしょう。ちなみに、圧力鍋を使って玄米を炊く場合も水加減の考え方は同じで大丈夫です。
玄米に対応した炊飯器
最近では、通常の炊飯器でも内釜に玄米用の目盛りが付いていたり、玄米モードを搭載した炊飯器も出てきましたので、炊飯器で玄米を炊くことがどんどん簡単になっています。また、玄米を発芽させてから炊くところまで自動でできる「発芽玄米炊飯器」も登場しています。
こういった玄米に対応した炊飯器を使うことで、玄米を日常的に手間なく食べることが出来るようになります。また、圧力IHの炊飯器も玄米を炊くのにはおすすめです。圧力炊飯器なら玄米がよりふっくらと、モチモチした食感になり、自然な甘さが出て美味しくなります。
もちろん、特に玄米に特化した炊飯器でなくても、事前の浸水をきちんと行って水加減を調整して炊けば、自宅の炊飯器で玄米を炊くのは簡単です。玄米を炊くたびに土鍋や圧力鍋を引っ張り出すと思うと面倒ですが、炊飯器なら常に使う場所に設置されていますから、玄米を炊くのにも簡単ですよね。
玄米に一つまみの塩を
もっと美味しい玄米の炊き方ポイント①
玄米を炊飯器で炊くときに、一つまみの塩を入れると玄米がより美味しくなります。玄米にはカリウムが含まれていて、カリウムはむくみの解消などに効果的な嬉しい成分です。ただ、カリウムの影響で、炊飯器で炊いた玄米に少し苦みが出ることがあります。
炊飯器で玄米を炊く際に一つまみの塩を入れると、塩のナトリウムが玄米のカリウムを中和して苦みを消してくれます。また、塩のナトリウムが玄米の米ぬかを柔らかくし、水分の吸収を助けてくれるため、ふっくら柔らかく玄米が炊けます。
さらに、塩の味によって玄米の自然な甘みが引き立つという効果もあります。スイカに塩をかけるのと同じ原理ですね。一つまみの塩を入れるというとても簡単な方法で、炊飯器で炊く玄米が一層美味しくなるのです。
玄米に備長炭を
もっと美味しい玄米の炊き方ポイント②
炊飯器で玄米を炊く際に備長炭を使うと、備長炭のミネラル分が玄米に浸透して健康に良いですし、備長炭の弱アルカリ性の性質によって玄米の甘さや粘りが増して美味しくなるのでおすすめです。
また、備長炭を炊飯器に入れることによって遠赤外線効果が生まれるため、炊飯器の熱が玄米の芯まで伝わりやすくなります。さらに、備長炭の消臭効果は玄米のぬかの匂いを吸着してくれます。炊飯器でご飯を炊く際に水道水を使っている場合には、カルキ臭がしてしまうこともありますが、備長炭はそのカルキ臭も消臭してくれます。
備長炭は、炊飯器に入れる前に煮沸消毒をしましょう。その後、炊飯器に入れた玄米の上にのせて、そのまま炊飯器で炊いてOKです。玄米1号に対して、備長炭10~20グラムくらいを炊飯器に入れましょう。
玄米に日本酒を
もっと美味しい玄米の炊き方ポイント③
玄米を炊飯器で炊く際には、日本酒を入れるのもおすすめです。お肉を焼く際に日本酒を使うことで臭みが取れるとよく言われますが、玄米のぬかの匂いを取るのにも日本酒は効果的です。また、日本酒に含まれる糖分は玄米の甘みを増し、日本酒のアミノ酸は玄米のうまみを増してくれます。
日本酒のアルコール分は玄米のペクチンを強化するため、玄米が煮崩れることを防いでくれます。炊飯器で玄米を炊く際には、玄米3合に対して日本酒大さじ1~2杯を入れましょう。日本酒を入れるだけで玄米が美味しくなるなんて、とても簡単なテクニックですね。
玄米に圧力を
もっと美味しい玄米の炊き方ポイント④
炊飯器で玄米を炊く工程でもご説明しましたが、圧力をかけて玄米を炊くことは、玄米をより美味しくするために効果的です。その点では、圧力鍋を使って玄米を炊くことはおすすめです。圧力鍋を普段から使い慣れていて、面倒に感じないという人は、玄米も圧力鍋で炊くと良いでしょう。
ただ、圧力鍋を持っていなかったり、使い慣れていないので面倒だと感じる人には、やはり炊飯器が簡単でおすすめです。圧力IHの炊飯器なら、しっかりと圧力がかかって玄米を美味しく炊くことが出来ます。
炊飯器でおいしい玄米を炊こう!
これで炊飯器での玄米の炊き方はばっちり
炊飯器を使って簡単に玄米を炊く方法をご紹介しました。玄米を炊くのってもっと手間がかかって難しいのかと思いきや、普段白米を炊いている炊飯器を使って炊けるなんて、意外と簡単ですよね。炊飯器なら、どの家庭にもある調理家電ですから、玄米に対するハードルが下がるのではないでしょうか。
また、炊飯器で玄米を炊く際に、もっと美味しくするためのポイントもご紹介しました。塩や日本酒を入れる方法は、特に簡単ですぐにでも実行できそうです。炊飯器を使った簡単な方法で玄米を炊いて、ぜひヘルシーな食卓を作ってくださいね!
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